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認知症の治療としてのリハビリについて医師が解説

 
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1974年生まれ。2000年三重大学医学部卒業。三重県松阪市で内科クリニックを10年前からしています。診療所に併設して有料老人ホーム、認知症対応型グループホームもあり、自宅生活の方も含め在宅医療も行っています。 また、インスタグラムでフォロワー1万人超のアカウントを2つ運営するインスタグラマーでもあります。 地域のかかりつけ医として気軽になんでも相談してください。医療と介護の両面から一緒に考えます。
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認知症の治療の目的

認知症は、神経細胞が破壊されることで記憶障害などの中核症状が出現します。

一度壊れた脳の神経細胞は元には戻らず、その細胞が担っていた機能を取り戻すことはできません。

そのため、認知症の治療とは残存機能を維持しながら病状の進行を遅らせて、日常生活に支障を来している症状を軽減することが主な目的です。

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認知症に対してリハビリで改善が見込めること

一方、中核症状に本人の元々の性格や療養環境などが加わって生じる妄想や幻覚、徘徊などの周辺症状(BPSD) についてはリハビリで改善が見込める分野です。

なぜなら、脳の神経細胞は全てが活動しておらず、眠っている細胞も多くあり、「視覚」「聴覚」「嗅覚」「味覚」「触覚」といった五感を使うリハビリ脳に刺激を与えることで、細胞を覚醒し、破壊された神経細胞の代わりとなって活動するようになる可能性があります

 

効果的な認知症リハビリのポイント

効果的にリハビリを行うポイントは、「運動」「思考」「心の満足」の3つをできる限り同時に行うことです。

考えながら同時に適度な運動を行うことで脳に刺激を与え、他人からの感謝されることで心の満足も得られるという感じです。

例えば家事では、料理は段取りを考えながら同時に複数の作業を行うことが多いため、脳細胞の活性化が期待されます。

料理以外にも、掃除や洗濯などの家事が手伝えるようになると、家族や周囲から認められ、自分が社会で必要とされている気持ちを持て、心の満足も得られるようになることが多いです。

家事以外にも、患者さんの過去の仕事や趣味などをリハビリに生かすことも有効です。

仕事や趣味で続けてきた動作は認知症になっても身体が覚えていることが多く、そのため失敗が少なく、患者さんの能力を発揮させやすいです。

複雑な動作が困難な場合は、簡単な掃除や衣服の折り畳みなどできることから始めます。

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認知症リハビリはいつから始めるとよいか

認知症では家で何もしない時間を作らないようにしないといけません。

一日中座って、テレビを見ているだけの生活は刺激も乏しく間違いなく認知症を悪化させます。

ですから認知症リハビリはすぐにでも始めるのが良いが正解です。

 

認知症リハビリの目標設定

リハビリの目標を設定する際には「着替えができるようになる」「畑仕事を再開する」など、患者さんに合った具体的な目標にすることで、達成時の満足感が高まります。

認知症の病状が進行して寝たきり状態になっている場合は、まずは座った生活を目標としたりします。

座位を保つことで心肺機能や体のバランス機能が高まり、座位保持をすることで体力もつきます。

認知症のリハビリというとつい問題集の様なものをしたり集団で歌ったり踊ったりというイメージがありますが、(そういうことをしない訳ではないですが)各患者さんの認知症の症状や環境に合わせてプログラムを作成し各々に合ったリハビリを提供します。

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デイケアセンター西井でのリハビリのメリット

当院のリハビリでは在宅時より関わらせて頂くことで、身体機能が低下し施設入居が必要となった際でも併設の有料老人ホームに入居して頂いた場合、介護担当者との連携もスムーズに行いながらリハビリを継続して頂いています。

また、グループホームに入居して頂いた場合は残念ながら介護保険制度上デイケアへは通えませんが、グループホーム専従の看護師によりリハビリスタッフと連携しグループホーム内でリハビリを行っています。

また当院は専従の精神科医もおり、院長である私も各種認知症研修を受講しています。

リハビリや環境整備だけでは不十分な場合や急を要する際の薬物療法も行っています。

 

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1974年生まれ。2000年三重大学医学部卒業。三重県松阪市で内科クリニックを10年前からしています。診療所に併設して有料老人ホーム、認知症対応型グループホームもあり、自宅生活の方も含め在宅医療も行っています。 また、インスタグラムでフォロワー1万人超のアカウントを2つ運営するインスタグラマーでもあります。 地域のかかりつけ医として気軽になんでも相談してください。医療と介護の両面から一緒に考えます。
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