三重県松阪市の医療と介護の専門家 

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美肌や関節のために摂るならコラーゲンではなくアミノ酸!

 
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1974年生まれ。2000年三重大学医学部卒業。三重県松阪市で内科クリニックを10年前からしています。診療所に併設して有料老人ホーム、認知症対応型グループホームもあり、自宅生活の方も含め在宅医療も行っています。 また、インスタグラムでフォロワー1万人超のアカウントを2つ運営するインスタグラマーでもあります。 地域のかかりつけ医として気軽になんでも相談してください。医療と介護の両面から一緒に考えます。
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こんにちは!

三重県松阪市の医療と介護の専門家、

西井医院の院長(  @nishii.hospital)です。

 

美容目的や関節痛目的の「コラーゲン入り」をうたった製品はとても多いです。

コラーゲンドリンク、コラーゲンサプリメント等々ありますが、本当にコラーゲンを摂ると肌がツヤツヤになったり、関節の痛みが楽になるのでしょうか?

 

今回はコラーゲンについてと本当にコラーゲンを作りたいならアミノ酸の摂取が必要ということを解説です。

 

コラーゲンとは何か?

コラーゲンとはタンパク質の一種であり、骨、軟骨、皮膚、角膜など体内の多くの部位に分布している。ヒトの体内に存在しているコラーゲンの総量は、全タンパク質の約30%(皮膚40%、骨・軟骨10~20%、血管7~8%と人体の部位によって割合は異なる)を占めるといわれており、特に皮膚や骨・軟骨などの主成分として線維構造をつくり組織の構造や柔軟性を保つ役割を担っている。多くのタンパク質は細胞中で特定の機能を果たしているが、コラーゲンは細胞の外に繊維状に存在し、細胞と細胞のすきまを埋める役目を主に負っている。

 

コラーゲンは加齢とともに減少します

皮膚にシワができてくるのも、関節が痛くなるのも、体内のコラーゲンは加齢とともに変質し、生成量も減ってしまうからです。

そこで不足したコラーゲンを摂取して補えばよいというのが、コラーゲンサプリメントの理屈です。

 

口から摂取したコラーゲンはそのまま体内でコラーゲンになりません

コラーゲンは分子量が大きく一般的に水に溶けにくく吸収性も悪いです。

ですので、摂取したコラーゲンがそのまま体内に取り込まれて皮膚や関節に届くことはありません

院長
フィッシュコラーゲン(フラコラ)は魚のうろこが原料ですが、そのまま届いたら体内でうろこになってしまいます(笑)。

 

また、コラーゲンの種類は多種多様です。

コラーゲンにはⅠ型、Ⅱ型といった具合に合計29種類の分子種があり、それぞれ体内での分布が異なっています。

たとえば皮膚や骨にはⅠ型が多く含まれ、角膜にはⅤ型が分布されていますが、それらを一緒くたにして単にコラーゲンを摂ればよいというのはおかしな話です。

 

コラーゲンが身体の中で分解されてアミノ酸になり、再合成されてコラーゲンになると説明するものもありますが、普段の食事でも身体の中で分解されてアミノ酸になり吸収されるので、敢えてコラーゲンを摂取する必要性は乏しいです。

 

コラーゲンペプチド(低分子コラーゲン)について

コラーゲンは高分子で吸収が悪いため、最近はコラーゲンペプチドを謳い文句にしている商品も増えてきました。

コラーゲンをゼラチンに加水分解し、それをさらに酵素分解したコラーゲンペプチド(=分子量が少ない)であるならば、吸収力も高くなり、体内でのコラーゲン生成にも役立つ、というのがコラーゲンペプチド(低分子コラーゲン)の理論です。

 

こちらはただのコラーゲンよりも可能性を感じますが、まだまだ研究段階のものであり、本当に肌や軟骨に効くかはこれからの研究次第です。

院長
国立健康・栄養研究所が2012年に、コラーゲンを食べても分子量が大きいため吸収のためにアミノ酸やペプチドに分解されるとし、分子量が500などの低分子コラーゲンでも、再びコラーゲンの合成の利用に使われるかや、「美肌」「関節」に期待する効果が出るかどうかは現時点での科学的知見では「分からない」との見解を示しています

 

コラーゲン含有製品の謳い文句について

ここまで読んでもらえれば、「コラーゲンドリンクを飲んだ翌日にお肌がプルプル!」といった宣伝文句は全く信ぴょう性がないと分かってもらえたかと思います。

院長
仮にコラーゲンに美肌効果があったとしても、肌は1ヶ月かけてターンオーバーします。

翌日に実感できる効果が表れることはあり得ません。

「飲んだ翌日にお肌がふっくらしました!」と書いてあればそれは気のせいです。

 

コラーゲンペプチド(低分子コラーゲン)に関してははっきりとしたデータは出ていません。

現在発売中のコラーゲンペプチド含有製品は有効性があるであろうという前提で作られています。

 

大事なのはコラーゲンを摂ることではなくコラーゲンを作る力

ではコラーゲンを生成するのに大切なのは何でしょうか?

 

コラーゲンを作るにはビタミンCが大切

コラーゲンは3重のらせん構造をしており、ビタミンCはその構造を保つ働きをする酵素を助ける補因子として作用しています。

コラーゲン分子が規則的な3重らせん構造を形成するためにはアミノ酸(プロリンやリシン)に水酸基(-OH)がそれぞれ一つずつ付加されなければならず、その規則性が失われると結果的に弾力性や強度のあるコラーゲン繊維が構築できなくなります。

ビタミンCは水酸基を付加する酵素を補助しているため、良質なコラーゲンの形成につながっています

 

コラーゲンの原料となるアミノ酸を摂取する

アミノ酸なら何でもいいわけではありません。

コラーゲンのアミノ酸組成は、グリシンが約1/3、プロリンおよび(プロリンが水酸化されたものである)ヒドロキシプロリンがそれぞれ約10%、残りがその他のアミノ酸で構成されています。

よってコラーゲンの原料となるグリシン・プロリン・ヒドロキシプロリンが多いアミノ酸が薦められます。

 

たばこはコラーゲン生成を阻害します

たばこはビタミンCを破壊することで間接的にコラーゲン生成を阻害します。

このため、喫煙者の方はしわができやすくなります。

美肌を望むならたばこはやめましょう。

 

まとめ

コラーゲンを摂取してもそのままコラーゲンとして吸収されません。

コラーゲンペプチドは有効かもしれませんが、現在はまだデータが不十分ではっきりと有効とは断定できません。

アミノ酸とビタミンCはコラーゲンの原料となります。

摂取するならアミノ酸とビタミンCを含んだサプリメントがお勧めです。

 

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