長引く風邪は咳喘息かも? 咳喘息を疑う症状4つ
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10月になってから咳喘息が疑われる症状を訴えて受診する人が増えてきました。
咳喘息は一日の気温の変化が大きくなりだす9~10月に症状が出やすくなります。
咳喘息が疑われる症状
1. 風邪がいつまでも治らない
「熱や喉の痛みは治ったのに空咳がいつまでも続く」と言って来院した人は咳喘息の可能性があります。
2. 以前に喘息を指摘された
このタイプも結構います。
医師の指示で治療が終了していればまだいいのですが、自己判断で中止してこの時期にぶり返す人がいます。
3. 入眠時や早朝に咳がでる
入眠時や早朝は自律神経の影響により咳が出やすくなる時間です。
「咳で眠れない」といった訴えのときは要注意です。
昼夜関係なく咳が出るのは気管支炎などを疑いますが、「風邪で空咳が続く」と言った来た人の話をよく聞くと朝晩しか咳が出ないというのはよくあります。
4. 喉のイガイガ感が続く
長話をしていると、喉が渇いたり枯れたりもします。
咳が長く続くといって来られたときは
- 一般に2週間以上長引く咳は疑います。
- アレルギーやアトピーの素因をもっていないか。
- ペットを(特に屋内で)飼っていないか。
- タバコは吸っていないか。
などを聞いたうえで診察していきます。
胸部レントゲン撮影を行います。
レントゲンで鑑別しておきたいのは肺炎・肺癌・肺結核やその他咳を伴いレントゲン画像上も異常が出る病気です。
アレルギーが原因と疑われるとき
ペットを飼っていたりなどでアレルギーの関与が疑わしい時は、血液検査でアレルゲンのIgE抗体測定をします。
アレルゲンのIgE抗体測定とは
IgE抗体は、即時型アレルギー反応を引き起こす抗体です。一般的な血液検査でアレルゲンに特異的なIgE抗体を測定することができます。血液中に存在するIgE抗体の総量を示すのが血清IgE抗体値、非特異的IgE抗体値とよばれるものです。そのIgE抗体がどのようなアレルゲンに対して反応するのかを測定するのが特異的IgE抗体測定です。
呼吸機能検査も可能なら行います
呼吸機能検査で肺活量などを調べると気管支の狭窄があれば、低値が出てきます。
治療後に再測定すれば改善しているため、治療効果が分かります。
咳喘息の治療
原因となるものがあれば避ける・取り除く
家の中をこまめに掃除してハウスダストを減らし、じゅうたんや布製のソファ、ぬいぐるみなど、ダニの温床になりやすい環境を無くして、アレルゲンを排除することが重要です。
過労やストレスは、喘息の大きな誘因になるので、疲れた時はあまり無理をせず、十分な休養と睡眠をしっかりとりましょう。
アルコールや煙草は、気道の過敏性を高め、炎症を悪化させる原因になるため、極力控えましょう。
診断的治療として合剤の吸入薬を処方することが多いです
喘息であれば、気管支拡張薬に反応します。
また、咳を止めて欲しいということで来院しているので、検査結果が出るまで数日待ってもらうわけにもいきません。
最近はありがたい事に炎症を抑えるステロイドと気管支拡張剤であるβ2刺激剤の吸入合剤がいくつかあります。
これらを吸って咳が止まり、呼吸が楽になるようであればほぼ喘息と判断できます。
咳が止まる=喘息が治るではありません
喘息は気道の慢性炎症が引き起こす慢性疾患です。
高血圧や糖尿病と同じく症状が無くても薬を簡単に止めてはいけません。
薬を止める場合は徐々に減量の上で喘息発作が無いことを確認して止めていきます。
喘息発作を予防するために気をつけたいこと
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