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糖尿病とインフルエンザ対策 【糖尿病は免疫力が低下します!】

 
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1974年生まれ。2000年三重大学医学部卒業。三重県松阪市で内科クリニックを10年前からしています。診療所に併設して有料老人ホーム、認知症対応型グループホームもあり、自宅生活の方も含め在宅医療も行っています。 また、インスタグラムでフォロワー1万人超のアカウントを2つ運営するインスタグラマーでもあります。 地域のかかりつけ医として気軽になんでも相談してください。医療と介護の両面から一緒に考えます。
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こんにちは!

三重県松阪市の医療と介護の専門家、

西井医院の院長(  @nishii.hospital)です。

 

今年もインフルエンザワクチン接種の時期がやってきました。

糖尿病患者さんはインフルエンザワクチン接種の積極的勧奨の対象となります。

院長
だいぶ前になりますが、新型インフルエンザが流行した時には糖尿病患者さんは優先接種対象となっていましたね!

インフルエンザワクチン接種の積極的勧奨者

  • 65歳以上の高齢者
  • 呼吸器・循環器・腎臓に慢性疾患を持っている
  • 糖尿病などの代謝疾患
  • 免疫能が低下している

 

 

糖尿病はなぜインフルエンザワクチンの積極的勧奨になるか

糖尿病は感染症に対する免疫力を低下させ、感染しやすくなります

しかも血糖コントロールが悪いほど免疫力が低下し、結果的に重症化しやすくなります。

  • 血糖値が正常な人に比べて、高血糖の人は体内に細菌やウイルスが侵入したときに活躍する白血球の働きが低下しているため、抵抗力(免疫反応)が弱まっています。
  • 一度かかってしまうと治りにくく、重症化しやすくなります。
  • インフルエンザにかかると血糖値が上がり血糖コントロールが難しくなります。ただし、一時的なものなので、インフルエンザが治れば血糖値はもとに戻るため糖尿病合併症や病気の進行の心配はありません。

このため、インフルエンザに罹らないようにワクチンが積極的勧奨となっています。

 

糖尿病患者さんがインフルエンザにかからないようにするには

1.インフルエンザワクチンを接種する

院長
これは当たり前ですね!

 

インフルエンザ予防の基本は年1回のワクチンの接種です。

1型・2型の糖尿病も関係ありません。

血糖コントロールの状態も関係ありません。

血糖コントロールが悪い人もいい人も接種しましょう。

 

また、インフルエンザに細菌性肺炎を合併することも免疫力低下を起こしている人の場合は多いです。

65歳以上の高齢者では肺炎予防ワクチンを生涯に1度、公費により安く接種できます。

すでに肺炎予防ワクチンを打っていても5年以上経過していれば、効果が落ちています。

(公費負担はありませんが、)再接種が強く勧められます。

 

2.流行が始まる前にワクチンをうつ

早すぎても遅くてもいけません。

最適な時期にワクチンを接種しましょう。

インフルエンザが流行し始める季節の早期に接種します。

インフルエンザの流行は10~11月頃から始まって、ピークが1月~2月で、5月まで続きます。

院長
免疫がつくまでの時間を考えると、10月下旬から遅くとも11月中には接種を終えて欲しいです。

 

3.ワクチン接種が遅れても接種しておきましょう

ワクチン接種が遅れても、しないよりはした方がましです。

ワクチン接種をして、体の免疫システムがウイルスを認識して抗体をつくるまでに2週間かかるので、地域でインフルエンザが流行する2週間前には接種を済ませます。

しかし、流行が始まった後でもワクチン接種はしないよりはした方がよいのです。

予約が必要な医療機関では早目に予約をしておかないと接種してもらえないので注意しましょう。

院長
当院では先着順となっています。

電話で「後で行くのでワクチンを取っておいて欲しい」といわれる方もいますが、ワクチン確保はお断りしています。

 

4.インフルエンザワクチンを過信しない

ワクチンは万全ではありません。

ワクチンでインフルエンザになることはありませんが、ワクチンを接種してもインフルエンザにかかることはあります。

院長
ワクチンの主目的は重症化予防です。

 

注射の跡がうずいたり、赤くなることもあります。

まれには数日間にわたって腕がだるくなったり、軽い筋肉痛、熱をもつことなどの報告があります。

接種時の注意事項を守りましょう。

 

5.日常生活で気を付けること

必要時以外の外出、病人との接触を避けましょう。

また、罹患した場合は他者との接触を極力避けましょう。

栄養・睡眠を十分にとり、適度な室温、湿度の室内環境を保ちましょう。

 

たまにインフルエンザに罹って食事が摂れないから糖尿病の薬も止めたとか、インスリンを打つのを止めておいたという人がいます。

実は感染症にかかると血糖コントロールは不安定となり、高血糖になります。

インスリンを使用していて食事が摂れない場合は、一時的に入院した方がよい場合があります。

自己判断はせず、かかりつけ医に相談しましょう。

 

6.早めに抗インフルエンザ薬を使用する

熱、せき、体の痛みのようなインフルエンザの症状が出たら医療機関にすぐ連絡を入れましょう。

特に小児、高齢者、慢性疾患のある人は早めの対応が肝心です。

 

抗ウイルス薬は発熱後の48時間以内に使用しないと効果が期待できません。

日本ではインフルエンザの抗ウイルス薬として、タミフルリレンザラピアクタイナビル、ゾフルーザの5薬剤が使われています。

院長
タミフル・リレンザは5日間服用が必要です。

途中で止めると耐性ウイルス出現の原因となります。

 

7.シックデイ(sickday)の対応を確認する

主治医の先生とシックデイの時の対応を確認しておきましょう。

シックデイとは治療中に発熱、下痢、嘔吐をきたし、食欲不振のために食事ができない状態のことです。

インスリンや投薬、輸液などの特別の処置が必要になることがあります。

 

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まとめ

  • 糖尿病患者さんはインフルエンザに罹りやすく重症化しやすい。
  • 一番の対策はワクチン接種。
  • インフルエンザ様の症状が出たら早めに医療機関を受診する。
  • シックデイには要注意。

 

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