三重県松阪市の医療と介護の専門家 

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糖尿病は熱中症のリスク。糖尿病患者が熱中症対策で必要なこと10選

 
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1974年生まれ。2000年三重大学医学部卒業。三重県松阪市で内科クリニックを10年前からしています。診療所に併設して有料老人ホーム、認知症対応型グループホームもあり、自宅生活の方も含め在宅医療も行っています。 また、インスタグラムでフォロワー1万人超のアカウントを2つ運営するインスタグラマーでもあります。 地域のかかりつけ医として気軽になんでも相談してください。医療と介護の両面から一緒に考えます。
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こんにちは!

三重県松阪市の医療と介護の専門家、

西井医院の院長(  @nishii.hospital)です。

 

長い梅雨が明けたと思ったら猛暑日が続いています。

急な温度の変化に身体がついていけていない人もいるかと思います。

糖尿病の方は熱中症のリスクが高くなっているので注意が必要です。

 

1. 暑いときは水分補給を欠かさない

汗は体から熱を奪い、体温が上昇しすぎるのを防ぎます。

しかし、失われた水分を補わないと脱水になります。

そして体温調節能力や運動能力が低下します。

 

水分の摂り方としては、基本的には出た分を補うことが良いです。

運動中にその量を完全に補うことは難しい場合は、汗をかいていてないと感じても、適切に水分補給をしましょう。

院長
コツは、運動をする20〜30分前ぐらいにコップ1杯程度の水分を補給します。

あとは、運動中もコップ半分ぐらいの水分を補給します。

血圧の高い人や心臓に問題のある人では15分に1回くらい水分補給を行います。

 

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2. 運動の前後に体重を測定する

運動前後に体重を測定すると、失われた水分量が分かります。

水分補給量の目安として、運動による体重減少が2%を超えないように注意しましょう。

運動の前後や毎朝起床時に体重をはかる習慣を身に付けると体調管理に役立ちます。

 

肥満の人は標準体重の人に比べて、同じ運動量でも熱の産生量が多いです。

体脂肪の増えすぎは、熱が外へ逃げるのをブロックして、体温が上昇する原因となります。

 

パティ
肥満の解消は、健康維持のためにも大切だワン。

 

3. 効率的に塩分補給を行う

汗からは水分と同時にナトリウム(塩分)も失われます。

ナトリウムが不足すると熱疲労からの回復が遅れます。

適度に塩分を補う必要があります。

 

体の状態や運動の内容によって必要な対応は変わりますが、暑さがひどいときは、0.1~0.2%の食塩(ナトリウム40~80mg/100mL)を含む補水液などを飲むとよいでしょう。

 

院長
汗もかいていないのに塩飴を食べたりやOS-1を飲むことは塩分の摂り過ぎにつながります。

 

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4. スポーツドリンクには要注意

水分補給にスポーツドリンクを利用する人も多いです。

しかしエネルギー補給の目的で糖質を含んでいるものが多く、減量や血糖コントロールを目的としたウォーキングなどでは効果が半減します。

日常の水分補給は麦茶と汗をかくなら塩飴で十分です。

スポーツドリンクの特徴は、発汗などで失われるナトリウム、カリウムなどの電解質を含んでおり、吸収を早めるために体液に近付けた浸透圧にしています。

必要な場合は、糖質を含まない低カロリーのものを利用しましょう

 

 

5. 運動する時間帯に注意

糖尿病には運動療法は欠かせません。

運動は日中の暑い時間は避け、朝や夕方の涼しい時間帯を利用しましょう。

天気予報をみて、気温が上昇したり湿度の高い日には、特に午前11時から午後3時の運動は避けましょう。

 

6. 運動時の服装に注意

熱中症を予防するための服装のポイントは、

(1)体の熱をスムーズに放射させる機能のあるもの

(2)外気からの熱の吸収を抑えるもの。

服装は軽装にし、吸湿性や通気性の良い素材を使ったものを使用しましょう。

屋外で直射日光がある場合には、濃い色の服は避け、長袖を着て日焼け対策も行い、帽子をかぶりましょう。

 

7. 身体を暑さに慣らさせる

日本のような高温多湿の環境での体温調節能力には、暑さへの慣れが関係しています。

急に暑くなったときは運動を減らして、暑さに慣れるまでの数日間は、短時間の軽い運動から徐々に増やしましょう。

 

8. アルコールやカフェインを避ける

アルコールやコーヒーは水分補給の代わりにはなりません。

運動中や運動前にコーヒーやアルコール飲料を飲むと、体の脱水が促されます。 

コーヒーやアルコールを飲むと、十分に水分補給したと思っていても、実際には体から水分が失われています。

熱中症やケガを起こしやすくなるので控えましょう。

 

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9. 糖尿病治療薬やインスリンを使用している人は要注意

糖尿病治療薬のSGLT2阻害薬は尿の量が増えます。

このため脱水による熱中症になりやすい傾向があります。

このような薬を飲んでいる人は、暑い中で運動をする前に医師に相談しましょう。

 

また、気温が高いときには血行が良くなり、インスリンを注射すると注射した部位からインスリンが迅速に吸収され、効きが速くなることがあります。

その結果、少し運動しただけで低血糖を起こすおそれがあります。

インスリン療法を行っている人は、血糖自己測定を行い、血糖値の変動について普段以上に注意しましょう。

それに応じて食事やインスリン投与量を調整する必要がある場合もあります。

院長
高温や直射日光の暴露は、インスリン、血糖値測定器やセンサーにも影響を及ぼします。

涼しいところで保管しましょう。

 

10. 暑いときや体調不良のときは無理に運動をしない

暑いときに無理な運動をしても効果は上がりません。

環境条件に応じて運動強度を調節し、休憩を適宜とり、適切な水分補給を心がけましょう。

 

体調が悪いと体温調節機能も低下し、熱中症につながりやすいです。

疲労、睡眠不足、発熱、かぜ、下痢など、体調の悪いときには無理に運動をしないほうがいいでしょう。

 

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