【実は怖い糖尿病】やけど予防と足チェック【フットケアが大事③】
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こんにちは!
三重県松阪市の医療と介護の専門家、
西井医院の院長( @nishii.hospital)です。
前々回は糖尿病性足壊疽がなぜ起こるかについて、前回は足のケガ予防について解説しました。
今回は足のやけど予防と足のチェックについてです。
足にやけどを負わないために
「足をやけどなんてしない」と思うかもしれません。
しかし糖尿病の患者さんの場合、そうではありません。
糖尿病性神経障害を発症すると、痛みだけでなく熱さにも鈍くなります。
やけどの原因は、日常生活の至るところに意外なかたちで潜んでいます。
予防策①:暖房器具の取り扱いに注意する
こたつやあんかなどの足だけを温める器具は、なるべく使わない。
暖房は部屋全体を暖くしましょう。
ストーブなどに足を近づけすぎるのもだめです。
ストーブの熱で自分の足が焦げて、その臭いで初めて気づいたという例もあります。
予防策②:「低温やけど」に注意!
低音やけどは、それほど熱くなくても長時間あてていることで起きてしまうやけどです。
例えば電気カーペットなどは、通常は「温い」と感じる程度のちょうどよい温度ですが、続けて長時間使っていると、低温やけどを招きます。
電気毛布などでも同じです。
これらの暖房器具を使用するときは、設定温度を一番低くしておき、長時間使い続けないことが大切です。
予防策③:お風呂に入る前は、湯加減を必ずチェックする
湯船に入る前に必ず手で湯加減を確認する癖をつけましょう。
熱さに鈍くなると、熱いお湯でも平気で入って、やけどをすることがあります。
できれば湯船に温度計をつけておいて、入浴前に確認するようにするとよいでしょう。
予防策④:真夏のプールやビーチにも注意
真夏の砂浜や屋外プールのプールサイドは、驚くほどの高温になることがあります。
水遊びの際には十分、気をつけてください。
また、日焼け止めを塗ったりして肌をいたわってください。
足のチェックを毎日する習慣をつけよう
足に怪我ややけどを負わないことが、糖尿病から足を守る一番のポイントです。
しかし、どんなに気をつけていても、怪我ややけどを完璧に防ぐのは無理です。
そうした足のトラブルを早期に発見し、早期治療することが、足を守る第二のポイントです。
足のすみずみまで自分の目で確認する
足の裏や指の間など足全体を、くまなく自分の目で確認し、異常がないか毎日調べましょう。
足の裏が見にくい場合は、手鏡を使うのがお勧めです。
また、視覚障害などのために患者さん本人が確認できない場合は、ご家族やヘルパーさんなど周囲の方が必要です。
チェックするタイミングは、帰宅して靴を脱いだあと、または就寝前などに決めておくと、忘れにくくよいでしょう。
足に異常を見つけたら、すぐに受診する
もし怪我ややけどを発見したら、応急処置をしてすぐに医師に診てもらってください。
ウオノメやタコを自分で取るのは禁物です。
足のチェック項目
- 爪が伸びていないか、変色していないか
- 怪我、やけどがないか
- 肌のかさつきやひび割れがないか
- 水虫やウオノメ・タコができていないか
- 関節が不自然なかたちになっていないか
足のお手入れ
- 足も身のうち
顔や手と同じように、足についても、つねに清潔を心がける。
- 爪の切り方
爪は上から見て直線になるように切ります。
また、深爪にならないように注意します。
巻き爪や爪白癬などで、自分では上手に切れそうもないときは、医師に処置してもらいましょう。
- お肌の保湿
肌が乾燥したままだとひび割れなどができ、感染を起こしやすくなります。
風呂上がりに湿り気をよくとったあと、尿素の入ったクリームなどを塗って保湿しましょう。
まとめ
3回に渡って糖尿病性足壊疽について説明しました。
糖尿病性足壊疽の予防に大事なのは、
- 神経障害や血管障害を来さないように、医師の指示に従い血糖コントロールを良好とする。
- 足の怪我予防には靴や靴下も正しく選ぶ。
- 足のやけどは意外なことで生じる。
- 毎日足をチェックする習慣を身につける。
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