病気が原因のむくみ
スポンサーリンク
むくむ部位別に疑われる病気が異なります。
①.全身性のむくみ(身体の両側に見られる)
- うっ血性心不全、収縮性心膜炎、心タンポナーデなどの心臓病
- 肺高血圧症
- 腎臓病(腎不全、腎炎、ネフローゼ症候群など)
- 肝硬変、蛋白漏出性胃腸症、蛋白尿、栄養障害などによる低アルブミン血症
- 甲状腺機能低下症(中高年の女性に多いです)
- 遺伝性血管性浮腫
- ある種のアレルギー
全身性のむくみは内臓疾患によるものが多いです。
診断及び治療は医療機関に任せましょう。
②.下半身のみや頭部のみなど半身性のむくみ
上大静脈症候群(首から上がむくみます)
腫瘍などの圧迫により、頭・上肢から戻ってくる血液を受け入れる上大静脈が詰まってしまったものです。
原因の75〜80%は肺がんです。肺がんの2〜3%にこの症状が現れるといわれています。
縦隔腫瘍や胸部大動脈瘤なども原因になります。
腫瘍の治療をしないと良くなりません。
慢性静脈不全
(下肢静脈瘤もこれにあたります)
静脈にある逆流防止弁が壊れていたり、不全穿通枝(ふぜんせんつうし:深いところにある静脈と浅いところにある静脈をつないでいる血管(穿通枝)のうち、弁不全のあるもの。本来であれば深いところから浅いところに流れるはずの血液が逆流する)のあるものです。
ふくらはぎの辺りの表面の血管が瘤となりボコボコするため診断は簡単です。
下肢静脈瘤は軽症ならば弾性ストッキング着用、重症になると手術が必要です。
弾性ストッキングの正しい履き方
間違った弾性ストッキングの使い方
- 一日中つけている (就寝時は外しましょう)
- 丸まりやしわのある状態で着ている (重なった部位に圧がかかりすぎます)
- 着圧ストッキングの代わりに使わない (圧の強さが違います)
③.薬剤が原因のむくみ
降圧薬(カルシウム拮抗薬)、ある種の糖尿病治療薬(ピオグリタゾン)、向精神病薬、甘草を含む漢方薬など
これらは基本的に投薬中止しないと治りません。
ただし、自己判断での中止は血圧や血糖値の上昇を招き危険です。
主治医と相談の上で中止するかどうか判断が必要です。
④.身体の片側のみ、もしくは一部分のみに見られるむくみ
リンパ浮腫
子宮がんなどで腹腔内のリンパ節郭清を行うと生じます。
深部静脈血栓症
エコノミークラス症候群で有名です。
脚を動かさずに長時間いると下肢のの深部静脈に血栓ができて血流が悪くなります。
片脚だけ象の足のようなむくみが生じます。
この血栓が剥がれ飛んで肺へ到達すると肺梗塞を引き起こし、程度によっては命に関わります。
深部静脈血栓症の予防体操
慢性静脈不全
(片側の足にのみ弁不全や不全穿通枝があるもの)
熱傷・外傷・蜂窩織炎(ほうかしきえん)などの感染症
皮膚が炎症を起こすことで腫れ、その結果リンパ管を圧迫し、リンパ液の流れが悪くなりむくみが出ます。
元の疾患が治るとむくみも引いていきます。
次回は生活習慣によるむくみについてです。
スポンサーリンク