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高齢者の風邪には「熱」・「喉」・「鼻」の症状が少ないです

 
この記事を書いている人 - WRITER -
1974年生まれ。2000年三重大学医学部卒業。三重県松阪市で内科クリニックを10年前からしています。診療所に併設して有料老人ホーム、認知症対応型グループホームもあり、自宅生活の方も含め在宅医療も行っています。 また、インスタグラムでフォロワー1万人超のアカウントを2つ運営するインスタグラマーでもあります。 地域のかかりつけ医として気軽になんでも相談してください。医療と介護の両面から一緒に考えます。
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3月に入っても寒暖差の激しい日が続きます。

風邪の症状というと某感冒薬CMではありませんが「熱」・「喉」・「鼻」が一般的です。

しかし高齢者では違います。

 

高齢者の風邪は熱が出にくい。

免疫力が低下しているため、感染をしても体の免疫反応が鈍く高熱が出ないことがよくあります。

微熱程度で

  • 食欲がない
  • 身体がだるそう
  • 起きているに返事が中々返って来ない
  • うつらうつらしている
  • 機嫌が悪い

といった症状が多いです。

大事なのは普段から接している家族の目です。

いつもとなんだか違うと思ったら医療機関を受診させましょう。

 

高齢者は鼻症状も少ない。

あまり高齢者のアレルギー性鼻炎は聞かないと思いませんか。

または年を取ったらアレルギー性鼻炎の症状が改善したという話も時々あります。

高齢者ではアレルギーに対する免疫応答の低下(免疫老化)が指摘されてます。

ワクチンが効きにくいのもこれが原因の一つです。

このため高齢者では鼻症状が風の主症状となりにくいのです。

 

市販の鼻炎薬は控える

また市販の鼻炎薬を高齢者に使用することも控えたほうが良いです。

抗ヒスタミン薬が多いため、ふらつきや(男性では)尿閉の原因となることもあります。

漢方薬も鼻症状に使うものには「麻黄」が入っているものが多く、麻黄はエフェドリン効果で動悸や血圧上昇を来します。

私が処方する場合、麻黄含有量の少ない風邪用の漢方薬を処方しています。

逆に高齢者の鼻炎症状は薬剤性の場合もあります。

生じやすい薬は

  • αブロッカー、βブロッカー
  • 降圧薬:ACE阻害薬、Ca拮抗薬
  • ED治療薬:シルデナフィル
  • 抗うつ薬、ベンゾジアゼピン系薬剤、抗てんかん薬
  • エストロゲン、プロゲステロン製剤

などです。

 

高齢者では嚥下時痛を伴う風邪は少ない。

風邪をひいた時の喉の痛みは普通は嚥下時痛です。

「唾を飲み込む時に痛いですか?」と聞いてみればわかります。

実は高齢者の風邪には嚥下時痛は少ないです。

理由は鼻の症状と同じです。

むしろ明確に持続する咽頭痛があれば、(吸入ステロイドを使用していての)咽頭カンジダや咽頭ヘルペスの可能性があります。

耳鼻科を受診して喉の奥をファイバースコープで診察してもらうと良いでしょう。

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