三重県松阪市の医療と介護の専門家 

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鉄欠乏性貧血は女子力の大敵! 貧血改善で女子力アップ!

 
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1974年生まれ。2000年三重大学医学部卒業。三重県松阪市で内科クリニックを10年前からしています。診療所に併設して有料老人ホーム、認知症対応型グループホームもあり、自宅生活の方も含め在宅医療も行っています。 また、インスタグラムでフォロワー1万人超のアカウントを2つ運営するインスタグラマーでもあります。 地域のかかりつけ医として気軽になんでも相談してください。医療と介護の両面から一緒に考えます。
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こんにちは!

三重県松阪市の医療と介護の専門家、

西井医院の院長(  @nishii.hospital)です。

 

健診のシーズンが始まりました。

職場の健診で貧血を指摘される方もいるかと思います。

以前のブログに貧血による心臓への負担については書きましたが、今回は美容との関係です。

若い女性に鉄欠乏性貧血はしばしば見られますが、貧血を放置するとせっかく美容にお金をかけても効果が不十分となってしまいます。

住宅で言えば、建物にお金をかけているけど地盤が不安定な状態で、いつ崩れるか分からないようなものです。

 

貧血は女子力の大敵

こんな症状はありませんか?

  • いくらクリームを塗っても治らないカサカサ乾燥肌
  • ドライヤーで乾燥させるときに抜ける大量の抜け毛
  • 割れやすい爪
  • 目の下のくまが治らない
  • むくみがひどい…

これらはすべて、鉄分不足による貧血と大きな関係があります。

 

鉄分の身体での役割

赤血球を造る造血作用

鉄分はビタミンB6とともに赤血球を構成している成分です。

血液を造るためには鉄分は必要不可欠です。

赤血球の寿命はおよそ120日です。

赤血球は骨髄で作られますが、鉄分を摂り続けないと赤血球が作られなくなってしまいます。

 

酸素を体全体に運びます

鉄分は赤血球のヘモグロビンの材料となります。

体内の鉄分は、70%はヘモグロビンの成分として使われます。

血液が赤いのはヘモグロビンの色素によるものです。

ヘモグロビンの役目は、酸素と結びついて身体の隅々や各臓器に酸素を送り届けます。

手足に酸素が足らないと青白くなってきます。

ヘモグロビンは赤血球の中にあるので、寿命は同じ120日です。

そのため鉄分を常に補給する必要があります。

へモグロビンが足りなくなると、身体が酸素不足になります。

 

酸素不足は身体の新陳代謝を鈍くします

新陳代謝が鈍くなると古い細胞が新しい細胞へ置き換わるのが遅くなっていきます。

美容への悪影響として具体的には

 

貧血による肌への悪影響

酸欠は肌の張りをなくし、血色を悪くします。

そのため顔色不良となり、実際より老けて見えてしまいます。

 

貧血による皮膚への悪影響

酸欠は皮膚の主成分であるコラーゲン合成にも悪影響を及ぼします。

コラーゲンは、肌の弾力維持や保湿の役割を果たします。

しかし、コラーゲンの合成が遅れることで、肌の弾力や保湿機能も損なわれていきます。

 

貧血による髪への悪影響

毛髪は毛根の細胞が分裂して髪の毛を作り、外に追い出されるように伸びていきます。

毛根の細胞が酸欠になると、髪の毛が細くなったり、切れ毛や抜け毛、枝毛が増えたりとダメージヘアの原因になります。

 

爪への悪影響

爪への酸素不足が続くと、薄くて割れやすい爪になります。

重度の鉄分不足では、爪の中央が凹む、いわゆる「スプーンネイル」の状態になります。

スプーンネイル

 

鉄欠乏性貧血の治療

原因となる疾患の治療を優先します。

(若い女性では月経による出血に伴う鉄欠乏性貧血が圧倒的に多いですが、胃潰瘍などの出血性病変の検索は必要です。)

 

貧血の治療の基本は鉄剤の内服です。

約3ヶ月間の服用が最低必要です。

月経によるものは再発の可能性が高いため、外来での経過観察は必要です。

 

処方される鉄剤

 

静脈注射の鉄剤もありますが、使用すると血中の鉄分が急激に上昇することで肝臓への悪影響を及ぼすことがあり、お勧め出来ません。

 

約3か月内服する理由

鉄剤の吸収は極めてゆっくりです。

毎日、少しづつしか吸収されません。吸収された鉄は、ヘモグロビン合成に使われます。

貧血が改善した後に、骨などに鉄の貯蔵が始まります。

鉄の貯蔵が出来て、治療が終了します。

鉄の貯蔵ができるのには約3か月を要します。

このため貧血自体が改善しても鉄剤の服用が必要です。

 

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1974年生まれ。2000年三重大学医学部卒業。三重県松阪市で内科クリニックを10年前からしています。診療所に併設して有料老人ホーム、認知症対応型グループホームもあり、自宅生活の方も含め在宅医療も行っています。 また、インスタグラムでフォロワー1万人超のアカウントを2つ運営するインスタグラマーでもあります。 地域のかかりつけ医として気軽になんでも相談してください。医療と介護の両面から一緒に考えます。
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