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家族性高コレステロール血症と新薬のレパーサ

 
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1974年生まれ。2000年三重大学医学部卒業。三重県松阪市で内科クリニックを10年前からしています。診療所に併設して有料老人ホーム、認知症対応型グループホームもあり、自宅生活の方も含め在宅医療も行っています。 また、インスタグラムでフォロワー1万人超のアカウントを2つ運営するインスタグラマーでもあります。 地域のかかりつけ医として気軽になんでも相談してください。医療と介護の両面から一緒に考えます。
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家族性高コレステロール血症とは

一般に使われている高コレステロールの薬を最大限服用してもコレステロール値が十分に下がらない治療抵抗性高コレステロール血症のことを言います。

ただ単に親がコレステロールが高くて自分も高いというのではありません。

 

家族性高コレステロール血症の原因

家族性高コレステロール血症は悪玉コレステロール(LDL)を細胞に取り込むタンパク質やそれに関連するタンパク質の異常で起こります。

ヘテロ接合体(両親のいずれかが家族性高コレステロール血症の遺伝子を持つ)と、より重症のホモ接合体(両親共に家族性高コレステロール血症の遺伝子を持つ)があります。

ホモ接合体の場合には重症となるので専門医に紹介となります。

家族性高コレステロール血症の新薬レパーサ(エボロクマブ)の適応となるかもしれません。

ヘテロ接合体の人は一般人口の200人〜500人に1人と稀な病気ではありません。

高LDL血症が未治療の状態で180mg/dl以上、特に250mg/dlならばかなり強く疑われます。

 

レパーサ(エバロクマブ)が単剤使用の承認申請中です

 「レパーサ」は、アステラス・アムジェン・バイオファーマとアステラス製薬との共同開発により発売されたヒトIgG2モノクローナル抗体で、ヒトプロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(PCSK9)阻害剤です。

PCSK9は、LDL-Cを血中から取り除く肝臓のLDL受容体に作用し、その働きを低下させます。  

日本では、2016年1月に家族性高コレステロール血症、高コレステロール血症(ただし、心血管イベントの発現リスクが高く、スタチンで効果不十分な場合に限る)を効能・効果として製造販売承認を取得し、2016年4月より販売されました。

同剤は現在、スタチンと併用することが用法・用量に関連する使用上の注意に記載されています。

今回の一部変更承認申請は、スタチン不耐性の患者において、レパーサ単剤での使用も可能にすることを目的としています。

引用:http://dm-rg.net/news/2018/08/019844.html?pr=dmrg001

 

家族性高コレステロール血症を早期診断すべき理由

①生まれた時から高LDLに曝露されることで若年時より動脈硬化が起こり、進展が著しい事で心筋梗塞などが起こりやすい。

②早期診断して的確な治療を行えば正常な人と同じレベルまで心血管イベントリスクが減る。

遺伝性疾患のため一人の患者さんを見つけるとその家族内のFH患者さんを見つけることができ、早期診断治療へと結びつけられます。

健診を行っていると時々LDLが180mg/dlを超える人がいます。

健診などで指摘されたら放置せず医療機関を受診しましょう。

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