冷えた冬の夜に多い頻尿の原因3つ
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1974年生まれ。2000年三重大学医学部卒業。三重県松阪市で内科クリニックを10年前からしています。診療所に併設して有料老人ホーム、認知症対応型グループホームもあり、自宅生活の方も含め在宅医療も行っています。
また、インスタグラムでフォロワー1万人超のアカウントを2つ運営するインスタグラマーでもあります。
地域のかかりつけ医として気軽になんでも相談してください。医療と介護の両面から一緒に考えます。
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夜間頻尿の定義・有病率と夜間頻尿による問題点
過活動膀胱のガイドラインでは、眠っているあいだに排尿のために1回以上起きなければならない状態を、「夜間頻尿」と定義しています。
夜間に1回でもトイレへ行けばみんな有病者ですが、実際困るのは夜中に2~3回トイレに行くようになる頃です。
夜間頻尿は、年齢とともに多くなります。
40歳代では男女とも1割ほどの人にしか起こりません。
60歳代では男性の約4割、女性の約3割に起こります。
80歳以上では男性の8割以上、女性の7割以上に起こります。
夜間頻尿による問題点
夜間頻尿は、睡眠を細切れにして睡眠の質を悪くします。
高齢者の場合は、トイレへ行く途中に足元がふらつき、転んで骨折するリスクがあることが大きな問題です。
睡眠の質が低下すると、睡眠不足のため日中の眠気が強くなり、仕事や家事の能率を落ちてミスや事故が増えます。
冬場に頻尿が増える3つの原因
1. 暑いときに比べると汗や水蒸気となって体から出て行く水分が減り、体の水分が多くなり過ぎる。
2. 手足など体の末端の血管が縮むので、体の中心の血液量が増えて、それを減らそうとする。
3. 寒さが刺激となって、おしっこを出そうとする交感神経のはたらきが強くなる。
などの生理的な原因が考えられます。
高齢になると生理的頻尿に加えて病気による頻尿が増えます
頻尿を来す疾患・病態
- 膀胱の圧迫などで貯められる尿量が減る…膀胱がん、妊娠など
- 膀胱に貯まる尿量が減少する…神経因性膀胱な
- 尿がしたくなって我慢できない…過活動膀胱
- 尿道が圧迫されることで思ったように排尿できない(残尿感)…前立腺肥大症、前立腺がんなど
- 膀胱粘膜が刺激されて尿意を多く感じる…膀胱炎、尿管結石、膀胱結石など
- 水分摂取量が過剰になる…糖尿病、尿崩症、心因性多飲症など
- 利尿薬の服用
医学的には1日に8回以上排尿があると頻尿となりますが、頻尿は加齢のせいなどと自己判断せずに一度は泌尿器科で診てもらうことをお勧めします。
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