良い眠り、良い目覚めのための心がけ
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こんにちは!
三重県松阪市の医療と介護の専門家、
西井医院の院長( @nishii.hospital)です。
睡眠時無呼吸症外来をしていると、睡眠時無呼吸症候群以外の睡眠トラブルの患者さんがいらっしゃいます。
話を聞くと、生活習慣が原因ではと思われる事例も多いです。
そこで今回は睡眠の質を上げるために自分でできることを解説です。
睡眠の質を改善する朝の生活習慣
1.毎朝同じ時刻に起きる
平日と休日の睡眠時間に2時間以上差がある場合は身体のバランスを崩しやすいです。
休日に寝たい場合は、就寝時間を早くすることがお勧めです。
2.太陽の光をしっかりと浴びる
人間の生体リズムは25時間周期です。
太陽の光をしっかりと浴びることで、脳にある体内リズムの時計が24時間周期にリセットされます。
そして全身が目覚め、脳や内臓、皮膚などの様々な場所の体内時計も調整されます。
2500ルクス以上(曇りの日の明るさ)の光を浴びると、スッキリと目覚められます。
前夜に朝日が部屋に入るようにカーテンを少し開けて眠ると、太陽の光で目を覚まし、すがすがしい朝を迎えることができます。
人間は体内リズムがリセットされた後、15~16時間後に眠気が出現すると言われています。
3.朝食をしっかり食べる
朝ご飯をしっかり食べて栄養を摂取することは、脳へのエネルギー補給、体温を高める効果と共に、体内リズムをリセットする効果があります。
4.緑茶・コーヒーを飲む
緑茶やコーヒーにはカフェインが含まれており、カフェインには覚醒効果があります。
効果は摂取後30分から現れ、4~5時間持続します。
睡眠の質を改善する昼の生活習慣
1.昼寝をするなら13~15時の20~30分
日中の眠気は昼過ぎ(14~16時)がピークです。
昼寝をするなら13~15時の20~30分が適切です。
長い昼寝をすると、入眠後約40分で深い眠りとなり目覚めた時にスッキリしない状況があるので注意が必要です。
昼寝前に、覚醒効果のある緑茶やコーヒーを摂取して眠ると、深い眠り防止に効果的です。
2.夕方以降の昼寝(17~19時)は避ける
夕方以降の昼寝(17~19時)は夜の睡眠に悪影響を及ぼし、「睡眠禁止ゾーン」とも言われます。
夕方以降の昼寝は避けましょう。
睡眠の質を改善する夜の生活習慣
1.夜に30分程度の運動をする(就寝2時間前まで終わらせる)
適度な運動をすることが睡眠に良い効果を与えます。
睡眠には体温のリズムが関係しており、良い眠りにつくためには、体温がスムーズに下がることが必要です。
寝る2~3時間前に身体全体の筋肉を動かすような運動をして、ピーク時の体温を上げておくと、体温のリズムにメリハリが戻り、夜に向けて体温がスムーズに下がり、寝つきやすくなります。
2.就寝4時間前からのカフェイン摂取は避ける
入眠を促進するためにも就寝4時間前からのカフェイン摂取は避けましょう。
3.就寝1時間前からの喫煙は避ける
たばこに含まれるニコチンには覚醒効果があります。
睡眠を妨げる原因となります。
覚醒効果は吸入直後に出現し、数時間持続します。
入眠を促進するためにも就寝1時間前からの喫煙は避けることがお勧めです。
4.38~40℃で10~20分間入浴を行う
入浴のタイミングとしては就寝の1時間前にお風呂から出るタイミングが最適です。
心臓への負担が低い半身浴のポイントとしては、常に心臓の位置よりも下に水面が来るようにすることが重要です。
温度としては38~40℃(体温+2~4℃)で、10~20分間の入浴がおすすめです。
体温は個人差があるので、自分に合ったお風呂の温度設定を見つけてください。
5.入眠前は強い光刺激を避ける
朝の光を浴びてから約15~16時間後に睡眠作用(眠気を促す)物質であるメラトニンが分泌されます。
しかし、強い光を浴びるとメラトニンの分泌が抑制され、眠気が減少します。
メラトニンの分泌は睡眠前から増え、夜間に最高となります。
メラトニンの分泌へ影響がない明るさは150ルクス以下と言われています。
これは通常の室内照明が300~500ルクスですので、寝る1時間前あたりからやや暗い暖色系の照明器具(150~200ルクス程度)を用いる方がよいでしょう。
また、就寝2間前(21時以降)は仕事・パソコン・テレビは控えることをお勧めします。
6.眠たくなってから床に就く、就寝時間にこだわり過ぎない
眠ろうとする意気込みが強いと頭を冴えさせ、寝つきを悪くします。
その日の眠気に応じ、眠くなってから床に就くことが速やかでスムーズな入眠の近道です。
床について20分しても眠れなければ、明かりを暗くして眠くなるまで過ごすことが有効です。
7.睡眠薬代わりの寝酒は避ける
睡眠薬代わりの寝酒は、深い睡眠を減らすとともに、夜中にトイレに行く回数も増やします。
また寝酒に頼っていると、酒の量が徐々に増えてきて多量飲酒につながります。
寝酒は控えましょう。
最後に
睡眠不足が続くと、気力も体力も思考能力も著しく低下してしまうのを実感するかと思います。
しかし睡眠不足の影響はそれだけではありません。
睡眠不足が慢性化すると、空腹時血糖値が上昇し、基礎インスリン分泌能が低下するなど、2型糖尿病やメタボリックシンドロームのリスクが上昇するという調査結果があります。
睡眠不足が続くようならお医者さんに相談しましょう。
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