痛風の原因となる食事・アルコール・運動、痛風の治療について
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こんにちは!
三重県松阪市の医療と介護の専門家、西井医院の院長( @nishii.hospital)です。
尿酸値が高いのはビールのせい?
健診シーズンも半ばを迎えました。
健診でよく聞かれるものに「尿酸値が高いのでビールを控えた方がいいですか?」があります。
尿酸値が上がりやすいアルコール
同じアルコール量で比べた時に、尿酸値の上がり方がビール>蒸留酒>ワインの順にとなります。
なぜビールが尿酸値を上げやすいかというと、ビール酵母と麦芽が材料に含まれるからです。
赤ワインは含まれているポリフェノールが、尿酸の排泄を増やして、そのためにそれほど尿酸値が上がらないと言われています。
ただし、一般的にアルコール自体に尿酸値を上げる作用があります。
尿酸値に影響を与えない目安は、
- ビール 500ml
- 日本酒・ワイン 180ml
- 焼酎 90ml
- ウイスキー・ブランデー 60ml です。
ビールに含まれるプリン体とは
プリン体とは一つの細胞に含まれている遺伝子がプリン体のもとになっており、100g当たりの細胞数が少ない程プリン体が少なくなります。
- 食品100gあたりプリン体が200㎎以上含まれるものを高プリン食といい、主に、肉類(レバーなど動物の内臓)、魚介類、干物などが挙げられます。
これらを摂取しすぎないように、1日あたりプリン体の摂取量が400mgを超えないようにするのが望ましいとされています。
プリン体が多く含まれるもの
例えば鶏卵は一個50gですので100gでプリン体は2個となりほとんど含まれていません。
魚卵は粒が大きいイクラの方が100g当たりの細胞数は少ないのでプリン体の多い順にタラコ>カズノコ>イクラとなります。
プリン体を多く含む食品は内臓類やレバーです。
もっとも多いのが白子となります。
白子は遺伝子数が非常に多いのでプリン体も多くなります。
果糖も尿酸値を上げます
また最近は果糖の摂取が尿酸値を上げることが分かっています。
代謝や合成の過程で、フルクトースは特に尿酸を作りやすいことが知られています。
果物自体の摂取は問題ないが、果物でできたジュースが尿酸値を上げたり、痛風のリスクを上げるという報告が出てきています。
痛風の運動療法
痛風や高尿酸血症の生活指導として適度な運動は勧められます。
しかし過激な運動や無酸素運動はATPを消費します。
ATPはプリン体の一種です。
ATPを消費するとプリン体の分解が起こり尿酸値が上がります。
このため、過激な運動や無酸素運動は避ける方が良いです。
若い痛風患者さんが増加中です
最近痛風発作で外来でやって来る若い人が目立つようになってきました。
痛風発作自体は年中起こりえますが、6~8月が一番多いです。
原因としては汗として水分が失われ、尿量が減少し尿酸が体外へ排出されにくくなるためです。
痛風の治療と原因
痛風発作時の治療
発作時の治療はいきなり尿酸値を下げるのではなく、まず痛み止めを服用します。
痛風発作が落ち着いたところで尿酸値を下げるお薬を少量より開始し徐々に常用量にします。
いきなり尿酸値を下げようとすると逆に発作が悪化します。
通風の原因
痛風の原因は尿酸結晶が関節内に徐々に沈着して起こるため、治療も関節内の尿酸結晶を溶かしてやることになります。
徐々にたまった尿酸結晶は薬ですぐには溶けません。
血清尿酸値を6.0以下とした状態を数年続けてようやく溶けて無くなります。
ですから発作がなくても薬を飲み続けることが大事です。
しかし、痛風を生じる方は働き盛りの忙しい方が多く、痛みが無くなると通院を中断してしまう方が多いのも現実です。
痛風発作がなくても治療は継続が必要
高尿酸血症を放置しておくと痛風だけでなく、尿酸結晶による痛風腎や慢性腎臓病・腎不全、尿路結石、メタボリックシンドロームの原因ともなります。
症状が無くても必ず通院してください。
YouTube動画でも解説しています。
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