花粉症は鼻と眼だけじゃない。花粉症皮膚炎の予防と対策
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こんにちは!
三重県松阪市の医療と介護の専門家、
西井医院の院長( @nishii.hospital)です。
そろそろスギ花粉が本格飛散を始めます。
すでに眼や鼻の症状が出ている人もいるかと思います。
でも花粉症の症状は眼や鼻だけではありません。
意外な花粉症症状を2回に分けて説明します。
今回は花粉症皮膚炎についてです。
花粉による皮膚症状(花粉症皮膚炎)
花粉が皮膚に接触することによって生じる皮膚炎を花粉皮膚炎と呼んでいます。
花粉症皮膚炎の症状
花粉皮膚炎は春先に生じ、他の季節には生じないこと、顔・まぶた・首など露出している部位にでやすいのが特徴です。
境界のはっきりした赤みの強い、少し盛り上がった赤い発疹が花粉皮膚炎に特徴的です。
主な症状は刺激を受けやすい目の周囲や頬(ほお)を中心とした皮膚に生じるかゆみや赤み,灼熱(しゃくねつ)感などです。
外部に露出している部位の皮膚が炎症を起こします。
マスクをしているとマスクを境に皮膚炎が生じたりします。
花粉症皮膚炎が起こる仕組み
特に花粉症の時期は皮膚も乾燥しており、皮膚のバリア機能が低下しがちです。
バリア機能が壊れると小さな花粉が皮膚の毛穴から奥へ入り込み、かゆみなどを伴う炎症を引き起こします。
スギ花粉による皮膚炎は、アトピー性皮膚炎を基礎疾患に持つ患者さんに多いとされます。
アトピー性皮膚炎の約30%がスギ花粉により増悪するとも言われています。
アトピー性皮膚炎にスギ花粉が増悪因子として働いた場合は、蕁麻疹様の紅斑にとどまらず、全身性の多彩な紅斑や丘疹が出現し、日常生活に大きな障害となります。
花粉症皮膚炎の予防と対策
できる限り花粉と接触しないよう予防することが大切です。
外出時はマスク、帽子、めがねを着用します。
花粉を屋内に持ち込まないために、帰宅時に上着についた花粉をよく払ってから家に入りましょう。
直接肌に触れる衣服は室内干しをおすすめします。
露出部位には保湿剤外用や化粧により皮膚に直接花粉が付着するのを防ぎましょう。
ただし、肌が炎症を起こしているときは刺激のある化粧品は控えましょう。
洗顔をするときは
- 洗顔でのすすぎは3回程度にする。
- タオルで皮膚をゴシゴシこすらない。
といったことに気をつけましょう。
花粉症皮膚炎の治療
治療としては、アレルギー反応を抑制する抗アレルギー剤を服用します。
さらに炎症が起きた部分には、数日から1週間程度炎症を抑えるステロイドを含んだ軟こうと皮膚の状態を安定させる保湿剤を塗る治療も並行して進めます。
目の周りは皮膚が薄くステロイドの吸収がよいため、強力なステロイドは副作用で緑内障による視力低下や皮膚の色素沈着などを来すことがあります。
必ず医師の指示に従って使いましょう。
ただ、一度炎症が治まっても、花粉が飛散している間はいつ再発してもおかしくありません。
内服治療と保湿のためのスキンケアは続ける必要があります。
保湿ケアとして私のおススメは
ポンプ式となり泡を出しやすくなりました。
なお医療用医薬品なので診察が必要です。同等成分はこれです。
個人的な工夫
花粉症対策に眼鏡とマスク、保湿が必要なのは分かっていますが、眼鏡とマスクを併用すると眼鏡が曇って困りませんか?
最近は眼鏡の曇り止めも売っています。
私が買ったのはこれです。
さらに保湿剤は先ほど紹介しましたが、屋外へ出る時はこれをスプレーしています。
皮膚にうっすらと保湿された膜が出来て花粉を吸着し皮膚の中に取り込まれないようにしてくれます。
屋内で診察をしている分には不要ですが、ゴルフに行くと花粉の大量曝露が避けられません。
YouTube動画でも解説しています。
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