湿布の使い分け方
スポンサーリンク
筋肉痛や関節痛に湿布を使うことはよくあると思います。
実は湿布には色々な種類があります。
大きく分けると温湿布と冷湿布、パップ剤とテープ剤のそれぞれ2種類があります。消炎鎮痛成分の有無もあります。どうやって使い分けるか説明します。
1.温湿布
皮膚に温感刺激を与えて患部の血流を改善し、有効成分の消炎・鎮痛効果を期待するものです。一般的に肩こりや腰痛などの慢性疾患に使います。
皮膚に温感を与えるためにトウガラシエキスや合成トウガラシのノニル酸ワニリルアミドなどが含まれています。これらの成分は局所の血管を拡げ、患部の血流増加させます。
ただし、温湿布は皮膚刺激が強くかぶれやすいので、入浴の30分~1時間前に剥がしておかないと貼付け部位がピリピリと痛みます。
私自身は冬ゴルフの時に肩や腰にラウンド前に貼って、血流の悪化予防に使ったりしています。
2.冷湿布
薬剤に含まれる水分の気化熱で患部を冷やしながら、有効成分の消炎・鎮痛効果を期待するものです。慢性痛でも好む人もいますが、腫れや熱感を伴う打撲、ねんざなどの急性疾患に向いてます。
3.パップ剤
いわゆる湿布と言えばこれです。白くてひんやりするものです。
支持体として不織布などが用いられ、有効成分と水分を含む軟膏が塗布されています。特徴として、水分の気化熱により貼り付け時に冷たく感じること、そして厚みがあることです。
パップ剤はテープ剤に比べて粘着性が低いため皮膚への刺激が少なく、水分による保湿効果もあって皮膚症状が起こりにくいと考えられます。素材の厚みによる保護効果も期待でき、誤って貼付け面がくっついても元に戻しやすいこともパップ剤の特長です。逆にデメリットは剥がれやすいことです。
4.テープ剤
テープ剤は、ニットなど伸縮性のある基部に、有効成分や粘着剤、香料などの添加物が塗布されています。薄くて伸縮性があり、比較的粘着性が強いことがテープ剤の特徴と言えます。
デメリットは粘着性が強いために剥がれにくく、高齢者では剥がす際に一緒に皮膚が剥がれたり、皮膚に成分が残留してしまうことが懸念されます。粘着力が強いとかぶれの発現頻度も高くなります。
5.テープ剤とパップ剤の使い分け
テープ剤は、肘や膝、指、手足関節などのよく動かす部位や、指や手首関節などの比較的小さく曲がった部位により適しています。
また、激しい運動をするような方にも剥がれにくいテープ剤が適しています。
逆に背中や腰など広くて動きが少ない部位は、貼りやすく剥がしやすいパップ剤のよい適応です。
6.消炎鎮痛成分の有無
消炎鎮痛成分にはインドメタシン、ロキソプロフェン、フェルビナク、ジクロフェナクなどがあります。最近は市販薬でも入っているものが増えています。
病医院で処方されるものは消炎鎮痛成分がほぼ間違いなく入っています。
市販の安いものはただ冷やすだけ、温めるだけの場合が多いです。先ほど説明したように血流が悪い時には温めるだけの湿布でもよいですし、打撲・捻挫などの急性期は冷たいだけの湿布を定期的に貼りかえる方が効果的です。
逆に慢性痛や急性でも痛みを合併するときは消炎鎮痛成分入りのものを使うと良いでしょう。
7.日光皮膚炎に注意
消炎鎮痛成分には日光過敏性があり、剥がしてから2週間程度経過しても日光皮膚炎を来すことがあります。太陽光にあたる部分には貼らない方が賢明です。
8.背中や腰へ自分で上手に貼るには
自分で背中や腰へ貼ろうとして湿布がくっついてしまい、使い物にならなくなったことがあるかと思います。
貼ってもらえる場合はよいですが、自分で上手に貼るには枕などに湿布の粘着面を上にしておきその上から寝ると上手に貼れます。
または、こういった道具を使うのもいいでしょう。
9.処方枚数制限について
平成26年の医療費改定により1回に処方できる湿布枚数が70枚までとなりました。
但し種類を問わないので小さいのと大きいのを合わせて70枚とか、温湿布と冷湿布を合わせて70枚というのは処方できます。
スポンサーリンク