高尿酸血症(痛風)における食事と生活習慣で大事な6つのポイント
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こんにちは!
三重県松阪市の医療と介護の専門家、
西井医院の院長( @nishii.hospital)です。
高尿酸血症は尿酸の生産と排泄のバランスが崩れ、尿酸の量が増えることで起きます。
バランスが崩れる要因として、生まれつきの体質もありますが、肥満・食べ過ぎ・過度の飲酒・ストレスなどが考えられます。
治療の第一歩は生活習慣の改善で、日常生活を見直すことが必要です。
1.体重管理
体格指数(BMI)や体脂肪率が高いと尿酸値が高くなります。
適正なエネルギー量を摂取し、標準体重を目標にしましょう。(標準体重=身長(m)2 ×22)
適正エネルギー量の計算標準体重×身体活動量【身体活動量(Kcal/kg標準体重)】
25~30 軽い労作(デスクワークが多い職業など)
30~35 普通の労作(立ち仕事が多い仕事)
35 重い労作(力仕事が多い仕事など)
適正エネルギー量を守るポイント
- 1日3食、腹八分目を心掛ける
- よく噛んでゆっくり食べる
- 肉類は油の少ない部位を選ぶ
- 油を控えた調理方法を選ぶ(焼く、蒸す、湯通しする、茹でるなど)
- 間食を控える
2.プリン体に注意する
プリン体を過剰に摂取すると、体内の尿酸が増加します。
1日のプリン体摂取量を400mg以内に抑えましょう。
中でも、ビール、肉類、魚類に含まれるプリン体は尿酸値を上昇させ痛風のリスクを高めるため、過剰摂取に注意が必要です。
特にビールには注意!
- ビールに含まれる麦芽・酵母由来のプリン体は尿酸値への影響が強いです。
- ノンアルコールビールにもプリン体は含まれていて、尿酸値上昇につながる。
- プリン体に配慮したビールを選択する。(プリン体含有量:発泡酒<ビール<地ビール)
プリン体を含む食品の摂り方
- 肉類、魚類は1食当たり80g程度にする。
80gの目安量:豚ロース薄切り3枚、魚(切り身)一切れ
- 卵、乳製品、大豆製品などプリン体の少ない食品を利用する。(例:野菜の卵とじ、豆腐ハンバーグなど)
3.野菜、果物を摂る
内臓脂肪型肥満を防ぐために、野菜類は十分摂りましょう。
有機酸を多く含む野菜・果物クエン酸や有機酸を含む野菜・果物の摂取は尿のアルカリ化につながり、尿路結石の予防になります。
ほうれん草、トマト、キウイフルーツ、オレンジなどです。
野菜摂取のポイント
- 加熱してかさを減らす。
- 汁物、スープに入れて具だくさんにする。
- カット野菜や冷凍野菜、ミニトマトやレタスなど調理の手間がかからない野菜を利用する。
4.節酒
飲酒量が増えると、尿酸値の上昇につながります。
適量を守り、アルコールの種類にも注意しましょう。
尿酸値に影響の少ない飲酒量
- ビール1缶(500ml)
- 日本酒1合
- ウイスキー60ml
- ワイングラス1杯
※適量を超える飲酒は痛風発症につながります!
飲酒のポイント
- 毎日飲まないようにする。(休肝日を設ける)
- 過度の飲酒は控え、飲酒時は水分を十分に摂る。
- 空腹時や運動・大量発汗後は飲まない。
- おつまみは低エネルギーで、プリン体量の少ない大豆製品や野菜ものを選ぶ。(冷奴、酢の物など)
5.水分を摂る
尿量を増やすことで尿酸の排泄を助けます。
水分は1日2リットル以上の尿量を保つよう十分な水分摂取が勧められます。
※慢性腎臓病や慢性心不全を合併している場合は主治医の指示に従ってください。
水分補給のポイント
- 果糖や砂糖を含む甘味飲料や果物ジュースは尿酸値の上昇や肥満につながるため、水やお茶などの無糖飲料を選択する。
- 少量(コップ半分~1杯)ずつ、1日7~8回程度を目安にこまめに水分を摂る。
- 脱水状態になると尿酸値が上がりやすくなるため、暑い時期や入浴後、運動時の脱水に気を付ける。
6.運動
尿酸値の改善には有酸素運動を少なくとも10分以上、合計1日30~60分以上行うことが望ましいです。
有酸素運動の例として、ウオーキング、水中ウォーキング、ジョギング、サイクリング、ヨガ、エアロビクスなど。
激しい運動や無酸素運動は尿酸値の上昇につながります。
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