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危ないのは高血糖だけではない。低血糖にも要注意です!

 
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1974年生まれ。2000年三重大学医学部卒業。三重県松阪市で内科クリニックを10年前からしています。診療所に併設して有料老人ホーム、認知症対応型グループホームもあり、自宅生活の方も含め在宅医療も行っています。 また、インスタグラムでフォロワー1万人超のアカウントを2つ運営するインスタグラマーでもあります。 地域のかかりつけ医として気軽になんでも相談してください。医療と介護の両面から一緒に考えます。
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こんにちは!

三重県松阪市の内科医で西井医院の院長(  @nishii.hospital)です。

高血糖は気にする人が多いですが、低血糖は気にしている人が少ないです。

医師にとっては高血糖も問題ですが、低血糖は怖いです。

 

低血糖はなぜ危険か

血糖値が70㎎/㎗を切ると「低血糖」と言われます。

低血糖の初期症状として、最初は発汗や手の震え、ふらつき、脈が速くなるなどがあります。

さらに進行すると、頭痛や目のかすみ、眠気が現れ、重症化するとけいれんや昏睡につながることがあります。

 

低血糖になると、身体の中で血糖値を正常に戻そうとしてアドレナリンなどのホルモンの分泌量が増えます。

そして、血管の収縮や血圧の上昇、不整脈などが生じやすくなります。

その結果、脳卒中や心筋梗塞につながる危険性もあります。

高齢者になると転倒による寝たきりや認知症などにつながるリスクが高まります。

低血糖は命に関わる危険もあります。

糖尿病治療では(特にインスリン治療やSU〈スルホニル尿素〉剤を使用した治療では、)低血糖を防ぐことが高血糖対策と共に大切です。

 

下げ過ぎてもいけない「血糖コントロール目標値」

糖尿病治療では血糖値を下げることが目標です。

しかし、その一方で低血糖を予防することも大事です。

そのため、65歳以上の高齢者の血糖コントロール目標が見直されています。

 

血糖値を下げ過ぎないために、認知機能とADL(日常生活動作)の状態や使っている薬と合わせて、自分のHbA1cの目標値を知っておくことも大切です。

特にリスクが高いインスリンやSU薬を使用している人は、一般の人に比べて血糖目標値がゆるく、下限も設定されています。

 

低血糖の原因は薬、食事、運動のいずれもある

低血糖の原因で一番多いのは、糖尿病の薬が効き過ぎることです。

逆に糖尿病の薬を使っていない場合は、低血糖はほとんど起こりません。

重症の低血糖を起こしやすいのは、インスリンやSU薬です。

量を間違えたり、使うタイミングがずれると低血糖を起こしやすくなります。

また、薬をきちんと服用していても、食事の炭水化物量が少なかったり、普段より激しい運動をすることで低血糖になることもあります。

 

低血糖を防ぐための3つのポイント

1.自分の薬を知る

糖尿病の治療をしている人は、まず自分が低血糖を起こしやすい薬を使っているか確認しましょう。

重症の低血糖を起こしやすい薬として、インスリンやSU薬が挙げられます。

院長
SU薬で最も使われるのはアマリール®(グリメピリド)です。

インスリンやSU薬よりは程度が軽いですが、グリニド薬にも注意が必要です。

これらの薬の容量や使用のタイミングを間違えないように気をつけましょう。

 

2.食事は同じ時間に同じ量を食べる

食事は、体調や仕事の都合によって食べたり食べなかったりするのではなく、できるだけ毎日同じ時間に同じ量を食べるように心がけましょう。

特に、炭水化物が少なくなると低血糖が起こりやすくなります。

とはいっても糖尿病治療中の場合は、どういった食材をどの程度食べていいか分かりずらいです。

迷った時は、かかりつけ医や管理栄養士に相談するとよいでしょう。

 

3.運動量が多い時は補食と摂る

食事と薬をきちんと摂っていても、家事や仕事、スポーツなどで体を動かす量がいつもより多い、もしくは身体を動かしている時間が長いと感じたら、補食を摂りましょう。

低血糖を予防するには、ビスケットなど、炭水化物が多い食物が最適です。

あらかじめ運動量が多くなると分かっている時は事前に補食を準備して、運動中や運動後に摂取するとよいでしょう。

院長
インスリン治療歴が長い人の中には勝手にインスリンの使用量を運動時だけ減らしたりする人もいますが、医師の指示がない限り勝手に使用量の変更はしてはいけません!

 

低血糖が起こってしまった時の対処法

もし低血糖が起こってしまった場合は、ブドウ糖や砂糖を摂取します。

ブドウ糖を10g含むものや砂糖を10g、またはブドウ糖を含むジュース150~200mLをとります。ブドウ糖や砂糖以外の糖分は効果があらわれるのが遅くなりますので注意が必要です。

15分ほど経過しても症状がよくならない、または血糖値が60mg/dL以下であるようであれば、再度、同じようにブドウ糖や砂糖、ジュースをとります。
→それでも回復がみられない場合は、すぐに医療機関を受診してください。
※α‐グルコシダーゼ阻害薬を服用している場合は、必ずブドウ糖を携帯しておきましょう。

砂糖などの多糖類では分解・吸収が抑制されてしまうので低血糖への対処になりません。

 

1型糖尿病や重篤な低血糖を起こす可能性のある方は特にグルカゴン注射が望ましいです。

最近はグルカゴン点鼻粉末剤の「バクスミー®」も発売されました。

 

自覚症状が無い低血糖があぶない!

高血糖を予防するための情報はあふれていますし、私のブログでも何度も紹介しています。

しかし、血糖値が70㎎/㎗を下回る低血糖の状態も身体に負担がかかります。

低血糖とは血糖値が低い状態が1日中続くわけではありません。

血糖値が基準域を下回ることを指します。

院長
低血糖は日常生活では気づきにくいことが多いです。

 

無自覚の低血糖が危険な理由

血糖値が下がると「糖が不足している」と身体が認識して、交感神経を興奮させ血糖値を上げる指令を出します。

すると、指令を受けた膵臓や肝臓がフル稼働して糖を生み出し、血糖値を正常に戻そうとします。

この際、交感神経が興奮すると、血管が縮んだり血液が固まりやすくなります。

低血糖状態を繰り返すと血管がダメージを受けて、心臓で心筋梗塞、脳では認知症などの疾患につながる可能性が高くなります。

 

低血糖を予防するために見直したい生活習慣

低血糖を予防するために大切なのは、生活習慣の見直しです。

特に問題なのは、夕食の時間と内容です。

夜9時以降など遅い時間に夕食を摂る人は、昼食からの食事感覚が長く、空腹感が強くなって炭水化物や脂質を大量の食べる『ドカ食い』になりがちです。

しかし、空腹時に大量の炭水化物を大量に食べると、血糖値が急上昇します。

そして血糖値を下げるためにインスリンが過剰に分泌されます。

その影響で血糖値が下がり過ぎてしまい、夜間の低血糖が起こりやすくなります。

院長
早い時間に夕食をとっている人でも、炭水化物が多すぎる人は注意しましょう!

 

間食で低血糖予防

低血糖が疑われるが仕事の都合で夕食に時間を早くすることができないという場合にお勧めなのが間食です。

あらかじめ夕食が遅くなることが分かっている場合には「おにぎり1個」程度の炭水化物を、午後6時ごろになど小腹が空いたタイミングで摂取すると、血糖値が上昇してその後の空腹感が抑えられます。

空腹感が抑えられることで。遅い時間の『ドカ食い』を防ぐ効果があります。

ただし、間食を摂った日は、夕食の炭水化物は控えめにすることが大切です。

遅い時間に夕食を摂る時は、血糖値の上がり方を緩やかにする野菜を食事の最初に食べたり、オクラや納豆などのネバネバ食材を上手に取り入れて血糖値の上昇を防ぐなどの工夫をすると、血糖値の安定につながります。

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1974年生まれ。2000年三重大学医学部卒業。三重県松阪市で内科クリニックを10年前からしています。診療所に併設して有料老人ホーム、認知症対応型グループホームもあり、自宅生活の方も含め在宅医療も行っています。 また、インスタグラムでフォロワー1万人超のアカウントを2つ運営するインスタグラマーでもあります。 地域のかかりつけ医として気軽になんでも相談してください。医療と介護の両面から一緒に考えます。
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