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内痔核(いぼ痔)の症状と原因、保存的治療法、鑑別疾患について

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1974年生まれ。2000年三重大学医学部卒業。三重県松阪市で内科クリニックを10年前からしています。また診療所に併設して有料老人ホーム、認知症対応型グループホームもあり、自宅生活の方も含め在宅医療も行っています。 地域のかかりつけ医として気軽になんでも相談してください。医療と介護の両面から一緒に考えます。
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痔は大きく3種類に分かれます

「痔」は肛門周囲の病気の総称です。

  1. 痔核(いぼ痔)
  2. 裂肛(切れ痔)
  3. 痔ろう

の3つに分類されます。

この中では痔核が男女とも一番多く、患者さんの約半数を占めます。

 

痔核は高齢者に多い

痔核が高齢者に多い理由は、便秘や下痢などの症状が多いことが原因です。

便秘が続くと排便の時にいきんでしまい、肛門に負担がかかります。

そうすると、粘膜下の部分がうっ血して大きくなり出血するようになります。

また、老化により粘膜下の部分を支える組織がちぎれたり、支える力が弱くなるとクッションとなっている粘膜下の部分が肛門より飛び出します(脱肛)。

これが痔核になります。

下痢が続くときも、便が勢いよく肛門から出ることが続き、組織の勢いで痔核が飛び出した状態(脱肛)になります。

 

痔核の症状その1:出血

排便時や運動時、歩行時に起こりやすいです。

色は鮮明な赤色のことが多いです。

ただし、直腸付近での出血のした場合は、便に血が混じったり、出血の色がやや暗い赤色となることもあります。

出血量は、ポタポタとほとばしる程度から、肛門をトイレットペーパーでぬぐったときに付く程度までさまざまです。

排便後まで出血が続くということは少ないです。

 

痔核の症状その2:疼痛・肛門部の違和感

鈍い痛みが続く場合と、比較的強いズキズキとした疼痛が発症から数日間続く場合があります。

また、痛みとまでいかない違和感が続く場合もあります。

 

痔核の症状その3:痔核の脱出(脱肛)

排便時に生じる場合が最も多いです。

運動時、歩行時、重いものを持った時や、しゃがんだ時に生じることもあります。

脱肛した内痔核が下着に擦れて痛みや出血を生じます。

 

痔核の症状その4:搔痒感

時々みられる症状です。

原因として、肛門からの粘液漏出による刺激や、過度な洗浄が原因となります。

 

痔核の病期分類(Gologher分類)

分類 主な症状 主な治療法
内痔核Goligher分類 I度 I度
  • 痔核は肛門管内で軽度に隆起するだけで、ほとんど脱出しない。
  • 痛みはなく、排便時に鮮血の出血をする以外症状は乏しい。
保存療法
II度 II度
  • 痔核がより大きくなり、排便時に脱出するが、自然に戻る。
保存療法
外科的療法
III度 III度
  • 排便時に痔核が脱出し、手で押し込まないと戻らない。
外科的療法
IV度 IV度
  • 痔核を手で押し込んでも戻らず、出たままの状態になる。
  • 粘液がしみ出て下着が汚れることが多い。
外科的療法

引用:マルホHP

 

内痔核の治療:保存療法

内痔核は、「肛門の静脈に血液が溜まって腫れた状態」です。

保存療法は溜まっている血液を薬や生活習慣の改善により心臓へ戻す治療です。

血流を改善するためには、

1.入浴で温めて肛門周囲の血流を改善

シャワー浴でなく、入浴が大事です。

よく温めると血流も改善します。

肛門の緊張がとれるので痛みなどの症状も緩和されます。

 

2.下痢や便秘といった排便異常を改善する

下痢とともに内痔核が飛び出してしまったり、便秘でいきむ時間が長いと肛門周囲への圧力がかかり内痔核を成長させることのなります。

便秘治療は以前は便をただ柔らかくしたり、腸に刺激を加えて無理やり便を出すようなものしかありませんでした。

しかし最近の下剤は自然な排便を促すように作られています。

医師に相談してみましょう。

 

3.座薬や内服薬、漢方薬

内服薬は主に血流を改善する作用や創傷部の傷の治りを促進する作用を持つ薬剤が使われます。

 

外用薬では抗炎症作用を持つステロイドや、鎮痛作用を持つ局所麻酔薬が主な成分として使われています。

外用薬の違い

軟膏

裂肛(れっこう)や外痔核など、肛門付近、あるいは肛門外側の痔に使います。

坐剤

内痔核のような肛門内部の痔に使います。

注入軟膏

裂肛、内痔核、外痔核など、肛門外側と内側、両方の痔に使います
手を汚さず、内部に挿入するときも異物感が少ないのが特徴です。

素手でお薬を触って入れるのに抵抗がある場合、使い捨て手袋をするとよいです。

 

痔の漢方としては乙字湯が有名です。⇒漢方パワーが痔をスッキリ!

体力中等度以上で、大便がかたく、便秘傾向のある方に向いています。

 

これらの薬剤を症状などに合わせて選択し組み合わせて使います。

 

4.生活習慣の改善

排便のポイント

・便意を感じた時に排便する

我慢は便秘をまねきます。

 

・排便時間は長くて3分以内にする
完全に出し切ろうとして必要以上にいきまないようにしましょう。

 

・排便後は肛門を洗うなどして清潔に(十分に乾燥を)
ただし、おしりの洗いすぎはかえって肛門に負担をかけるので気をつけましょう。

 

食事のポイント

・食物繊維をしっかりとる
食物繊維は腸内で水分を吸収して膨らみ、便の量を増やして軟らかくし、腸の蠕動運動(ぜんどううんどう)を高めます。ただし、下痢気味の方は消化のよい食事をとりましょう。

 

・十分な水分を摂取する
1日2~2.5リットルぐらいの水分摂取が理想です。便秘解消や、便を軟らかくすることにつながります。

 

・朝食をしっかりとる
食事は胃腸の活動を活発にして便意を起こさせます。朝、時間がない時は、冷たい水や牛乳を飲むだけでも効果があります。

 

・アルコール類、香辛料を控える
肛門を刺激したり、うっ血させたりして、痔を悪化させます。

 

その他のポイント

・適度な運動をする
腸の動きを活発にし、排便をスムーズにします。ただし、過度な運動は、いきんだ時に肛門に負担をかけるのでよくありません。

 

・同じ姿勢をとり続けない
肛門がうっ血しやすくなります。立ちっぱなし、座りっぱなしの仕事をしている方は、ときどき軽く体操をして血行をよくしましょう。

 

・円座を使い肛門への負担を軽減する

円座は低品質の物を使うと逆に痔を悪化させます。

おススメは⇒医師が考案した低反発円座クッション「お医者さんの円座クッション」

 

脱肛防止用具もあります

痔の治療にはなりませんが、脱肛による痛みの防止や医療機関を受診するまでの脱肛対策として使います。

特におすすめの人・脱肛の症状があり辛いが、恥ずかしさや怖さで病院に行きづらい

・脱肛すると自分で押し込んで、その場しのぎで我慢している

・忙しくてなかなか病院に行けない

・手術入院で会社を休めない

自分でできる脱肛防止!De-nice(デ・ナイス)は一般医療機器の脱肛防止用器具

 

内痔核(いぼ痔)と鑑別が必要な病気

排便時の出血を伴う病気は、大腸・直腸がん、肛門がん、大腸ポリープ、潰瘍性大腸炎、クローン病などがあります。

排便とともに出血を認めたら、一度は専門医を受診して大腸内視鏡検査を受けましょう。

 

私も痔からの出血で念のため大腸内視鏡検査をしたことがあります。

帰りも車で帰らないといけなかったので、鎮痛剤や鎮静剤を使わずにしました。

腸が引っ張られて痛みはありますが、我慢できないほどではありません。

15分位で終わりました。

なお、大腸内視鏡が辛かったという人の原因は

  • 検査をした医師がまだ未熟だった。
  • もともと腸が長い
  • 開腹手術の既往があり、腸管が癒着して引っ張られる

などの理由があります。

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