依存性のない漢方薬で不眠症治療
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不眠治療にベンゾジアゼピン系睡眠薬が多かった
不眠症の治療薬としてベンゾジアゼピン系睡眠薬(BZD)がこれまでよく使われてきました。
しかし、BZDの有害な副作用も最近問題となっています。
以前の「認知症と不眠症と睡眠薬」でも書きましたが、
副作用として、BZDへの耐性・依存性、持ち越し効果、健忘・記憶障害があり、安易な投与への警鐘が鳴らされています。
平成30年度診療報酬改定でも長期のBZD処方には処方箋料を下げるとの改定がなされました。
最近はメラトニンに作用することで依存性の少ない睡眠薬なども開発されてきました。
しかし古来よりある漢方薬にも不眠に効くものがあります。
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不眠に効く漢方
漢方薬ではBZDの副作用である耐性・依存性、持ち越し効果、健忘・記憶障害は生じません。
(※漢方薬に副作用自体が無いわけではありません)
不眠に効能・効果を持つ漢方薬はいくつかありますが、
今回は抑肝散(よくかんさん)と酸棗仁湯(さんそうにんとう)を紹介します。
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抑肝散:いらいら・興奮して眠れない方に
抑肝散は、病名に関わらず「イライラ」「カリカリ」といった焦燥感・興奮・衝動性に有効です。
普段の診察では「イライラして眠れない」「興奮して眠れない」といった方に処方します。
この場合、1日2回「昼2包、夜1包」といった形で服用してもらいます。
即効性はありませんが、徐々に精神症状を安定させて眠れるようになります。
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酸棗仁湯:自然な入眠を促し、患者さんの満足度が高い
「体は疲れているのに目がさえて眠れない」といった方に処方します。
使い方は1日1回「眠前に1~2包」服用してもらいます。
「飲んですぐ眠れる」「すっと自然に眠れる」「朝の目覚めがよく、ふらつかない」といった感想が聞かれるお薬です。
抑肝散とは異なり、即効性があります。
BZDの減量・中止へ酸棗仁湯
BZD服用中の方が減量・中止を試みると、不眠が悪化することがよくあります。
この結果BZDを服用しないと眠れなくなり、減量・中止が困難となるリスクがあります。
ある研究では酸棗仁湯を用いることでBZDを1/3程度まで減量できたという報告もあります。
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