女性に多い間質性膀胱炎について ~細菌性膀胱炎とは違います!~
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間質性膀胱炎という言葉を聞いたことがありますか?
ほとんどの方は無いと思います。
いわゆる「膀胱炎」は「細菌性膀胱炎」であり、大腸菌などが尿道から侵入し、膀胱で増殖して起こります。
細菌性膀胱炎の症状は、
- 10分前後といった短い間隔で頻繁に起こる尿意
- 排尿の終わり頃の痛み
- 尿意切迫感(急に耐えがたいほどの強い尿意を感じること)
- はっきりと目でわかるほどの血尿
- 残尿感
などがあります。
検尿検査をしても尿中に潜血を認めます。
通常は抗生剤を5日間前後服用し、水分を多めにとって細菌を殺せば治ります。
ところが、最初の尿検査で異常が無かったり、抗生剤をしっかり服用したにも関わらず、症状が良くならないのに同じ抗生剤を再度処方希望される方がたまにいます。
それはもしかしたら「間質性膀胱炎」かもしれません。
間質性膀胱炎とは
間質性膀胱炎とは、膀胱の壁にに原因不明の慢性的な炎症がおこり、それによって頻尿や、膀胱や尿道の違和感や痛みなどの症状がでる病気です。
また膀胱が繊維化(硬くなってしまう)して萎縮します。
間質性膀胱炎の症状
初期では症状が出ないこともよくあります。
軽症の間はトイレが近い、尿が溜まると膀胱に違和感がある程度です。
しかし症状が進行すると、
- 強い尿意により1時間に何度もトイレに行く
- 膀胱に強い痛みを感じる
- 痛みが膀胱だけでなく尿道や下腹部全体に広がる
といった状態になります。
間質性膀胱炎は良くなったり悪くなったりを繰り返しながら、徐々に進行します。
間質性膀胱炎の診断と治療
抗生剤や過活動膀胱の治療薬への反応が悪い時は間質性膀胱炎も鑑別診断の一つとなってきます。
尿検査や尿培養検査を行い細菌性であることを否定しておきます。
その上で診断には、麻酔下で膀胱水圧拡張術をおこなった時の膀胱鏡所見が大切です。
膀胱水圧拡張術膀胱の中へ水を注入し、その水圧で膀胱を広げる手術です。
検査で行う場合、十分に広げる必要がありますが、痛みをともなうため、麻酔が必要になります。
検査であると同時に間質性膀胱炎に有効な治療にもなります。
治療としてはストレスの緩和、刺激物(酸性飲料・コーヒー・香辛料・アルコール・柑橘類)を避ける食事指導、膀胱が満杯になる前に時間を決めて排尿する、膀胱に尿をためる練習(膀胱訓練)などが大切です。
水分不足は症状が悪化させることがあります。
適切に水分摂取して一定の尿量を確保することが重要です。
手術としては、先ほども述べた膀胱水圧拡張術や(間質性膀胱炎の異常血管に対する)血管内カテーテル治療、膀胱焼灼術などがあります。
詳細は泌尿器の先生にお譲りします。
最後に
なかなか良くならない膀胱炎や、薬を服用しても症状の改善が乏しい頻尿は間質性膀胱炎の可能性があります。
総合病院の泌尿器科で一度相談をしてみましょう!
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