漢方薬のよくある疑問(飲み方や副作用)について医師が答えます

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こんにちは!
三重県松阪市の医療と介護の専門家、西井医院の院長( @nishii.hospital)です。
今回は漢方薬の飲み方や副作用などよく聞かれる疑問・質問に答えていきます。
Q1.漢方薬は効果が現れるのに時間がかかりませんか?
一般に、漢方薬は効き目が穏やかなぶん、西洋薬より効果が現れるのが時間がかかると思われがちです。
でも必ずしもそうではありません。
例えば風邪をひいた時になどに使う葛根湯や小青竜湯は服用して15分ほどで効果が現れます。
急性の風邪で熱が出た時に、西洋薬の解熱薬を使った人と漢方薬を使った人を比べると、漢方薬を使った方が早く熱が下がったという研究報告もあります。
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Q2. 漢方薬なら副作用はない?
よく「漢方薬は副作用が無いから安心ですよね」と聞かれますが、漢方薬も薬です。
副作用が出ることもあります。
一般に、西洋薬に比べれば副作用の頻度は少ないですが、注意は必要です。
漢方薬をのみ始めてから何か症状が出てきたら、副作用の可能性も考えないといけません。
特に「証(しょう)」に合わない薬を使っていると副作用が出やすい傾向にあります。
「証」とは「その人の状態(体質・体力・抵抗力・症状の現れ方などの個人差)をあらわすもの」です。
本人が訴える症状や、体格などの要素から判別します。
そして漢方ではその「証」に合った漢方薬を処方します※1。
したがって、同じ症状でも、自分の「証」と他の人の「証」が違えば、当然、処方される漢方薬も違います。
※1 証に関係なく、症状などから判断して漢方薬を処方するケースもあります。
Q3. 生薬ならば漢方薬と同じですか?
「自然の植物からつくられている薬であれば漢方薬」と思っている人も少なからずいます。
しかし、漢方薬は、複数の生薬を配合してつくるのが基本です。
複数の生薬による複合的な作用によって治療を行う医薬品です。
健康食品や民間薬とは別のものと考えてください。
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Q4.漢方薬同士の飲み合わせはどうですか?
漢方でも複数の薬を組み合わせて使うことはあります。
ただし、漢方エキス剤を何種類も併用すると「甘草(かんぞう)」という生薬が重なって総量が多くなることがありがちです。
かぜで漢方薬を使うときは要注意
かぜで漢方薬をのんでもらうときは、慢性の持病の漢方薬を一時的に休むなどの調整が必要になることもあります。
漢方薬を処方してもらうときには、ほかにのんでいる薬のこともすべて医師に伝えてください。
Q5.子供に漢方薬を与える時の量はどうしますか?
漢方薬は子供でも使うことができます。
子供に与える時は体に応じた薬の量に気を付ける必要があります。
一般的には、体重を目安にして、大人の1/3~2/3量でいった具合に調整して処方します。
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Q6.漢方薬の上手なのみ方を教えてください
漢方薬のザラザラ感が苦手とか、口の中での苦みが嫌いといった理由で漢方薬の処方を拒まれる方もいます。
漢方薬のエキス剤は、生薬を煎じた液を濃縮・乾燥して、粉末や顆粒状にしたものです。
一般には、そのまま水で服用するより、一旦お湯に溶いて元の煎じ液の状態に近づけたほうが、本来の効果が期待できるとされています。
特に、冷えがある場合に体を温めることで治療効果をあげる薬では、お湯に溶いたほうが治療効果が発揮されやすくなります。
どうしても漢方の味が苦手という場合にはゼリー状のオブラートを使用するという方法もあります。
Q7.漢方薬はどこで買うとよいですか?
代表的な漢方薬には市販薬もあります。
一般的な薬局でも購入することができます。
しかし、自己判断で漫然と使い続けるのは要注意です。
風邪なので葛根湯を使っても誰にでも効くわけではありません。
同じ病気・同じ症状でも、人によって合う薬は違います。
気になる症状があったら、受診してきちんと診断を受けたうえで、「証」に合った薬を医師に処方してもらうことをお勧めします。
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Q8.漢方薬にも健康保険は使えますか?
日本では、エキス剤を中心に、多くの漢方薬が医療用医薬品として用いられています。
ポピュラーな漢方薬にはたいてい健康保険が使えます。
ただし、同じ漢方薬でも処方箋なしに薬局で買う薬は健康保険の対象外です。
また、自由診療で漢方薬治療を行っている医療機関もあるので、受診の際には予め確認しておくとよいでしょう。
最後に
漢方薬を処方していてよく聞かれる疑問・質問に回答しましたが、他にも何か漢方薬で気になることがあれば気軽に質問してください。
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