糖尿病と立ちくらみの深い関係~糖尿病歴が長い人は要注意~

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こんにちは!
三重県松阪市の医療と介護の専門家、
西井医院の院長( @nishii.hospital)です。
糖尿病歴が長い人によくある訴えの一つに立ちくらみがあります。
糖尿病は多彩な合併症を引き起こす
糖尿病でよく知られる3大合併症は、①糖尿病性腎症、②糖尿病性網膜症、③糖尿病性神経障害です。
この中で糖尿病性神経障害は多彩な症状を示します。
糖尿病になってから10年ほど経った患者さんの半数近くは神経障害を伴うとも言われています。
昔からよくある神経障害は足やつま先のしびれや無感覚を生じる末梢神経障害です。
神経障害も放っておくとと服が着られなかったり、シャワーを浴びることができないほどの激痛に進展したり、逆に神経が麻痺したり、足の壊疽や突然死の原因にもなります。
糖尿病による自律神経障害が増えている
最近、糖尿病患者の増加と共に増えてきたのが自律神経障害です。
自律神経障害では、血圧や消化管の働き、性機能、排尿機能、体温や発汗調整といった身体調節機能が障害されます。
立ちくらみが自律神経障害で最も多い
立ちくらみを「めまい」と訴えることも多いので注意が必要です。
めまいについて詳しく知りたい方へ
立ちくらみの予防
立ちくらみを防止するため、寝ている姿勢から一気に起き上がらず、いったん座り直しひと息ついてから立ち上がりましょう。
長風呂は避ける方がおすすめです。
また、立ちくらみを低血糖の症状と勘違いしないようにしてください。
自律神経障害による立ちくらみの治療
元々血圧が低い方の場合は、血圧を上昇させる薬を用います。
しかし立ちくらみで多いのは、高血圧の薬を服用していることが神経障害と相まって立ちくらみの原因となっている場合です。
この場合は高血圧の薬を(可能な範囲で)減量・中止します。
もちろん、原因となっている糖尿病の治療も大切です。
糖尿病の治療が不十分ですと、末梢神経障害も進行していきます。
最後に
末梢神経障害で立ちくらみなどの症状が現れることはあまり知られていません。
診断がつかずに病院を転々とする患者さんもいるかと思います。
立ちくらみを訴える全ての人が末梢神経障害ではありませんが、糖尿病や糖尿病前症、メタボリックシンドロームがあるなら、まずは主治医に症状について尋ねてみましょう。
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