マスク肌荒れが起こる仕組みとマスク肌荒れを改善する漢方・栄養素

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こんにちは!
三重県松阪市の内科医で西井医院の院長( @nishii.hospital)です。
Withコロナの時代となって、問題となっている皮膚トラブルがマスクによる肌荒れです。
どこへ行くにも常にマスクを着けているため、どうしても肌への負担はかかります。
マスクを着け続けていて、赤みやかゆみ、ニキビなどのトラブルを抱えている人もいるのではないでしょうか?
今回はマスクによる肌荒れが起こる仕組みとマスク乾燥肌に効果的な漢方薬及び栄養素を紹介します。
マスクによる肌荒れが起こる仕組み
1.摩擦
マスクを何度も着脱したりズレを直したりするたび、肌と繊維がこすれ合います。
すると角層表面が削られることで、肌のバリア機能が低下します。
肌はデリケートな状態になり、少しの刺激でも赤みやかぶれ、ニキビを起こしやすくなります。
2.蒸れ
呼気が充満するマスクの中は、高温多湿で雑菌が繁殖しやすい状態です。
汗や皮脂も増えるため、ニキビ・吹き出物ができやすくなります。
海外ではマスクの下でアクネ菌が増殖し、できたニキビのことを「マスク(mask)」と「アクネ(acne)」を組み合わせた造語で「マスクネ(maskne、mascneなど)」が生まれたそうです。
3.乾燥
逆にマスクを外すと、内部の湿気が急激に蒸散します。
この時、肌内部の水分も奪われてしまいます。
そして肌の乾燥が進み、かさつき・ごわつきが起こりやすくなります。
4.繊維による刺激
肌がマスク素材に負けてしまい、赤みやかゆみが出るケースもあります。
また繰り返し洗える布マスクの場合、繊維に残った洗剤成分が刺激となる可能性もあります。
マスク乾燥肌に使える漢方薬 ~乾燥肌には「血」を補う~
1.当帰飲子(とうきいんし)
当帰飲子は乾燥し、角質がはがれる皮脂欠乏性湿疹や老人性皮膚掻痒症に用いる漢方薬です。
四物湯の4生薬に、かゆみを軽減する荊芥(けいがい)や防風(ぼうふう)を加味しています。
2.温清飲(うんせいいん)
温清飲は、当帰飲子より炎症の程度が顕著な乾燥した湿疹皮膚や皮脂欠乏性湿疹、手湿疹(主婦湿疹)に用いられます。
四物湯(しもつとう)と炎症を抑える黄連解毒湯(おうれんげどくとう)を配合しています。
インナーケアで肌に潤いを与える
マスク乾燥肌を引き起こす生活習慣
こんな肌に良くないことをしていませんか?
●ダイエット中だから油自体や油物、揚げ物は控えている
●カロリーを控えたいから魚やお肉は控えている
●野菜中心の食生活をしている
●ミネラルの不足しやすい食生活
痩せたい女性にありがちな食生活です。
しかし、油や、たんぱく質(魚や肉)は健康な肌の維持に必要なものです。
女性ホルモンや自律神経の安定にも必要です。
肌は女性ホルモンや自律神経のバランスに影響されます。
マスクによる肌荒れがある方は、油や肉、魚を避けずに毎日食べましょう!
肌の材料はたんぱく質です。
肌の細胞間脂質の割合は、セラミド約50%、コレステロール約25%、脂肪酸約10~25%
で、脂質が肌を保護しています。
乾燥や肌荒れにおすすめの栄養素
うるおいに満ちた美しい肌作りに必要なのが、食事から摂取する栄養素です。
1.ビタミン
ビタミンは5大栄養素のひとつです。
ビタミンAやビタミンEなど、様々な種類がありますが、いずれのビタミンも肌の「ターンオーバー」を整え、すこやかな肌を育むのに必要です。
2.オメガ3系脂肪酸
紫外線や外気の乾燥など外的刺激から肌を守るバリア機能や、角質層内のうるおいを守るために必要な「セラミド」の材料になります。
青魚、亜麻仁油、えごま油に含まれます。
3.たんぱく質
角質層内の水分を保持する「天然保湿因子」の材料になります。
いずれの栄養素も、バランスの良い食事を意識すれば摂取できるものです。
しかし、偏食やダイエット中、忙しくて外食に頼りがちなど、1日の必要量を確実に摂取するのは難しいという人はサプリメントを併用するのもありです。
まとめ
マスクによる肌荒れが起こる原因は、摩擦・蒸れ・乾燥・繊維による刺激です。
乾燥肌には「血」を補う漢方薬を選ぶ。
油や、たんぱく質(魚や肉)は健康な肌の維持に必要です。
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