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院内感染対策のためにMR(医薬情報担当者)が守るべき5つのこと

 
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1974年生まれ。2000年三重大学医学部卒業。三重県松阪市で内科クリニックを10年前からしています。診療所に併設して有料老人ホーム、認知症対応型グループホームもあり、自宅生活の方も含め在宅医療も行っています。 また、インスタグラムでフォロワー1万人超のアカウントを2つ運営するインスタグラマーでもあります。 地域のかかりつけ医として気軽になんでも相談してください。医療と介護の両面から一緒に考えます。
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Medical Tribuneを読んでいたら、「院内感染対策を病院職員が頑張っても外部者からの持ちこみで台無しにする。」という記事がありました。

 

院内感染対策に大事な3つのこと

1.手指消毒(直接的なばい菌の感染の防止)

2.坑菌薬の適正使用(耐性菌の出現予防)

3.病院清掃・環境整備(間接的な感染の防止)

どこの医療機関でも院内感染を少しでも減らすため、職員に対し定期的に感染対策の講習会を行っています。

一般の方も入院された方をお見舞いに行くと、病棟の廊下に速乾性の手指消毒薬がありお見舞いの前に消毒します。

また、院内感染対策チームが多剤耐性菌を生じさせないために、強力な抗生剤の使用を許可制にしている所もあります。

看護師を始めとする病院職員もソファや手すりなど身体が触れるところは定期的に消毒をしています。

 

病院に出入りするのは病院関係者と患者及び家族と外部業者とMR

この中で、最も外部からの感染源として危険なのはMRです。

病院関係者は感染対策の講習を受けています。

患者及び家族の院内での導線は決まっており、感染対策がしやすいです。

外部業者(例えばリネン納入業者等)は具体的な感染対策マニュアルがあり、対策が不十分では採用してもらえません。

実は製薬会社には感染対策マニュアルはほとんどありません。

もちろん感染対策教育を自社のMRに行っている製薬企業もないと思われます。

今回の記事中では感染対策マニュアルを提出することを拒否した製薬会社もあったとのこと。

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MRが院内感染の外部からの感染原として一番危険なわけ

MRはあちこちの医療機関を営業のため立ち寄ります。

医療機関、特に大病院になるほど耐性菌をもつ重症患者が増えます。

また、その病院の坑菌薬の使用状況や感染対策の程度により固有の耐性菌が発生することもあります。

そういった医療機関をMRは転々と立ち寄ることで他の医療機関からの耐性菌を持ち運びます

また、MRは資料をカバンに詰めて一緒に移動しますが、この直置きカバンを床だけでなく患者用のソファに置く者もいます。

この時他院からの耐性菌がソファに付き、その後患者に付くことがあります。

また、通行禁止の感染性廃棄物保管エリアを通るなどのルール違反をする者もいるみたいです。

感染対策の知識が無いのに、感染性の高い場所を移動するので、感染源として非常に危険です

医療機関は患者の療養の場であって、営業の場ではない

  • 外部業者が守るべきその病院のルールを遵守するべし!
  • 自宅のリビングのソファの上に置く自信のある清潔な物以外は、患者用ソファに置くべからず!
  • 咳エチケットやインフルエンザ流行期などの院内マスク着用ルールなど、正しく理解した上で適切にマスクを着用するべし!
  • 患者に迷惑のかからないよう、決められた場所から出入りするべし!
  • 靴音のする革靴やハイヒールで、患者の癒やしの場である病院内を歩くべからず!
  • 以上をまとめて
    「病院は患者の癒やしの場である。営業の場ではない!」
    と心得るべし!

(下間正隆氏提供)

私もこれまで多くのMRと面会してきましたが、確かに感染対策の話をしてきたMRはいませんでした。

MR認定試験も感染対策はありません。(医薬品情報、疾病と治療、医薬概論だけです。)

院内感染対策についても学んでもらえるといいのですが。

 

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