ケトプロフェン(モーラス)による光線過敏症に要注意!
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こんにちは!
三重県松阪市の医療と介護の専門家、
西井医院の院長( @nishii.hospital)です。
紫外線が強くなり、暑くなってきました。
皆さんが使っている薬の中には日光に当たると皮膚トラブルを起こす可能性があるものがあります。
肌を露出するようになって、急に肌トラブルが生じた時は疑う必要があります。
光線過敏を起こす可能性のある薬物
特にケトプロフェンには注意!
ケトプロフェンは主に湿布に使われている痛み止めです。
医療機関からだけでなく、OTC医薬品として薬局で購入することもできます。
医薬品では先発では「モーラス®」という名前か、後発品だと「ケトプロフェン」になっています。
貼った時だけでなく、剥がしてから1か月後くらいまで注意が必要です。
これからの季節は薄着となり肌を露出する機会が増えます。
今までと同じ湿布を使っていたのに露出部に急に皮膚炎が生じた時は、ケトプロフェンによる可能性があります。
光線過敏症の予防と注意点
曇りの日やガラス越しの紫外線に注意
曇りの日であっても、晴れた日の 60~80%の紫外線が透過するといわれています。
また、紫外線はガラスを透過しますので、車の運転などガラス越しの紫外線にも注意が必要です。
衣服による紫外線の防御
濃い色、暗い色ほど紫外線をカットします。
また、つばの広い帽子や日傘などを用いて、出来るだけ日光が当たらないようにしましょう。
日焼け止めによる紫外線の防御
市販されている日焼け止めを見ると、「SPF25」「SPF50」「PA+」「PA++」という表示があります。
SPF…波長の短い紫外線(UVB)防御に有効。数値が高いほど効果大
PA …波長の長い紫外線(UVA)防御に有効。+が多いほど効果大
光線過敏症の主な原因は UVA と考えられているので、UVA 防御効果の高い『PA+++』がお勧めです。
ただ、紫外線吸収剤を含むものはかえって光線過敏症の原因となることがあるので、『紫外線吸収剤不使用』『ノンケミカル』などと表示されたものを選びましょう。
敏感肌用、子供用のものには紫外線吸収剤が含まれないものが多くなっています。
また、汗をかいたりタオルで拭いたりすると、日焼け止めが落ちてしまうことがあるので 2~3 時間ごとに塗りなおすことが重要です。
薬を他の人へ譲り渡さない
モーラステープを家族や友人から譲り受けて使用し光線過敏症を発症した例が、特に10代で多く報告されています。
薬を譲り渡されて使用した場合、正しい使用方法が伝わらないので、家族や友人に譲ったりしないようにしてください。
モーラステープによる光線過敏症の発生時期を調べたデータでは、全発生数の74%は5~8月に集中しており、これからの季節は特に注意が必要です。
光線過敏症に対する処置
まず、湿布の使用を中止し、患部を遮光しましょう。
光(紫外線)にあてると症状の増悪や再燃を繰り返すことがあります。
患部を直射日光やガラスを通した日光にもさらさないよう注意しましょう。
治療としては、強力なステロイド外用剤を塗布します。
頸などの顔に近い部分には少しマイルドなものを用います。
痒みが強い場合は抗ヒスタミン剤を投与します。
さらに、症状が強い場合は、ステロイド剤の内服、点滴静注等を行うこともあります。
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