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意外と多い間違った冷え性対策と正しい冷え性対策。

 
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1974年生まれ。2000年三重大学医学部卒業。三重県松阪市で内科クリニックを10年前からしています。診療所に併設して有料老人ホーム、認知症対応型グループホームもあり、自宅生活の方も含め在宅医療も行っています。 また、インスタグラムでフォロワー1万人超のアカウントを2つ運営するインスタグラマーでもあります。 地域のかかりつけ医として気軽になんでも相談してください。医療と介護の両面から一緒に考えます。
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仕事柄高齢者の方を多く診ていると、冷え性の方が多いです。

夏でも半袖で来院される方はほとんどいません。

更に冬になると着込んでやって来るため、診察までに服を脱いでもらうのに時間がかかって仕方ありません。

しかし、医師の視点からみると勧められない冷え性対策をしている人が多いのも事実です。

 

間違った冷え性対策

靴下の重ね履き

靴下を重ねて履くと、足の血流が阻害されます。

そうすると足の指先まで血液が十分に行き渡らず、逆に足の冷えの原因になります。

 

綿の下着を何枚も着る、厚手の服を何枚も着る

綿製品は汗を吸うと乾きが悪く、更に厚着をすることで汗の水分が身体を冷やします。

また、セーターなどを二重に着ている人もいますが、身体の動きが鈍くなるほどの重ね着は、見た目が悪いだけでなく必要以上に身体を締め付けてしまうため、血行が悪くなり「冷え」の原因になります。

 

熱いお風呂に入る

熱いお風呂に長く入りすぎると、内臓や心臓に負担がかかります。

また冷えた体で急に熱い温度のお湯に浸かると、ヒートショックの危険性も高まります。

熱いお風呂は冷え性対策には逆効果です。

ヒートショックヒートショックとは、家の中の急激な温度差により血圧が大きく変動することで失神や心筋梗塞、脳梗塞などを引き起こし、身体へ悪影響を及ぼすことです。

 

厚着・靴下をして寝る

厚着をして寝ると薄着の時に比べて寝返りの回数が減ります。

寝返りは無意識のうちに体の血液が滞るのを防いでいます。

寝返りが減ると身体の隅々まで血液が行き渡らなくなり、冷えの原因となります。

 

ホットコーヒー・熱い緑茶・ホットミルク

コーヒー、緑茶、牛乳は東洋医学ではいずれも身体を冷やす飲み物として分類されています。

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医師が薦める高齢者向けの冷え性対策

パジャマは吸汗性の良いものを選ぶ

就寝時に着るパジャマに気をつけましょう。

モコモコと手触りがよく、温かいフリース素材のパジャマもありますが、汗の蒸発を邪魔してしまいます。

汗で身体が冷えてしまうので、パジャマの素材には汗を吸いやすいダブルガーゼ素材や綿素材が適しています

 

靴下を履いて寝たい時は

靴下を履いたまま寝ると汗が体温を奪ってしまい、足を冷やしてしまいます。

素足がお勧めですが、冷えて靴下を履いて寝たい場合はゆったりとして通気性がよく、シルクのような吸放湿性の高い素材を選びましょう。

指の間の汗をよく吸い取れる五本指ソックスがおすすめです。

 

自分自身の熱を逃さないように服を着る

冬の「冷え」予防のポイントは、自分自身の熱を逃がさないことです。

最近は、自分の汗や水蒸気から発熱・保温する機能がある肌着が多数販売されているので、そういった下着を選ぶとよいでしょう。

院長
80歳を過ぎた辺りから発熱素材の下着を着る人が急にいなくなり、綿やウール下着を2重に着こむ人が増えるので診察に時間がかかります…。

 

まず素肌にふれる肌着は余分な空気が入らないように、適度に身体にフィットするものを選びます。

その上に重ねる洋服は、サイズに余裕があり、ほどよくゆったりしたものを着ましょう。

肌着と洋服の間にできる空気の層により、身体から逃げる熱を閉じ込めます。

重ね着による身体の締め付けを防ぐと同時に、洋服の間に空気の層を作っることで身体を保温します。

目安は肌着との間に5mmほどの隙間があるといいですね。

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冷え性に効く温めるべき「3つの首」

首、手首、足首」の「3つの首」と呼ばれる部分は冷え性対策に大事な部位です。

冷え性は、冷えた血液が身体を循環することで引き起こされます。

「3つの首」はいずれも皮膚が薄くて太い動脈が皮膚近くを通っています

動脈を流れる血液が外気温に近い部位を通ることで血液が冷やされてしまいます。

 

首の温め方

「冷え」対策で一番温めたい部位は首です。

首の動脈は他の手首・足首より太い動脈です。

冬服には首をしっかり覆えるハイネックやタートルネックのものがお薦めです。

首を守る洋服と一緒に、マフラーやネックウォーマーを利用するとなお良いでしょう。

室内でも、薄手のスカーフを1枚首に巻くだけでも保温効果があります。

 

手首の温め方

なるべく長袖を着るようにし、外出時は手袋を着けましょう。

それでも「冷え」を感じる時は、手首ウォーマーやリストバンドを併用するといいでしょう。

 

足首の温め方

足は心臓から遠いので、冷えやすく温めにくい部位です。

「頭寒足熱」という言葉がありますが、頭は冷やして、足は温かくすることで健康を保てます。

足まわりでも特に冷えやすい足首は、ぜひ温かくしておきましょう。

 

ふくらはぎの筋肉には、足腰の血流を心臓へ送り返すポンプのような役割があります。

ふくらはぎは「第2の心臓」と呼ばれているほど、血液の流れに大切な役割を持っています。

ふくらはぎを足首とともに温めると、血流改善効果があり保温効果が上がります。

 

靴下やストッキング、タイツで保温をするかと思いますが、これら1枚の着用では不十分な時は足元を温めるためにレッグウォーマーを使うのもありです。

足首とともにふくらはぎも温められるので、保温効果が上がります。

 

靴にも注意が必要です。

冬はブーツを履く人も多いと思いますが、きつめのブーツを履くと足を締め付けて血の巡りが悪くなります。

足を温めるはずが逆効果になる可能性があります。

防寒のためにブーツを履くときは、サイズに余裕のあるものを選びましょう。

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冷え性に効く入浴法

ぬるめの湯に20~30分つかり、体の芯まで温める

熱いお湯では短時間しか入れず、身体の芯まで温まりません。

ぬるめのお湯はじっくり湯につかれるので、身体がしっかり温まります。

院長
ぬるめのお湯とは38℃~40℃くらいです。

 

全身浴で10分以上つかるのがおすすめです。

半身浴なら20分以上を目標にしましょう。

上半身や肩が寒い場合は、冷えないようにお湯に浸して絞ったタオルを肩にかけましょう。

無機塩系や炭酸ガス系の入浴剤を使うと、温浴効果が高まり、入浴後の温かさが長持ちします。

入浴後は夜更かしをしないで、体が冷える前に早めに就寝しましょう。

パティ
無機塩系や炭酸ガス系の入浴剤は「バスクリン」「バスロマン」「バブ」が有名だワン。

 

足湯でも冷え性に効果があります。

パティ
最近は足湯を作ってある観光地が増えたワン。

 

足湯は一番冷えやすいふくらはぎから足を直接温めるので冷え性を改善します。

バケツや深めの洗面器などに40℃くらいのお湯をはり、両足を10分程度つけると効果があります。

熱湯を入れたポットなどを用意しておき、ときどき注ぎ足すと、お湯の温度をキープできます。

準備が面倒だとか、入浴後の足が濡れるのでという方には電気式の脚温器もお勧めです。

院長
私の家にもありますが、一旦足を入れると温かくて動きたくなくなります…。

 

冷え性改善効果のある飲み物

<紅茶、プーアル茶、ウーロン茶>
製造過程で発酵しているお茶です。

 

<タンポポ茶、タンポポコーヒー、ゴボウ茶>
タンポポ茶やタンポポコーヒーはタンポポの根を使用したもの。ゴボウ茶を含め、地中で育ったものから作られた飲み物です。

 

<ココア、黒豆茶、赤ワイン>
ポリフェノールの血管拡張作用により、血流を良くしてくれます。

 

<日本酒、紹興酒、甘酒>
製造過程で発酵しているため、体を温めます。

 

<ショウガ湯、ショウガ紅茶>
ショウガに含まれるショウガオールが体を温めます。

 

参考:https://www.cocokarafine.co.jp/f/dsf_howto201611012294

院長
飲み物に限らず発酵食品には体の代謝を良くする酵素が入っていて体を温めます。

 

まとめ

  • 間違った冷え性対策をしている人が多いです。
  • 自分の熱を逃さないようにしましょう。
  • 首、手首、足首」の「3つの首」を冷やさない。
  • 入浴はぬるめのお湯で20~30分入るのがお薦めです。

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