新しい生活様式の中での熱中症予防について ~3密から3とるへ~
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こんにちは!
三重県松阪市の医療と介護の専門家、
西井医院の院長( @nishii.hospital)です。
すでに真夏日を記録した地点も多くあり、熱中症で搬送される人も現れ始めました。
『新しい生活様式』とは
令和2年5月4日の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議において「新型コロナウイルスを想定した『新しい生活様式』」が示されました。
新型コロナウイルスの出現に伴い、今後は、一人ひとりが感染防止の3つの基本である
- 身体的距離の確保
- マスクの着用
- 手洗いや、「3密(密集、密接、密閉)」を避ける
等の対策を取り入れた生活様式を実践することが求められています。
2020年の気温傾向と熱中症傾向
日本気象協会が発表した2020年6月~8月の気温傾向(※5/25現在)では、
- 6月の気温は、東日本と沖縄・奄美で平年より高く、蒸し暑く感じられる日が多いでしょう。
- 7月の気温は、全国的に平年並か高い見込みです。
- 8月の気温は、東日本と西日本で平年より高く、厳しい暑さとなりそうです。
感染予防と熱中症対策をどうやって両立する?
(1) 「新しい生活様式」における熱中症予防行動のポイント
マスクがはずすことができる場所ではマスクをはずす
夏期の気温・湿度が高い中でマスクを着用すると、熱中症のリスクが高くなります。
このため、屋外で人と十分な距離(少なくとも2m以上)が確保できる場合には、熱中症のリスクを考慮し、マスクをはずすようにしましょう。
※屋内運動施設での運動は、新型コロナウイルス感染症のクラスター(集団感染)のリスクが高いことから、お住まいの自治体の情報に従いましょう。
マスクを着用している場合には、強い負荷の作業や運動は避け、のどが渇いていなくてもこまめに水分補給を心掛ける。
熱中症予防のためにエアコンの温度設定をこまめに調整する。
新型コロナウイルス感染症を予防するためには、冷房時でも換気扇や窓開放によって換気を確保する必要があります。
この場合、室内温度が高くなるので、熱中症予防のためにエアコンの温度設定をこまめに調整しましょう。
日頃の体温測定、健康チェック
日頃の体温測定、健康チェックは、新型コロナウイルス感染症だけでなく、熱中症を予防する上でも有効です。
体調が悪いと感じた時は、無理せず自宅で静養するようにしましょう。
高齢者、子ども、障害者への目配り、声掛け
3密(密集、密接、密閉)を避けつつも、熱中症になりやすい高齢者、子ども、障害者への目配り、声掛けをするようにしましょう。
(2) 従来からの熱中症予防行動の徹底
暑さを避ける
室内の温度・湿度をこまめに確認し、適切に管理しましょう。
外出時は天気予報や「暑さ指数(WBGT)」を参考に、暑い日や時間帯を避け、無理のない範囲で活動しましょう(WBGT は環境省ウェブサイトで提供されています。:https://www.wbgt.env.go.jp/)。
涼しい服装を心掛け、外に出る際は日傘や帽子を活用しましょう。
少しでも体調に異変を感じたら、涼しい場所に移動し水分を補給しましょう(急に暑くなった日や、久しぶりに暑い環境で身体を動かす際には特に注意が必要です。)。
こまめに水分補給をする
のどが渇く前に、こまめに水分補給をしましょう(一般的に、食事以外に1日当たり 1.2Lの水分の摂取が目安とされています。)。
激しい運動、作業を行ったとき、多くの汗をかいたときは塩分の補給も必要です。
暑さに備えた体作りをする
暑くなり始めの時期から適度に運動(「やや暑い環境」で「ややきつい」と感じる強度で、毎日 30 分程度)を心掛け、身体が暑さに慣れるようにすることも大事です(暑熱順化)。
※特に、熱中症になりやすい高齢者、子ども、障害者の方々は、より注意する必要があります。
『新しい生活様式』での熱中症対策は「3とる」
- 人との距離をとる
- マスクをとる(人との距離をとったうえで、マスクを「とる」)
- 水分をとる(喉が渇く前からのこまめな水分補給が必要です。口の周りの湿度が上がることで、のどの渇きを感じづらくなり、熱中症や脱水のリスクが高まります。)
『新しい生活様式』での熱中症対策グッズ
扇風機に取り付けるストラップには、水に濡らすとひんやりするタイプもあります。
首を冷やすと太い血管が冷やされるため、熱中症対策に有効です。
顔と首中心に風をあてると、体温の上昇をおさえる効果がありますよ!
もし熱中症になったら、いつまで安静が必要?
熱中症を発症した人が、暑い環境での運動などを再開するには、相当の日数を置かないといけません。
例え軽症でも、最低1週間程度の休養が必要です。
もちろん症状が重くなるにつれ、休養日数は増えます。
回復期間中は、暑い環境での運動や、激しい運動は絶対に止めましょう。
十分に回復するまで休養の日数をおいて、涼しい場所での軽めの運動から再開し、徐々に運動負荷を上げていくことが大切です。
一度熱中症にかかった人は、再度熱中症にかかりやすいと言われています。
十分に注意をして、繰り返さないようにしてください。
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