医師が薦める冷え性対策と冷え性の原因別お勧め食材
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こんにちは!
三重県松阪市の医療と介護の専門家、
西井医院の院長( @nishii.hospital)です。
冷え性というと西洋医学的には病気としてはありませんが、患者さんからの訴えをきくことはよくあります。
そこで今回は冷え性の種類と原因別のお勧め食材について解説です。
冷え性とは
西洋医学での冷え性
西洋医学的には「冷え性」という病名は実は存在しません。
あくまでも自覚症状の一つとして捉えられています。
Wikipediaでは
冷え性(ひえしょう)または、冷え症は、特に手や足の先などの四肢末端あるいは上腕部、大腿部などが温まらず、冷えているような感覚が常に自覚される状態のことである。
あっさりと書かれています。
西洋医学では後述する手足の冷えを来す病気は習いますが、冷え性体質のことは習いません。
東洋医学での冷え性
「冷え」については、他の多くの人が冷えていると感じないような状況で、全身もしくは部分的に冷たさを感じる状態です。
男性よりも女性に多くみられ、様々な病態の成因や増悪因子となります。
保温や加温によって症候が改善することもあります。
漢方医学的に考えると、気・血・水のどの異常も「冷え」を引き起こす原因となり、結果となりえます。
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冷え性の種類と種類別のお勧め食材
1.全身が冷える
ダイエットや運動不足が原因が多いです。
筋肉量が少なく、新陳代謝や内臓機能の低下によって起こります。
- 主な症状手足が冷える
- 平熱が低い(36.2度以下)
- 肩こりや生理痛が酷い
- よく風邪を引く
- すぐに湯冷めする
- 顔色が青白い
- 貧血気味 などです。
- 対策胃腸(内臓機能)の働きが衰えている可能性が大きいです。
- 山芋、鶏肉、なつめなどの胃にやさしい食材を積極的に摂るとよいでしょう。
- 時には消化しやすいおかゆなどの軟らかいものを食べ、消化を助けましょう。
- 食べ過ぎや消化に負担のかかる食べ物は胃に血液が集中し冷えの原因となります。
- 臓器に負担がかかる食べ過ぎは控えましょう。
- 水分が溜まりやすいので飲み過ぎにも注意しましょう。
2.手足の末端が冷える
冷え症の初期段階です。
手足が最も冷えてなかなか温かくなりません。
- 主な症状脚の色が白くて冷たい
- いつも手が冷えきっている
- トイレの回数が少ない
- むくみやすい
- めまいや立ちくらみがする
- 肌が乾燥しやすい
- 寝ているときに足がつる などです。
対策血流がよくなる紅茶やウーロン茶など発酵が進んだお茶がお勧めです。
食材では育つまでに時間のかかる食材がよいです。
ゴボウ、にんじん、玉ねぎ、しょうがなどの血行促進野菜をたくさん摂り、ゆっくり内側から温めましょう。
特にこのタイプは冷たい飲み物や食べ物は厳禁です。
必ず常温又はホットが基本です。
3.水分が溜まりすぎで冷える
水分の摂りすぎや、摂った水分を体内に溜めこむことにより体が冷えている状態です。
- 主な症状便秘気味又は下痢をしやすい
- 汗をかかない又は汗が止まらない
- だるくてむくみやすい
- 下半身太りが気になる
- お腹が張りやすい
- 水やお茶をよく飲む などです。
対策
やわらかい野菜は水分が多いので控えめにしましょう。
夕方以降の水分の過剰摂取には気を付けてください。
噛み応えのあるれんこん、ゴボウなどがおすすめの食材です。
海藻や豆類、黒ごまなどの色が黒っぽい食材を積極的にとりましょう。
4.ストレスで冷える
ストレスで気力が低下が無くなり、全身の血流も悪くなり冷えが起こる状態です。
- 主な症状倦怠感がありいつもだるい
- 気持ちが不安定で落ち込みやすい
- 食欲が湧かない
- 生理不順
- 肌にかさつきがありハリがない
- 不眠又は眠りが浅い などです。
対策
実際に体を温める食材も大切ですが、ストレス由来の冷えの場合、香り食材で心身をリラックスして温めるほうが有効です。
心を落ち着かせてくれるおすすめ食材は、シソの葉、シナモン、くるみなどです。
シソの葉は細かく刻んで味噌汁やおかずに加えたり、シナモンやくるみは朝食のパンやおやつ等に加えて香りと共に食事を楽しみましょう。
5.隠れ冷えタイプ
自覚症状は乏しいです。
暑がりだと思い込んでいる方に意外と多いのが隠れ冷え性です。
実際にはかなり冷えが進行していることもあります。
- 主な症状手が火照り温かい
- イライラして怒りっぽい
- 口内炎ができやすい
- 吹き出物ができやすい
- 顔がカッと赤くなることがある
- 足の裏がほてる
- 便秘がち などです。
対策血液をきれいにする食材、ねぎやセロリ、ほうれん草などを積極的に摂りましょう。
また、血液をドロドロにする原因のチョコレートなどの糖分、バターなどの動物性脂肪は控えましょう。
水分を摂るときは常温がベストです。
医師が薦める冷え性対策
「冷やさない」、「温める」この 2つが大事です。
身体を冷やさない方法
内部から冷やすもの(口からとるもの)を避ける
冷やさないという意味では 人工的に冷やしたようなものは取らな い。
常温以上のものを取る。
それでも不十分な場合には体温よりも 高いものを取る。
さらにそれでも不十 分な場合には、食材にもこだわって、 体を温める食材をなるべく取るように する。
外側からの対策
まず服装です。
夏になると、どうしても薄着になりますが、冷房の環境にあって薄着のままでいると、外からどんどん冷やされてしまいます。
自分が冷え性だなという自覚があったり、あるいはなくても何か不調があった場合には、簡単に羽織れるものを1枚よけいに着ることです。
特に下半身は冷やさないように努力をするような心遣いが大切です。
冷房の中では冬に使うような湯たんぽを使って下半身を中心に温める。
冷え性の方は冷房に弱い方が多いので、冷房の温度を下げ過ぎない、除湿をうまく使う、扇風機をうまく使うなどの工夫をするとよいでしょう。
温めるという意味では入浴をシャワー等で済ませないで、湯船にしっかりつかることが大切です。
入浴時の温度については、40℃を境にして自律神経がひっくり返るという事実があります。
40℃よりも高い温度の入浴は交感神経系を優位に、すなわち血管を収縮させるように働きます。
40℃よりも低い温度は副交感神経系を優位に、すなわち血管を開くように働 きます。
冷えている方というのは血管 が収縮していることが多いですか ら、ぬるいお風呂にゆっくりつかって ることが大事です。
40℃を下回るようなお風呂では短時間ではなかなか温まりませ んので、おのずから長時間入浴となります。
10~30分ぐらい湯船につかり、その時点では自律神経が副交感神経優位、すなわちお休みモードになっています。
お勧めは寝る直前にぬるいお風呂にゆっくりつかり、お風呂から上がったら、できるだけ早く乾かして床についてしまう ことです。
まとめ
- 冷え性にも種類があります。
- 冷え性と思っていると病気の場合があります。
- 冷え性のかたは「冷やさない」と「温める」が大事。
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