【医師が解説】意外と多い? 春に生じる熱中症の予防と症状別対応
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こんにちは!
三重県松阪市の医療と介護の専門家、西井医院の院長( @nishii.hospital)です。
昨日(2018/4/23)は季節外れの暑さになりました。
運悪く(?)あちこちでマラソン大会もあり、熱中症で搬送された方がたくさんいたとニュースで報道されてました。
熱中症は真夏にだけ発症するものではない
寒暖差の激しい春も熱中症に要注意!
暑さに慣れた真夏の35℃より気温が急激に上がった5月の25℃の方が体にダメージが大きいです。
人間の体は徐々に暑さに慣れるようにできていますが、昨日のように急に暑くなると体がついてきません。
最近は5月に30℃を超える日があることも珍しくありません。
季節の変わり目は朝晩の寒暖差も激しく体調不良になりがちです。
中高校生の1年生が1学期にクラブ活動などで熱中症を起こすこともよくあります。
体力の大きく違う3年生と一緒に同じ練習をするのも一因です。
熱中症の対策
天気予報に注意をする
気温だけでなく湿度の高い日は熱中症のリスクが高まります。
脱着のしやすい衣服を着て出かけましょう。
朝は冷えても日中は汗をかきます。
ゴールデンウイークにお出かけの予定をしている人もいると思いますが無理は控えましょう。
ネットの熱中症情報も参考になります。
水分もこまめに取る
水だけ飲んでいると体液の塩分濃度が薄まり、塩分濃度を上げるため余計に汗をかく悪循環に陥りやすくなります。
緑茶はカフェインを含むため利尿作用があり、脱水傾向になりやすいので注意しましょう。
お勧めは麦茶です。
カフェインが無く、ミネラルも取れるのでお勧めです。
塩気のものを一緒に取る
塩飴や塩分や糖分の濃度を体液に合わせて作ってある経口補水液も有効です。
但し高血圧の人は飲みすぎると血圧上昇の元となります。気をつけてください。
熱中症の症状(上から順に軽症~重症です)
めまいや顔の火照り
めまいや立ちくらみ、顔が火照るなどの症状が出たら、熱中症の初期症状です。
一時的に意識が遠のいたり、腹痛などの症状が出る場合もあります。
筋肉痛や筋肉のけいれん
身体の塩分バランスが崩れ、手足の筋肉がつるなどの症状(いわゆるこむら返り)が出る場合があります。
筋肉がピクピクとけいれんしたり、硬くなることもあります。
全身倦怠感や嘔吐・吐気
体がだるくて力が入らない。吐き気や嘔吐、頭痛などを伴う場合もあります。
汗のかきかたがおかしい
汗が止まらない、もしくはまったく汗をかいていないなど、普段の汗のかきかたと違う場合には、熱中症にかかっている危険性があります。
特に汗が止まってしまうと熱が体にこもるため危険です。
高体温、皮膚の異常
熱がこもることで体温が上昇したり、皮ふが赤く乾いているなどの症状も熱中症のサインです。
呼びかけに無反応、まっすぐ歩けない
声をかけても反応がない、ちぐはぐな返答をする。
体がガクガクとけいれんを起こしたり、まっすぐ歩けないなどの異常があるときは、重度の熱中症です。
すぐ救急車を呼んで医療機関を受診しましょう。
自分で水分補給ができない
呼びかけに反応しないなど、自分で水分補給が上手にできない時は大変危険な状態です。
むりやり水分を口から飲ませることは誤嚥による窒息にもつながり危険です。
すぐ救急車を呼び医療機関を受診しましょう。
もし熱中症になったら、いつまで安静が必要?
熱中症を発症した人が、暑い環境での運動などを再開するには、相当の日数を置かないといけません。
例え軽症でも、最低1週間程度の休養が必要です。
もちろん症状が重くなるにつれ、休養日数は増えます。
回復期間中は、暑い環境での運動や、激しい運動は絶対に止めましょう。
十分に回復するまで休養の日数をおいて、涼しい場所での軽めの運動から再開し、徐々に運動負荷を上げていくことが大切です。
一度熱中症にかかった人は、再度熱中症にかかりやすいと言われています。
十分に注意をして、繰り返さないようにしてください。
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