東京医科大学問題で思うこと
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東京医科大学が裏口入学の収賄から始まり、女子受験生の点数を一律カットという問題が連日報じられています。
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裏口入学について
私立医科大学は開業医の子弟を医師にするという側面があり、コネとカネがあればあるほど有利です。
私が医学部を受験したのは25年ほど前ですが、当時もありました。
但し、コネが発揮するのは普通は一次試験を合格しないと発揮しません。
一次試験も合格できないレベルでは最終的に医師国家試験に合格しませんから。
特に私立の医学部は国家試験合格率が至上命題です。
そのため、6年生の時点で国家試験に合格するレベルに達していないと卒業させてもらえません。
もちろん、私立医大は国家試験対策も大学を挙げて行います。
今回、裏口入学は私立の医学部ならよくある話と思いましたが、1次試験を受ける前から合格内定ということと、公的な研究費が賄賂として渡ったことの2点が普通の裏口入学と大きく違い、また問題になったところと感じました。
入試で特定の生徒の点数を上げること自体はどうか?
私立医大
私立医大にはある程度賢くて、寄付金をしっかり払ってくれる生徒がいい生徒です。国家試験合格率と大学経営のことを考えれば当然です。
公立医大
公立医大(~県立医大など)はある程度の学力があるなら、地元に(特に僻地に)残ってくれる生徒が求めている生徒です。県民税や市民税が投入されていますから仕方ないです。
求める生徒には多少下駄を履かせてでも合格させるのは止むを得ないと私は考えます。
・多浪は不利
・公立医大は地元民有利
・私立医大は2次試験が合格すればコネとカネがあるほど有利
ただ、いずれも大学の募集要項には堂々と書けるものではありません。
でも医学部受験生なら暗黙知として受験前に知っておくべきことです。
国立の医学部
さすがに地元出身の学生に試験本番で下駄を履かせるわけにはいきません。(国民の税金ですから)
でも、先生たちは地元に残ってくれる生徒が欲しいです。
そこで地元の学生には「地域枠」があります。
親が地元に住んでいるや、地元の高校の出身など大学により条件がありますが、地元民しか受験できません。
女子受験生の問題
これは東京医科大学全体だけの問題ではありません。
私も総合病院の院長先生方とお話しする機会もありますが、本音は産休・育休の無い男性医のほうがありがたいと言われます。
もちろん女医でも男性並みに日直当直をこなし、夜間のオンコールがあれば飛んでくる先生もおられます。
しかし、そういう条件で働いてくれて、しかもきつい外科系で働いてくれる女医は少ないです。
そして仕事復帰しても非常勤で日勤の仕事しかされないと、残った医師で当直やオンコール当番を務めないといけません。
常勤と非常勤に給料に差をつけようにも、元々が国で決められた診療報酬の中で運営しないといけないのです。
お金にも余裕は無くマンパワー不足はどうにもなりません。
慢性期病院なら当直はバイト医でもいいですが、急性期病院ではそうは行きません。
特に大学病院は専門分化しており各科に専門の当直が必要です。
そこで、東京医科大学は男性医を多くしたいと思って女子受験生を足きりしたのでしょう。
「医師の働き方改革」について
国も現在の医師の働き方は問題があると思っています。
私も勤務医、特に研修医の頃は当直があれば36時間連続勤務を月5~6回していました。
当直明けでも受け持ち患者の容態が悪化すると夜中でも呼ばれます。
当直がない日でも12時間勤務は当たり前です。
過労死ライン超で働くのが普通となってきます。
そこで国は改善したいと思っていますが、日本医師会は違います。
医師は仕事形態が特殊だから長時間労働止む無しと言っています。
問題の根っこは深いです。
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