内臓脂肪型肥満と皮下脂肪型肥満で不健康なのはどっち?隠れ肥満に要注意!
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こんにちは!
三重県松阪市の医療と介護の専門家、
西井医院の院長( @nishii.hospital)です。
肥満には内臓脂肪型(リンゴ型)と皮下脂肪型(洋ナシ形)がありますが、同じ脂肪でも違いはあるのでしょうか?
また、メタボリックシンドロームは内臓脂肪型肥満と関係が深いといわれています。
どうしてでしょうか?
今回は脂肪の種類とその成因について解説です。
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内臓脂肪と皮下脂肪
内臓脂肪は、その名の通り、肝臓や腸などの内臓の周りにつく脂肪のことです。
それに対し、皮下脂肪は皮膚のすぐ下についている脂肪で、筋肉の外側につく脂肪を指します。
一般的に内臓脂肪は男性、皮下脂肪は女性がつきやすいと言われています。
これは、皮下脂肪は飢餓に備えるという長期的な目的で脂肪をため、内臓脂肪は比較的短期的なニーズに使われるためです。
脂肪組織とは
脂肪組織は中性脂肪をため込んでいます。
その中性脂肪はグリセロールに脂肪酸がついたものです。
内臓脂肪も皮下脂肪も、たまっている脂肪酸の組成そのものは変わりません。
内臓に脂肪がつきやすいのはなぜ?
皮下脂肪の貯めやすさにはかなり個人差があります。
皮下脂肪におさめるキャパシティの少ない人はどうしても内臓脂肪がつきやすくなります。
逆に皮下脂肪のキャパシティが非常に余裕があると、見た目はぽっちゃりでも実は代謝的には健康であることもあり、個人差が大きいです。
皮下脂肪のつき方に個人差があるのはなぜか
一番の理由は遺伝的背景が大きいです。
次は成長期の過ごし方です。
皮下脂肪が発達していく時期は小児期ぐらいまでといわれています。
ただし、小児期にどうすれば皮下脂肪の容量が増えるかは分かっていません。
皮下脂肪は厚いほど健康には有利
内臓脂肪は男性につきやすいイメージですが、実は皮下脂肪にため切れなくなった脂肪が内臓へと回っている状態です。
皮下脂肪からあふれ出た脂肪が内臓脂肪へ回ってくると、代謝が渋滞しやすくなり、血中に色々な脂肪が出てくるといった問題が生じてきます。
皮下脂肪で受け止めらる脂肪量が多い、つまり皮下脂肪が多いほど健康には有利となります。
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BMIだけで肥満と判断して大丈夫か?
BMIとはBMI(Body Mass Index:肥満指数)は肥満を判定する指標の一つとして利用されています。
BMIは体重(kg)を身長(m)の二乗で割って算出します。
BMI値=体重(kg)÷(身長m×身長m)
例)身長172cm、体重70kgの場合、70÷(1.72×1.72)=23.66という計算になります。
BMIは23.66です。
WHOの国際的な基準によると、BMI25以上が過体重、30以上が肥満です。
しかし、日本人を含むアジア人の場合、BMI25以下であっても2型糖尿病や循環器の病気の発生リスクが高いとされています。
そこで、日本ではWHOの基準によらず、BMI25以上を肥満とし、もっとも病気にかかりにくい標準体重をBMI22とする、日本肥満学会による判定基準がよく使われています。
BMIが25あるから肥満であるとか、BMIが22だから大丈夫とは必ずしもいえません。
BMIが22でも皮下脂肪が薄い人の場合は内臓脂肪に回ることもあります。
隠れ肥満に要注意!
逆にBMIが25~26ぐらいでも全く問題ない人もたくさんいます。
体脂肪計や体組成計などを併用して調べないと代謝異常をきたしているかどうかは分かりません。
自分は痩せているから健康であり、メタボではないと自己判断するのは注意が必要です。
BMIと糖尿病の関係
BMIが高い人のほうが糖尿病発症が多いことは事実です。
しかし、BMIが正常近辺でも糖尿病を発症する人はたくさんいます。
健診での随時血糖だけでは軽度の糖尿病は分かりません。
HbA1cや体脂肪率検査を活用してきっちりと診断をしておくことが大切です。
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医療機関でダイエットもできます
ただし、「これさえ飲めば何を食べても」といった類の物ではありません。
食事の内容や運動療法時間・内容とともに、(自費診療になりますが)肥満に効果があるとされるお薬を紹介します。
ここからは以前のブログ《痩せる薬(SGLT2阻害薬、GLP-1受容体作動薬、防風通聖散)と太る薬》より引用します。
痩せる効果のある薬①:SGLT2阻害薬
尿に糖を出すことで血糖を下げる飲み薬です。
体重を減らす効果もあります。
ほかの薬と併用しなければ低血糖を起こす危険性が低いことも特徴です。
スーグラ、フォシーガ、ルセフィ、アプルウェイ、デベルザ、カナグル、ジャディアンスといった薬があります。
ただ、服用すると空腹感が出るので、食べる量が以前より増えてしまうと効果が無くなります。
痩せる効果のある薬②: GLP-1受容体作動薬
GLP-1(ジーエルピーワン)受容体作動薬は、もともと私たちの体にあるホルモンで、血糖値を下げる働きがあります。
GLP-1受容体作動薬は、体の外からこのGLP-1を補うお薬です。
副作用として食欲低下があり、結果として瘦せることができます。
投与方法は注射となり、週1回製剤のトルリシティ、ビデュリオン、毎日型製剤のビクトーザ、バイエッタ、リキスミアがあります。
美容クリニックでも「痩せホルモン注射」という名前で投与しています。
痩せる効果のある薬③:防風通聖散
防風通聖散は18種類の生薬からなる漢方薬であり、お腹の脂肪を落として肥満症を改善する医薬品として利用されています。
その作用メカニズムは、脂肪細胞を活性化することで、お腹についてしまった脂肪を分解・燃焼する事が明らかとなっています。
また、防風通聖散には便秘改善作用もあり、便通が良くなる効果が期待できます。
防風通聖散の便通改善効果は効き目のサインにもなり、体重管理に取り組むきっかけに繋がります。
自費診療で処方することもできます。
まとめ
- 内臓脂肪も皮下脂肪も、脂肪酸の組成は同じもの。
- 皮下脂肪の貯めやすさには個人差がある。
- 皮下脂肪が多いほど健康には有利。
- 痩せているから健康であるとは限らない。
- 痩せる薬としてはSGLT2阻害薬、GLP-1受容体作動薬、防風通聖散などがある。
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