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冬に悪化しがちな慢性疾患(高血圧・糖尿病・高脂血症・喘息)と原因

 
この記事を書いている人 - WRITER -
1974年生まれ。2000年三重大学医学部卒業。三重県松阪市で内科クリニックを10年前からしています。診療所に併設して有料老人ホーム、認知症対応型グループホームもあり、自宅生活の方も含め在宅医療も行っています。 また、インスタグラムでフォロワー1万人超のアカウントを2つ運営するインスタグラマーでもあります。 地域のかかりつけ医として気軽になんでも相談してください。医療と介護の両面から一緒に考えます。
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寒くなると風邪やインフルエンザ、ノロウィルスによる感染性胃腸炎が流行りだします。

しかし、慢性疾患の中にも寒くなるとコントロールが悪くなりやすいものがあることはご存知でしょうか?

コントロールが悪くなる慢性疾患とその原因を書いてみました。

 

高血圧症

寒い冬の時期は病気でなくても血圧が上昇します。

 

寒くなると血管が収縮して血圧が上昇します

寒くなると、私たちのからだは体温を逃がさないように血管が収縮します。

院長
手が冷たくなるのは血管を収縮するため、血流量が減るからなんです。

血管が収縮すると血液の流れが悪くなり、血圧が上がりやすくなります。

血圧が高めの人は、寒さを感じたり冷たい水などにさわったりしたときなどは、血圧がさらに高くなります。

心筋梗塞や脳卒中を引き起こす恐れがありますので、次のような状況では特に注意が必要です。

  • 寒い屋外に出たとき
  • 暖かい部屋からトイレや脱衣所など寒い場所へ移動したとき
  • 熱いお風呂に入ったとき
  • 夜間トイレに起きたときや早朝に起きたとき など

参考ヒートショックに注意!

 

 

冬には食欲も増すが塩分摂取量も増える

冬は夏に比べて食欲が増す人が多いと思います。

これは寒くなるとエネルギーを供給しようとする、身体の自然な生理現象です。

そのため、塩分摂取量も増えてしまい結果的に血圧も上昇します。

 

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糖尿病

糖尿病患者さんの中には秋から冬にかけて血糖コントロールが悪くなる人が多く見られます。

いくつかの調査ではいずれも、HbA1c(ヘモグロビンA1c)の数値が1~3月に高くなり、8~10月に低くなるという結果があります。

HbA1cHbA1c(ヘモグロビンA1c)は過去1~2ヶ月前の血糖値を反映します。当日の食事や運動など短期間の血糖値の影響を受けません。

各地で行われた研究の結果では、血糖値は秋から冬にかけて高くなり、夏には低くなるという傾向がありました

 

果物には果糖が含まれています

秋から冬にかけては、食べ物がおいしくなる季節です。

特に、秋に実る梨・柿・みかんといった果物は糖度が高くて美味しいのですが、果物の食べ過ぎで糖尿病を悪化させてしまう例もあります。

院長
果物は食事制限と関係ないと思っている人は結構います。みかんなら1日1個にしましょう。

 

年末年始の行事に注意

また、年末年始は忘年会・新年会といった行事が多くあります。

そういった機会に、つい食べ過ぎてしまうことも関係しています。

 

寒くても身体を動かしましょう

さらに冬は寒いため、運動量が減ってしまうという人も多いです。

そういった日常生活の変化が重なって、秋から冬にかけては血糖値が上昇します。

 

冬の血糖値上昇対策

まず食べる順番に気を配ることが大切です。

最初にサラダやおひたしといった野菜料理を食べると、血糖値の急激な上昇を抑えることができます。

糖度の高い果物は、体を動かしている日中に摂るようにしましょう。

夕食後に果物を食べると、果糖が体に貯まりやすくなります

 

次に寒くても身体を動かす習慣をつけましょう。

早朝は寒いため、血管に負担がかかります。

運動は日中に行いましょう。

 

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高脂血症

生活習慣などが原因で、とり過ぎたコレステロールなどが血管壁にたまると、コブのようなプラークができてしまいます。

プラークと血栓形成

https://www.med.or.jp/chishiki/doumyakukouka/002.html

室内外の温度差によるストレスで血管に強い圧力がかかると、突然プラークが破裂することがあります。すると破れを修復しようと血液中の血小板が集まり、それらが凝縮した血栓(血のかたまり)が血管をふさいで、心筋梗塞や脳梗塞を起こす危険が高まります。

特に冬はつい運動不足になる上に、忘年会や新年会などによる食べ過ぎ、飲み過ぎが続きがちです。

血液中に余分な糖やコレステロール、中性脂肪が増えるリスクが上昇します。

これらが血管壁のプラークをさらに肥厚させます。

冬が怖いのは、プラークが育ちやすく、破れやすい状態になるからです。

院長
プラークが破れると血管が詰まり、脳梗塞や心筋梗塞の原因となります。

 

プラークを肥厚させないために

  • 宴会で飲みすぎ・食べ過ぎない。
  • 医師に脂質異常を指摘されて薬を処方されている場合は続ける。
  • 高血圧や糖尿病もプラークを肥厚させる原因なので、治療をする。

 

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気管支喘息

秋になると(特に若年層の)喘息発作が増えてきます。

その原因として考えられるのはいくつかあります。

 

寒くなると喘息が増える原因

  • 夏場に繁殖したダニが寒さで死に、ダニの死骸を含むハウスダストが増えた。
  • 一日の気温変化が急激に大きくなる。
  • 冷気を吸い込むことで気道の過敏性が高まる。
  • 感冒を契機に喘息が悪化する。

喘息は天気により左右される病気です。

予め天気を知って対策をすることは喘息発作を抑制する助けになります。

ぜんそく天気予報」というホームページがありますので、参考にするとよいでしょう。

 

寒さによる喘息発作を防ぐに

冷たい空気は発作が出やすいので気温の低い朝は控え、冬場は乾燥するのでマスクを着用するなど注意が必要です。

こまめに掃除と換気を行い、空気をきれいに保ちましょう。

引用:https://naruhodo-zensoku.com/lifecond/indoor.html

 

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1974年生まれ。2000年三重大学医学部卒業。三重県松阪市で内科クリニックを10年前からしています。診療所に併設して有料老人ホーム、認知症対応型グループホームもあり、自宅生活の方も含め在宅医療も行っています。 また、インスタグラムでフォロワー1万人超のアカウントを2つ運営するインスタグラマーでもあります。 地域のかかりつけ医として気軽になんでも相談してください。医療と介護の両面から一緒に考えます。
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