冬に悪化しがちな慢性疾患(高血圧・糖尿病・高脂血症・喘息)と原因
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寒くなると風邪やインフルエンザ、ノロウィルスによる感染性胃腸炎が流行りだします。
しかし、慢性疾患の中にも寒くなるとコントロールが悪くなりやすいものがあることはご存知でしょうか?
コントロールが悪くなる慢性疾患とその原因を書いてみました。
高血圧症
寒い冬の時期は病気でなくても血圧が上昇します。
寒くなると血管が収縮して血圧が上昇します
寒くなると、私たちのからだは体温を逃がさないように血管が収縮します。
血管が収縮すると血液の流れが悪くなり、血圧が上がりやすくなります。
血圧が高めの人は、寒さを感じたり冷たい水などにさわったりしたときなどは、血圧がさらに高くなります。
心筋梗塞や脳卒中を引き起こす恐れがありますので、次のような状況では特に注意が必要です。
- 寒い屋外に出たとき
- 暖かい部屋からトイレや脱衣所など寒い場所へ移動したとき
- 熱いお風呂に入ったとき
- 夜間トイレに起きたときや早朝に起きたとき など
参考⇒ヒートショックに注意!
冬には食欲も増すが塩分摂取量も増える
冬は夏に比べて食欲が増す人が多いと思います。
これは寒くなるとエネルギーを供給しようとする、身体の自然な生理現象です。
そのため、塩分摂取量も増えてしまい結果的に血圧も上昇します。
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糖尿病
糖尿病患者さんの中には秋から冬にかけて血糖コントロールが悪くなる人が多く見られます。
いくつかの調査ではいずれも、HbA1c(ヘモグロビンA1c)の数値が1~3月に高くなり、8~10月に低くなるという結果があります。
HbA1cHbA1c(ヘモグロビンA1c)は過去1~2ヶ月前の血糖値を反映します。当日の食事や運動など短期間の血糖値の影響を受けません。
各地で行われた研究の結果では、血糖値は秋から冬にかけて高くなり、夏には低くなるという傾向がありました。
果物には果糖が含まれています
秋から冬にかけては、食べ物がおいしくなる季節です。
特に、秋に実る梨・柿・みかんといった果物は糖度が高くて美味しいのですが、果物の食べ過ぎで糖尿病を悪化させてしまう例もあります。
年末年始の行事に注意
また、年末年始は忘年会・新年会といった行事が多くあります。
そういった機会に、つい食べ過ぎてしまうことも関係しています。
寒くても身体を動かしましょう
さらに冬は寒いため、運動量が減ってしまうという人も多いです。
そういった日常生活の変化が重なって、秋から冬にかけては血糖値が上昇します。
冬の血糖値上昇対策
まず食べる順番に気を配ることが大切です。
最初にサラダやおひたしといった野菜料理を食べると、血糖値の急激な上昇を抑えることができます。
糖度の高い果物は、体を動かしている日中に摂るようにしましょう。
夕食後に果物を食べると、果糖が体に貯まりやすくなります。
次に寒くても身体を動かす習慣をつけましょう。
早朝は寒いため、血管に負担がかかります。
運動は日中に行いましょう。
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高脂血症
生活習慣などが原因で、とり過ぎたコレステロールなどが血管壁にたまると、コブのようなプラークができてしまいます。
プラークと血栓形成
室内外の温度差によるストレスで血管に強い圧力がかかると、突然プラークが破裂することがあります。すると破れを修復しようと血液中の血小板が集まり、それらが凝縮した血栓(血のかたまり)が血管をふさいで、心筋梗塞や脳梗塞を起こす危険が高まります。
特に冬はつい運動不足になる上に、忘年会や新年会などによる食べ過ぎ、飲み過ぎが続きがちです。
血液中に余分な糖やコレステロール、中性脂肪が増えるリスクが上昇します。
これらが血管壁のプラークをさらに肥厚させます。
冬が怖いのは、プラークが育ちやすく、破れやすい状態になるからです。
プラークを肥厚させないために
- 宴会で飲みすぎ・食べ過ぎない。
- 医師に脂質異常を指摘されて薬を処方されている場合は続ける。
- 高血圧や糖尿病もプラークを肥厚させる原因なので、治療をする。
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気管支喘息
秋になると(特に若年層の)喘息発作が増えてきます。
その原因として考えられるのはいくつかあります。
寒くなると喘息が増える原因
- 夏場に繁殖したダニが寒さで死に、ダニの死骸を含むハウスダストが増えた。
- 一日の気温変化が急激に大きくなる。
- 冷気を吸い込むことで気道の過敏性が高まる。
- 感冒を契機に喘息が悪化する。
寒さによる喘息発作を防ぐには
冷たい空気は発作が出やすいので気温の低い朝は控え、冬場は乾燥するのでマスクを着用するなど注意が必要です。
こまめに掃除と換気を行い、空気をきれいに保ちましょう。
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