5月17日は高血圧の日/世界高血圧デー
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5月17日は世界高血圧デーです。
「世界高血圧デー:World Hypertension Day」は、国際高血圧学会の一部門である世界高血圧リーグにより、高血圧およびその管理に関する啓発を目的として、2005年に創設されました。
創設以来、その参加国は増え続けて、2007年からは日本も参加し、合わせて25カ国以上が参加しています。
そこで今回は血圧の意味と高血圧、至適血圧、血圧の測り方について説明します。
血圧とは
血圧を測定すると2つの値が記録されます。
いわゆる「上」は収縮期血圧(最大血圧)、「下」は拡張期血圧(最小血圧)といいます。
心臓が収縮したときには、血液が大動脈に送り出され、血管に高い圧力がかかります。
これが収縮期血圧(最大血圧)です。
反対に、血液を送り出した後に心臓が拡張して、肺などから血液を吸い込みます。
このときに血圧は最も低くなり、これを拡張期血圧(最小血圧)といいます。
高血圧の定義
高血圧症治療ガイドラインによると、診察室で測定した血圧(病院・診療所等で医師・看護師により測定された血圧)が140/90mmHg以上、家庭で測定した血圧が135/85mmHg以上を、「高血圧」としています。
高血圧の怖さ
日本人の三大死因のうちの二大疾患である脳卒中や心臓病、また腎不全など、生命に関わる病気を引き起こす最も主要な原因となっています。
しかし、高血圧は自覚症状がありません。
時々患者さんに「血圧が高いと何か症状がありますか?」と聞かれます。
私は「症状があるような高血圧は重症です」とお話しています。
現在、日本に約4,000万人と推定されている高血圧患者のうち実際に治療を受けているのはわずか2割の約800万人といわれています。
適切な血圧は年齢や合併症により異なります
高血圧治療ガイドライン2014で定められている血圧目標値および至適血圧値
75歳以上の患者さん | まずは150/90mmHg未満、可能であれば140/90mmHg未満を目標に |
75歳未満の患者さん | 140/90mmHg未満 |
蛋白尿を伴った慢性腎臓病・糖尿病を合併している患者さん | 130/80mmHg未満 |
至適血圧値 | 120/80mmHg未満 |
血圧は測る場所や時間で変わります
高血圧の方に限らず一般の人でも、病院や診療所で測ると家庭よりも高い数値が出ることが多いことがわかっています。
家庭ではリラックスして測定できますが、病院や健診では緊張したりして、血圧値が上がってしまう方が多いです。
正しい血圧の測り方
測る時間
日本高血圧学会が推奨するのは、起床時と就寝前(寝る前)の毎日決まった時間帯に測定です。
起床後は、起きて1時間以内、トイレを済ませ、朝食前・薬を飲む前に測定、
就寝前は、入浴後1時間以上時間をあけて測定。
私は一日2回が難しいなら一日1回でもいいので毎日決まった時間に測るように指導しています。
リラックスした状態で測る
イライラしたり緊張すると血圧は高くなります。
測る前に2~3分の安静時間が必要です。
排尿・排便は済ませておく
トイレに行ってから数分後に測りましょう。
又は尿意・便意の無い時に測りましょう。
座った姿勢で、カフ(腕帯)を正しく巻いて測る
椅子の背もたれに軽くもたれて、足を組まずにリラックスして座りましょう。
測定する上腕や手首が心臓の高さになるよう、クッションなどで調節が必要です。
寒い部屋や暑い部屋での測定は控える
できれば室温20℃くらいが最適です。
血圧計の種類について
上腕式と手首式の2種類があります。
より正確なのは上腕式ですが、一人では巻きにくいのが欠点です。
正しい姿勢を保ち、測定時間と測定機器を毎日同じにするのであれば、血圧の日々の変動が分かるのでどちらでも良いと思います。
家庭血圧測定の重要性
病院や診療所で血圧を測定するのは、2週~2ヵ月に1回程度です。
毎日測定できる家庭血圧の方が、血圧の変化を知るのには役立ちます。
血圧自体は日々変わるものなので、多少の数値の変化に一喜一憂するのではなく、一定期間の推移を見守ることが重要です。
病医院や薬局では血圧手帳が置いてあります。
家庭血圧を毎日自分で測定し、血圧手帳へ記入することが正しい高血圧治療の第一歩です。
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