新発売のインフルエンザ治療薬 《ゾフルーザ》
スポンサーリンク
1日1回内服で治療が終わるゾフルーザ
新聞などでも報道がありましたが、この3月に新しいインフルエンザ治療薬「ゾフルーザ」が発売されます。
今日卸さんが製造販売承認されたとのチラシを持ってきてくれました。
医療者にも患者さんにも便利になります。
ゾフルーザが医療現場にとってありがたいのは1回経口投与で治療が終わるということです。
これまでも1回きりの薬にはイナビルとラピアクタがありましたが、イナビルは1回吸うためだけにに吸入指導が必要という手間がかかりました。
ラピアクタは点滴となるため吸入の理解ができない認知症の方を中心に使用してました。
経口投与で1回きりはとても助かります。
今までのインフルエンザ治療薬とゾフルーザの違い
またゾフルーザはこれまでのインフルエンザ治療薬とは作用機序が違います。
詳しくは下記図を参照してもらえるとよいのですが、ウイルスの増殖を直接抑える効果があります。
今までのインフルエンザ治療薬よりも他人にウイルスを感染させるリスクが減らせることが期待されます。
タミフル耐性インフルエンザにも効果があると思われ、国も有望な薬を優先的に審査する先駆け審査指定制度の対象薬としています。
※追記(2018/3/14):薬価収載となり、先駆け審査指定制度の対象薬のため即日発売開始となりました。
追記(2019/1/27) ゾフルーザ耐性ウイルスについて
国立感染症研究所は1月24日、新機序の抗インフルエンザ薬(キャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害薬)のバロキサビル マルボキシル(販売名:ゾフルーザ)について、同薬への感受性が低下したアミノ酸変異ウイルス(耐性株)が昨年12月に検出されたことを公表した。
ゾフルーザの臨床試験では、薬剤投与によりI38T/M/Fというアミノ酸変異を持つ耐性株が検出され、これらの変異が薬剤感受性の低下に関与することが判明しています。
第Ⅲ相試験のデータによれば、耐性株の検出率は12歳以上で9.7%、12歳未満で23.4%となっており、日本感染症学会は昨年10月に耐性株の出現を「高頻度」とする見解を示しています。
耐性株が検出された患者では、罹病期間の延長やウイルス力価の再上昇も報告されています。
スポンサーリンク