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コロナ禍で「ヘッドフォン難聴」が増加しています!

 
この記事を書いている人 - WRITER -
1974年生まれ。2000年三重大学医学部卒業。三重県松阪市で内科クリニックを10年前からしています。診療所に併設して有料老人ホーム、認知症対応型グループホームもあり、自宅生活の方も含め在宅医療も行っています。 また、インスタグラムでフォロワー1万人超のアカウントを2つ運営するインスタグラマーでもあります。 地域のかかりつけ医として気軽になんでも相談してください。医療と介護の両面から一緒に考えます。
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新型コロナウイルスの感染拡大が続くことで、我々の日常の習慣は大きく変わりました。

仕事や学校では、リモートが一般化しましたし、スポーツも感染リスクを避けて単独でのジョギングやウォーキングなどをする人が増えました。

そういった習慣の変化に伴って、ヘッドフォンやイヤフォンを使用する人が増えました。

ヘッドフォン等を使用することで、どこにいても自分の世界に没頭できるというメリットがあります。

しかし、増加しているのが「ヘッドフォン難聴」です。

 

ヘッドフォン難聴とは

ヘッドフォン難聴とは、ヘッドフォン等を使用して大きな音を聞き続けることにより生じる難聴です。

ヘッドフォン難聴は少しずつ進行し、症状を自覚しにくいです。

気づいたときには難聴がかなり進んでいるケースもあります。

毎日ヘッドフォン等を使用するという人は、難聴を招く行動をしていないか確認してほしいです。

 

ヘッドフォン難聴になる仕組み

音の伝導は、耳から入った音が内耳(ないじ)の蝸牛(かぎゅう)という器官にある有毛細胞(ゆうもうさいぼう)で振動から電気信号に変換され、脳に伝わることで「音」として認識されます。

大きな音を聞きつづけることにより、有毛細胞が傷つき、壊れてしまい、振動を正常に変換することができなくなり、音を感じにくくなります。

WHO(世界保健機関)は、「80dBで1週間当たり40時間以上、98dBで1週間当たり75分以上聞き続けると、難聴になる危険がある」と注意喚起しています。

ヘッドフォン等を使用すると、直接、耳に音が入るため、大音量であればあるほど有毛細胞へのダメージは大きいです。

 

ヘッドフォン難聴の症状

ヘッドフォン難聴の症状としては、耳閉感(耳が詰まったように感じる)、耳鳴りなどが現れる場合もありますが、自覚症状に乏しく、少しずつ聞こえが悪くなっていくケースも多いです。

症状に気づきにくい理由は、ヘッドフォン難聴の初期症状が、「高い音域が聞こえづらくなる」という点にあります。

高い音域とは「4000HZ」程度の音域であり、普段の生活のなかで、そのような高い音域が聞こえづらくても不便を感じることは少ないです。

しかし、難聴に気づかずにヘッドフォン等を大音量のまま使い続けることで症状が進行し、会話レベルの音域も聞こえづらくなり、そこでようやく難聴に気づくといったケースもあります。

一旦有毛細胞の損傷によって失った聴力は回復が難しいため、早期に気づき、治療をすることが重要です。

院長
院長
次の動画で高音域が聞き取れるか試してみましょう!

 

 

ヘッドフォン難聴の治療

ヘッドフォン難聴の治療は、ステロイド剤・ビタミン剤・血流改善薬などの薬物治療が用いられます。

また、合わせて耳の安静を図ることも有効であす。

ヘッドフォン等の使用をやめる、耳栓などを使用して音から耳を守る等の対処を行い、症状の進行を防ぐことも重要です。

聞こえにくい、耳の詰まる感じがする、耳鳴りや耳の奥が痛いなど、なんらかの耳の違和感に気づいた時は、早急に耳鼻科を受診し、治療を行うことがお勧めです。

 

ヘッドフォン難聴にならないために

現代社会においてヘッドフォン等は不可欠ともいえますが、ヘッドフォン難聴を招かないためには、次の2点に注意が必要です。

・なるべく小さい音量で使用:ヘッドフォン等を使用しながらでも人と会話できる程度の音量
・使用時間:1回の使用を1時間以内にとどめ、ヘッドフォン等を使用した3倍は使用しない時間をつくり、耳を休ませる

また、ノイズキャンセリング機能がついたヘッドフォン等を使用することで過度に大きな音量にすることを防げる効果が望めます。

疲労、睡眠不足、体調が悪いなど体調不良がある時は難聴になりやすい傾向にあるため、通常よりも音量を下げ、長時間の使用を避けることを心がけましょう。

 

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1974年生まれ。2000年三重大学医学部卒業。三重県松阪市で内科クリニックを10年前からしています。診療所に併設して有料老人ホーム、認知症対応型グループホームもあり、自宅生活の方も含め在宅医療も行っています。 また、インスタグラムでフォロワー1万人超のアカウントを2つ運営するインスタグラマーでもあります。 地域のかかりつけ医として気軽になんでも相談してください。医療と介護の両面から一緒に考えます。
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