50代から痩せる食事と運動は?基礎代謝を上げる更年期のダイエットのやり方
スポンサーリンク
年齢を重ねるとともに、「痩せにくくなった」あるいは「太りやすくなった」と感じている方は多いのではないでしょうか。
特に女性は、更年期を機に体重の増加に悩む人が増えます。
そこで、50代からのダイエット方法を、解説しました。
いずれも納得の基本的なことなのですが、なかなか実践できていないことに気づくはずです!
1・50代が痩せにくくなる原因
40歳を過ぎたあたりから、ついてなかった部分の脂肪に気づき、50代になるとなかなか体重が減らなくなります。
加齢により太ってしまう大きな理由として、次の4つが挙げられます。
- 運動量や筋肉量が低下する
- 基礎代謝量が低下する
- エネルギー消費と1摂取のバランスが崩れる
- 女性ホルモン(エストロゲン)の低下により、内臓脂肪がつきやすくなる
「女性ホルモンの低下」については医療の力を借りない限り防ぎようがありませんが、1~3については、それぞれ相互に関係していて、運動と食事により改善することができます。
エネルギー消費量について
人間の1日当たりの総エネルギー消費量は 、
・基礎代謝(約60~70%)
・生活活動代謝(約20~30%)
・食事誘発性熱産生(約10%)の3つに分類されます。
「基礎代謝」とは、呼吸、心臓の拍動、体温維持、内臓の働きなど、1日中寝ていても消費される、生命を維持するためのエネルギー消費のこと。
年齢や性別、体表面積によって変わりますが、一般成人の女性は約1200kcal、男性は約1500kcalとされています。
基礎代謝を増やすと運動をしなくてもエネルギーを消費することができ、太りにくく痩せやすい体を作ることができます。
「生活活動代謝」は、いわゆる身体活動によるエネルギー消費です。
掃除や洗濯などの家事、通学・通勤による歩行、オフィスワークなどの「生活活動」と、ジョギングやヨガ、ストレッチなどの「運動」に分けられますが、あらゆる活動が当てはまります。
「食事誘発性熱産生」とは、食事をした後に安静にしていても増大する熱のことで、DITとも呼ばれます。
筋肉は1年に1%減る
コロナ禍で太った方が多いのは、1日中座ったままで、運動量が減ったからです。
動かないということは、エネルギーが要らないということ。にもかかわらず、食べる量は減らさないから、太るのです。
筋肉は使わないと、1年に1%減り続けます。
宇宙飛行士は、無重力状態の中で1日で1年分の筋肉がなくなり、地球に戻るときにはおよそ14~15%の筋肉が減り、骨量も減少しています。
いかに健康でも2週間で20年くらい年をとったような状態になります。
このミニチュア版が、コロナ禍で多くの人にも起きていると言えます。
生活活動代謝が減っているうえに、最も基礎代謝量の多い組織のひとつである筋肉が落ち、脂肪が増えたため、太りやすくなっているというわけです。
基礎代謝量と筋肉量
基礎代謝量を臓器別に見ると、骨格筋(いわゆる筋肉)、肝臓、脳がそれぞれ約2割ほどと高く、この3つで全身の約6割ほどを占めています。
高齢者は、成人に比べて平均して5%程度基礎代謝量が低くなり、その原因のひとつは、筋肉量の低下だと考えられます。
体を支えたり体温を作り出す働きがある筋肉は、基礎代謝の中でも最もエネルギーを必要とし、最もエネルギー消費量が多い組織です。
その筋肉が減ると、比例して基礎代謝量も減るというわけです。
2・50代からの正しいダイエット方法とは?
これらを踏まえ、20代~30代に比べて運動量や筋肉量が減りがちな40代・50代からのダイエットでは、
・運動量を増やし、エネルギーを消費すること(有酸素運動)
・筋肉をつけ、基礎代謝を上げること(無酸素運動)
・食事の量や内容を見直すこと
の3つが大切です。
体重のコントロールは長期戦。長期的に続けられるダイエットをする必要があります。
3・運動不足になるほど食欲がわく⁈ 50代からのダイエットには運動が不可欠!
50代になると食事制限だけで痩せるのが難しく、運動しないことは健康面から見ても致命的になります。
運動しないということは、体のエネルギーを使わないということ。筋肉を動かさないと、エネルギーを消費できません。
また、筋肉と脳は相互作用する関係にあり、筋肉を使わなければ脳の働きも悪くなり、認知症を引き起こす要因になります。
運動すると、体にとってすべてがポジティブに回ります。脳が筋肉に指令を出し、血圧や呼吸数を上げ、心臓が早く打ち、通常の3倍近い血液を流し、体温も上がります。筋肉を動かせば脳由来神経栄養因子(BDNF)というタンパク質が生成され、認知症の予防にもなります。
また、動物はダラダラとした生活を送っているときのほうが食欲がわくということがラットを用いた実験でわかっています。
運動しているラットも食べる量は増えますが、運動した分を食べているだけだから太りません。
しかし、運動していないラットは、運動しているラット以上に食べて太ってしまいました。
動物は習性として、敵もなくリラックスしていると、来るべき飢餓に備えて食べてしまいます。
『運動不足になるほど食欲がわく』ということが、ある程度明らかになっています。
50代からは有酸素運動と無酸素運動、両方必要
有酸素運動は酸素を取り込み、糖質と脂肪を燃やすだけでなく、心肺機能を高め、末梢の血液循環をよくする効果もあり、ダイエットにも健康にも欠かせません。
ただし、有酸素運動だけでは筋肉をたくさん増やすことができません。
筋肉を増やすためには、酸素を使わず、運動強度が強い、筋トレや短距離走のような無酸素運動が必要です。
無酸素運動の主なエネルギー源は糖質ですが、筋肉を増やすことにより基礎代謝が上がり、脂肪を燃焼します。
4・ウォーキングとランニング、どちらが痩せる?
気軽に始められる有酸素運動といえば、ウォーキングやランニングです。
いざダイエットを始めるとき、ウォーキングとランニングのどちらをするべきか迷う方もいるでしょう。
1kmのウォーキングと1kmのランニングで消費するカロリーは同じで、運動時間が異なるだけです。
同じ時間行うなら、ランニングのほうが消費カロリーは大きいので痩せます。
しかし、5分走って疲れてやめてしまうと、脂肪は燃焼しません。
それなら、30分ウォーキングするほうがいいです。週3回のランニングよりも毎日ウォーキングするほうが消費カロリーは多くなります。
体力はそれぞれ違うので、自分の体力に合わせて、なるべく毎日できることを選ぶとよいでしょう。
継続するコツは達成感を得ること。無理な目標を立てないことです。
ちなみに、体重50~60㎏の方が時速4㎞のスピードで1時間歩くと約150~190kcal、時速5㎞のスピードで1時間歩くと約210~250kcalを消費します(※体重が重いほど消費カロリーが増えます)。
毎日、1時間も運動する時間を取れないという方は、エスカレーターではなく階段を使う、自転車での移動を徒歩にする、昼休みに10分だけでも歩く…など、生活活動量を増やすようにしましょう。
「雨で継続できない」というときは、室内で有酸素運動が行えるステッパーやエアロバイクも便利です。
ともに膝を痛めないように、足裏全体で踏み込むのがコツです。
長い間運動していない人は脂肪が燃えにくくなっています。ほとんど動いていなかったという方は、30分から1時間のウォーキングを10日間続けてください。10日間、息が弾む程度の有酸素運動を続けると、筋肉で脂肪が燃やせるようになります。
5・50代にもおすすめの筋トレ「自重トレーニング」
トレーニングには「過負荷の原理」というルールがあり、強い負荷をかけたときにだけ筋肉は成長します。
ウォーキングやストレッチだけでは、筋肉は成長しません。筋肉に負荷を加える運動=「筋トレ」が必須です。
筋トレをすると脂肪が減る代わりに筋肉量が増えるので、体重が急激に減ることはありませんが、筋肉を増やすことで基礎代謝が上がります。
運動をしていないときや睡眠中にもエネルギーを消費し、太りにくい体を作ることができます。
筋トレはやり方を間違えるとケガにも繋がります。
50代からは器具を使わずに、自分の体重を負荷にして行う自重トレーニングが手軽でおすすめです。
基礎代謝を上げるためには、大きな筋肉を育てることが必要です。
大きな筋肉とは、お腹(腹直筋、腹斜筋)、背中(広背筋)、お尻(大臀筋)、太もも(大腿四頭筋&ハムストリング)を指しますが、特に下半身の「お尻(大臀筋)+太もも(大腿四頭筋&ハムストリング)」は全身の筋肉の約50%を占めるため、優先的に鍛えたい筋肉です。
そこで、おすすめのトレーニングはスクワットです。
けがをしないためにも、徐々に体を慣らして負荷を上げていきましょう。
自重トレーニングの効果を出すための5つの心得
① できる回数でいい、始めることが大切
② 週に3回、曜日を決めて習慣化する
③ 筋肉を意識して行う
④ 力を入れるときに息を吐き、抜くときに息を吸う
⑤ 筋肉痛こそ筋肉が作られるサイン
月・水・金は腹筋、火・木・土はスクワットと分けてもOKです。同じ部位を毎日トレーニングするとオーバーワークになり、疲労がたまってしまいます。
筋肉をつけるのにプロテインドリンクは必要か
筋トレというと、プロテインドリンクを思い浮かべる人もいるでしょう。
「当然ですが、何もしないでプロテインを摂取しても筋肉は大きくなりません。筋肉を動かしたあとに、アミノ酸をあげると筋肉が育つのです」
タンパク質は普段の食事で摂ったほうが満足感があるため、プロテインドリンクは補助的なものと考えましょう。
6・50代からのダイエットに効果的な食事法
わたしたちは糖質(炭水化物)、脂質、タンパク質の3つの栄養素をエネルギー源としています。 これらの摂取比率を考えて、食事を摂ると健康的に痩せることができます。
①毎食タンパク質を摂る
50代以降で不足しがちになるのが、筋肉の材料となるタンパク質。
筋肉は24時間絶えず合成されるため、毎食摂る必要があります。
夕食でタンパク質が不足することはあまりありませんが、朝食や昼食はタンパク質が不足しがちです。
タンパク質が不足すると、筋肉の分解が始まるので、朝食もタンパク質を摂るように気をつけましょう。
筋肉を維持するためには、体重1kg当たりタンパク質1~1.2gが必要です。
体重が50kgであれば1日50~60gのタンパク質を、朝・昼・夜の3食に分けて摂ります。夕食は少し多めにするとよいでしょう。
②炭水化物は抜かない
空腹を感じるのは、胃の内壁から「グレリン」というホルモンが出るためです。つまり、満腹感を得るには、グレリンをいかに抑制するかが重要です。
炭水化物はグレリンの抑止力が最も高いため、炭水化物・脂質・タンパク質をバランスよく食べるのと、炭水化物を抜いて脂質やタンパク質ばかり食べるのとでは、炭水化物も食べたほうが満足感が高くなります。
医師の管理下での糖質制限は有効な場合がありますが、糖質は重要なエネルギー源です。制限し過ぎないようにしましょう。
ちなみに、運動をするとグレリンの分泌が抑制され、お腹が空いていても空腹を感じなくなります。
お腹が空いたら、軽い運動をすると食欲が抑えられます。
③脂質は控える
ダイエット中に控えたほうがよいのは、脂質を多く含む高脂肪食です。
なかでもケーキやクッキーなど、糖質と脂質が入っているものを食後に食べるのは、カロリー過多になりやすいため避けるのがベター。
食べるなら食事と食事の間、食間に食べるようにしましょう。
また、間食はケーキよりも和菓子や果物など脂質の少ないものがおすすめです。
④エネルギー比率は、炭水化物60% 脂質15% タンパク質25%
ストレスを溜めたり、ドカ食いをしないためにも、三食はきちんと摂るようにしましょう。
通常の食事バランスは、炭水化物60%、脂質20%、タンパク質20%が理想です。ただし、ダイエット中の場合は、理想の比率が少し変わります。
それぞれ1g当たりの熱産生量は、炭水化物4kcal、脂質9kcal、タンパク質4kcalです。
脂質は炭水化物やタンパク質の2倍以上のカロリーがあり、エネルギーに変換されにくいため、ダイエットをする際は脂質の割合を減らしてください。
炭水化物60%・脂肪15%・タンパク質25%の割合で献立を考えるようにします。
朝食・昼食・夕食、それぞれの食事ごとに、この比率でバランスよく摂取するのが理想です。
⑤摂取カロリーを見直す
食事制限により摂取カロリーを減らしすぎると、脂肪だけでなく筋肉まで落とすことになります。
筋肉が減ると代謝が低くなり、痩せにくく、太りやすくなります。
そのため、適切な食事量を摂ることが大切です。あまり動いていないのにカロリーを摂りすぎていないか、極端に減らしすぎていないかを見直してみましょう。
厚生労働省が発表している推定エネルギー必要量は、「基礎代謝量✕身体活動レベル」で求めることができます。
※50~69歳の女性で参照体重53.0㎏の基礎代謝量は1,110kcal
・身体活動レベルⅠ(生活の大部分が座位で、静的な活動が中心の場合)の推定エネルギー必要量は1,650kcal
・身体活動レベルⅡ(座位中心の仕事だが、職場内での移動や立位での作業・接客等、あるいは通勤・買物・家事、軽いスポーツ等のいずれかを含む場合)の推定エネルギー必要量は1,925kcal
・身体活動レベルⅢ(移動や立位の多い仕事への従事者。あるいは、スポーツなど余暇における活発な運動習慣をもっている場合)の推定エネルギー必要量は2,200kcal
>>推定エネルギー必要量を計算するための日本医師会のサイト
7・50代からのダイエット方法のまとめ
〇毎日1時間のウォーキング(有酸素運動)
〇週3日の筋トレ(無酸素運動)
〇炭水化物は抜かない!
〇タンパク質は多めに
〇脂質は控えめに
〇おやつは食間に。夜のデザートは厳禁!
すべて基本的なことですが、できているでしょうか。
ダイエットに近道はありません。
糖質制限や断食などにより1週間で体重が減るのは、体内の水分が減っただけです。
50代からは、きちんと動いて、きちんと食べて、賢いダイエットをしましょう!
スポンサーリンク