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膝痛への保存的治療

 
この記事を書いている人 - WRITER -
1974年生まれ。2000年三重大学医学部卒業。三重県松阪市で内科クリニックを10年前からしています。診療所に併設して有料老人ホーム、認知症対応型グループホームもあり、自宅生活の方も含め在宅医療も行っています。 また、インスタグラムでフォロワー1万人超のアカウントを2つ運営するインスタグラマーでもあります。 地域のかかりつけ医として気軽になんでも相談してください。医療と介護の両面から一緒に考えます。
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最新の変形性膝関節症の治療

昨夜医師会の勉強会で聞いた話は「最新の変形性膝関節症の治療」という内容です。

内科医の私にとっては「最新の」治療である最新の手術療法の話は難しかったです。

しかし保存的治療は今も昔も運動・ヒアルロン酸の関節内注入・痛み止め(NSAIDs)、消炎鎮痛処置です。

よく膝の痛みに効くというサプリメントも宣伝されていますが、効くかどうかは分かっていません。

院長
もし有効ならとっくに薬として医師が処方するようになっています。

 

変形性膝関節症の運動の効果

運動することにより筋力が維持されたり、痛みが和らげられたりして、日常の動作ができるようになります。

また運動による体重減少は膝への負担を減らすことに繋がります。

 

有酸素運動は心肺能力を高めることで運動を続ける時間を伸ばせます。

運動量は無理をするとかえって膝を痛めることになるので医師や(リハビリに通っている場合は)セラピストさんと相談して決めるのが良いでしょう。

 

ヒアルロン酸の関節内注射

ヒアルロン酸の関節内注射は、関節がスムーズに動くための潤滑液の働きをしているヒアルロン酸を関節内に入れることで関節の保護に繋がります。

よく「飲むヒアルロン酸」がサプリで宣伝されていますが、ヒアルロン酸を飲んでも関節内へは吸収されて届くことはありません

 

変形性膝関節症に使う痛み止めの分類

痛み止めの薬剤としては3つに分かれます。

①内服薬、②外用薬、③関節内注入薬です。

  • 内服薬非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs・ロキソニンが有名です)
  • 熱鎮痛薬(アセトアミノフェン)
  • デュロキセチン(抗うつ薬ですが、痛みを抑える神経伝達物質を増やす効果があります)
  • トラマドール(弱オピオイドで麻薬に近い成分です)

外用薬軟膏やクリーム、湿布、経皮吸収型の弱オピオイド(ププレノフィン)などがあります。

最近は変形性関節症にのみ適用がある強い鎮痛効果の湿布(エスフルルビプロフェン:ロコアテープ)も処方できるようになりました。

 

関節内注入薬の痛み止めは、関節の炎症が強い時にステロイドを使うことがあります。

使いすぎるとステロイド性関節症(ステロイドの副作用で誘発された軟骨の損傷や骨粗鬆症による膝関節症です。)を引き起こします。

昨日の話では一関節で3か月以上の間隔を空けて3回までにしておくのがよいとのことでした。

関節内ステロイド注入はドクターショッピングをしてあちこちの先生にかかると、これまでの投与履歴が分からない状態での投与となることが多くなります。

転居などでやむを得ず医師を変えることになる場合は必ず紹介状を作成してもらい、これまでの治療履歴を次の医師に伝えてください。

 

当院では変形性膝関節症に対し診断はレントゲン・エコーでの評価をします

運動療法はデイケアセンターでのリハビリテーション、内服薬・外用薬を患者さんの持病や年齢、(特に高齢者では)認知機能にも配慮した上でリハビリ処方を行っています。

関節内注射は手技として出来ないわけではありませんが、関節内注射を必要とする時点でかなり進行しているはずですので整形外科への受診を勧めています。

 

エスフルルビプロフェン(ロコアテープ)

 

ププレノフィン(ノルスパンテープ)

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