【家庭でできる窒息対策】餅を詰まらせた時にできること
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こんにちは!
三重県松阪市の医療と介護の専門家、
西井医院の院長( @nishii.hospital)です。
明けましておめでとうございます。
今年も新年早々から「高齢者が餅を詰まらせて窒息死」というニュースを何件も報道されました。
喉に餅が詰まったら「吸引フラットノズル」か「レスキューポンプ」
色々な方法がweb上には載っていますが、いずれも素人が急に行うのは気が動転して難しいことが多いです。
私のおススメは掃除機に専用の吸引器具を装着して回収する方法です。
高齢者のいる家庭では保険として1本買っておいてもいいかと思います。
介護施設などではこちらの製品は掃除機を出す必要もなく、手動でできます。
価格が少し高いのが欠点ですが…。
なぜ子供や高齢者は餅を詰まらせやすいか
人間の口は「飲食物を食道から胃」「空気を気管から肺(気道)」に送る共通の入口となっています。
健康な成人は喉頭蓋(こうとうがい)というふたの役割を果たす部位が2つのルートを混ざらないようにしています。
しかしながら、特に高齢者は喉頭蓋の反射が弱く、気道に食物を迷入(誤嚥)させて窒息しやすいです。
吸引フラットノズル以外の異物除去方法
1.咳をさせる
意識があるようならば咳をするように促します。
強制的に咳をすることでポロッと異物が取れることがあります。
2.背部叩打(こうだ)法
うつむき加減にした患者の背中を勢いよくバンバン叩きます。
青アザが残るぐらい叩くほうが、異物が取れやすいです。
3.腹部突き上げ法(ハイムリッヒ法)
患者の背中側に立って、お腹あたりで両手を廻し、利き手をグーにして拳の親指側を「へその上→みぞおち」にスライドさせます。
下からの圧力で異物がポンと取れるように行います。
4.直接取る
患者を仰向けにして、高めの枕を入れると喉の奥が見えやてくなります。
舌が邪魔ならば、大きなスプーンを用いて(右利きの場合)左手で左上方に圧排して、右手で箸やトングを持って操作します。
喉の奥がよく見えない場合には、助手役の人にスマホのバッテリーライトなどで照らしてもらうと見やすくなります。
5.心臓マッサージ
窒息が解除されず、患者の顔色は悪く、意識も遠のいてきた場合は心臓マッサージが必要です。
心臓マッサージをしながら、救急車を別の人に呼んでもらうように依頼しましょう。
最後に
誤嚥対策の王道は応急処置よりも「高齢者の食材は小さく切る」 「寝転がって物を食べない」 「早食い・大食いなど食物で遊ぶのは厳禁」などの予防が重要です。
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