汗かきを漢方で改善!多汗症には補中益気湯、防己黄耆湯、黄耆建中湯
スポンサーリンク
こんにちは!
三重県松阪市の医療と介護の専門家、
西井医院の院長( @nishii.hospital)です。
いよいよ夏本番となり、汗をかくことが増えていきます。
汗をかくことを程度があり、汗をかきすぎて、日常生活に支障を来すことがあります。
具体的には、
- 汗の量が多くて衣服に汗じみができる。
- わきの汗がしみ出して洋服や制服がすぐに濡れる。
- 1日に何回も着替えが必要……。
そうなると「多汗症」という病名がつきます。
今回は多汗症の分類と漢方による治療法について解説です。
多汗症とは
多汗症には全身に汗が増加する全身性多汗症と体の一部に汗が増える局所多汗症があります。
全身性多汗症には特に原因のない原発性と感染症、内分泌代謝異常や神経疾患に合併するものがあります。
局所多汗症も原因のわからない原発性と外傷や腫瘍などの神経障害による局所性多汗症があります。
原発性局所多汗症では手のひら、足のうらや脇という限局した部位から両側に過剰な発汗を認める疾患です。
多汗症の原因
ストレス・緊張・不安による多汗症(発汗恐怖症)
精神的要因による多汗症は、精神的な問題により恐怖を覚えて発汗します。
そのため「発汗恐怖症」とも言われています。
ストレスや緊張、不安を感じると、交感神経が優位になります。
そうなると汗腺の働きが活発になります。
そのため、交感神経が敏感な方ほど、多汗症になりやすいといわれています。
病気による多汗症
代謝異常や内分泌異常、循環器や中枢神経の病気を患っていると、多汗症になる場合があります。
甲状腺機能亢進症(バセドー病)、褐色細胞腫、糖尿病、末端肥大症、急性リウマチ、生殖器障害、糖尿病、結核など
これらの病気が原因の場合、局所性多汗症になることは稀です。
多くの場合は全身性多汗症になります。
ホルモンバランスの乱れによる多汗症
多汗症の原因には、ホルモンバランスの乱れもあります。
ホルモンの分泌は、脳の視床下部でコントロールされています。
交感神経も同時にコントロールされているので、ホルモンバランスが乱れると、交感神経のバランスも乱れて多汗症となります。
特に女性は、月経や妊娠、更年期による影響を受けやすいと考えられます。
食生活の乱れによる多汗症
辛いものや熱いものを食べると汗をかきます。
これ自体は正常ですが、過剰になると味覚性多汗症になります。
また肥満の方は、多汗症になりやすいので、バランスのとれた食生活を心掛けましょう。
たばこやコーヒーには、ニコチンやカフェイン等の中枢神経を興奮させる物質が多く含まれています。
過剰に摂取すると発汗が促されます。
豆類は発汗を抑制し、汗をさらさらにする効果があります。
大豆、納豆、豆腐などを積極的にとりましょう。
漢方薬で多汗症治療
発汗を抑制する止汗作用がある主薬は黄耆(おうぎ)という成分です。
そのため、多汗症には黄耆を主薬とした漢方薬が用いられることが多く、補中益気湯、黄耆建中湯、桂枝加黄耆湯、防已黄耆湯が用いられます。
補中益気湯
日頃から疲労感が強く、弱弱しさのある方向けです。
皮膚の温度調節機能が低下して、汗をコントロールできない方向けです。
汗をかく部位だけアトピーがひどくなる、といった場合にも効果が期待できます。
夏バテで食欲が低下している時にも効果的です。
防己黄耆湯
疲れやすく、汗のかきやすい傾向がある人の肥満に伴う関節の腫れや痛み、むくみ、多汗症、肥満症(水ぶとり)に効果があります。
実は市販薬のコッコアポL錠も防己黄耆湯です。イメージとして暑がりの寒がり、中年水肥り女性のイメージです。[/speech_buble]
黄耆建中湯
虚弱体質で、太れず痩せ細っていて汗をかくというような人向けです。
乳児アトピー性皮膚炎にも皮膚科では使用します。
最後に
今回は全身性多汗症の分類と漢方治療について解説しました。
局所性多汗症は皮膚科での治療となるため、今回は解説しておりません。
汗かきで困っていて、漢方治療に興味のある方はご相談下さい。
Instagramでも書いてます
スポンサーリンク