COPD(慢性閉塞性肺疾患)を知ってますか?COPDの症状と検査
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こんにちは!
三重県松阪市の医療と介護の専門家、西井医院の院長( @nishii.hospital)です。
私は元々は呼吸器内科をしていたのですが、このブログで呼吸器疾患のカテゴリーで書いたのはたったの8つしかありませんでした。(2019.1.7現在)
今年は原点に返り呼吸器疾患も多く取り上げようと思います。
今回はCOPD(シーオーピーディー:慢性閉塞性肺疾患)の症状と検査についてです。
COPD(慢性閉塞性肺疾患)という言葉を聞いたことがありますか?
2011年の調査ではCOPDという言葉の認知度は25%でした。
健康日本21 (第2次) プランでは、COPDの認知度を2022年には80% に引き上げることを目標としています。
最近では故桂歌丸師匠が酸素チューブをつけて高座に上がった姿がテレビに映っていたのでCOPDを知った人も多いかもしれません。
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COPDとはどんな病気か
COPDは汚れた空気を長期間吸い込むことが原因で肺に炎症が起き、呼吸がしにくくなる病気です。
日本ではほとんどがタバコが原因です。
大気汚染のひどい国ではPM2.5などの吸入によっても発症します。
喫煙者の肺は上の写真でもわかるように真っ黒になっています。
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COPDの症状
COPDの早期は自覚症状が乏しいです。
進行してくると
- 階段の上り下りなど体を動かしたときに息切れを感じる。
- 風邪でもないのにせきやたんが続いたりする。
- 喘鳴(ぜいめい)がある。呼吸のたびにゼーゼー、ヒューヒューがある。
ありふれた症状であり、風邪の治りが悪いとか年のせいといった自己判断により発見が遅れることもよくあります。
更に COPDが進行すると少し動いただけでも息切れし、日常生活もままならなくなります。
さらに進行すると呼吸不全や心不全を起こして命に関わります。
また、肺だけでなく全身に悪影響をおよぼし、全身性炎症、心・血管疾患、骨粗鬆症、糖尿病などを併発しやすくなります。
特に40歳以上の方で、喫煙歴のある方は要注意です。
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COPDを発見するための検査
呼吸機能検査(スパイロメトリー)
スパイロメーターという器械を使って測定します。
この機械にマウスピースを取り付けて、鼻をクリップで閉じ、空気が漏れないようにします。
そして指示に従った呼吸をします。
実際に呼吸機能検査の流れを動画で見てみましょう。
この検査ではCOPDの早期から発見することができます。
息を最大限に大きく吸った状態から1秒間に吐き出せる息の量(FEV1:1秒量)が吐き出せた全容量(FVC:努力肺活量)の70%以下であり、ほかに肺の病気がない場合にCOPDと診断されます。
胸部レントゲン
胸部レントゲンだけではCOPDを確定診断はできません。
喫煙歴等を加味してレントゲンを見ると恐らくCOPDになっているということが分かる程度で重症度も分かりません。
- COPDになると肺が過膨張して横隔膜が下へ押し下げられた
- 中心にある心臓が過膨張した肺で押されて細くなってる
といった点が読影のポイントです。
胸部CT
レントゲンでは分からない早期の異常も発見できます。
肺胞が溶けて黒くぬけて見えます。黒くぬけた部分が多いほど重症です。
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まとめ
- COPDの症状は「階段の上り下りなど体を動かしたときに息切れを感じる」、「せきやたんが続いたりする」といった症状なので自覚が乏しい。
- 早期発見にはスパイロメトリーや胸部CT検査が必要。
- (日本では)タバコが原因なのでまずは禁煙が一番大切。
- 40歳以上でタバコを吸っているなら一度は検査を受けましょう。
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