春のメンタル不調に使う漢方薬の使い分け5選
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今日から3月です。
暖かくなり、いよいよ春到来という感じです。
何となく心も身体もウキウキします。
私も早速梅を見に行ってきました。
ところで春に起こりやすい病気はアレルギー性鼻炎だけではありません。
メンタル不調も春は意外と多いです。
私は開業前の最後に精神科病院の内科医として働いていました。
内科疾患を合併している精神疾患の方を診るため精神科病棟から病棟へと渡り歩くと色々な入院中の方と遭遇します。
ただ、春が近づくと患者さん達がソワソワし落ち着かない(治療する側からいうと不安定になっている)状態を専門外の私でも感じることがありました。
春にメンタル不調になりやすいわけ
春は寒暖差が激しく、汗ばむような日もあれば、真冬のような寒い日もあり、気温の急な変化により自律神経の働きが乱れがちです。
自律神経が乱れると、心と体の両方に不調が現れます。
主な症状は、「イライラ」「憂鬱感」「不安感」「倦怠感」「やる気が起きない」といった精神的なものから、「手足の冷え」「体のだるさ」「不眠」「頭痛」などの身体的なものまで様々です。
漢方では肝の不調という状態になります(肝臓の不調という意味ではありません)。
漢方での「肝」は血液の貯蔵、消化機能の促進、精神的な安定などの役割を担っており、これが不調となると上記の症状となったりします。
メンタル不調に使う漢方薬の一例
重症の方は精神科や心療内科での診察が必要ですが、私がよく使う漢方薬にはメンタル不調時に使うものもいくつかあります。
抑肝散(ヨクカンサン)
体力は中程度で、怒りっぽい、興奮しやすい、イライラするなどの症状のある人に用いられます。
抑肝散加陳皮半夏(ヨクカンサンカチンピハンゲ)
「抑肝散(ヨクカンサン)」と同じような症状で、抑肝散より体力が低下し胃腸虚弱の人向けの処方です。
桂枝加竜骨牡蛎湯(ケイシカリュウコツボレイトウ)
神経の高ぶりを鎮め、不安を取り除いて気力をつけ、不安定な精神を落ち着かせます。
加味逍遥散(カミショウヨウサン)
“産婦人科の三大漢方薬”のひとつです。
月経異常や更年期障害など、女性特有の症状によく用いられます。
体力があまりない人で、肩がこる、めまいや頭痛がするなどのほか、のぼせや発汗、イライラ、不安など、不定愁訴といわれる多様な心身の不調に広く用いられます。
半夏厚朴湯(ハンゲコウボクトウ)
体力が中程度の人の不安神経症、不安感などに使われます。
気分がふさいでのどに異物がへばりついたような違和感があるときに使用します。
いずれも第2類医薬品としても販売されているためネット通販などでも(医療用よりは一回分が少ないですが)購入できます。
但し即効性がある薬ではないので、続けて服用することでメンタル不調を改善していきます。
自己判断ではなくできれば医師又は薬剤師と相談し、自分の体質及び不調の状態に応じたものを使うことが望ましいです。
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