【医師が解説】骨粗しょう症検診と骨密度の測定方法について
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前回は骨粗鬆症(こつそしょうしょう)予防の年代別Q&Aでした。
今回は各年代に共通した骨粗鬆症検査のよくある質問に答えます。
Q1:骨粗鬆症の検診はどこで何歳から受診ができますか?
A. まず、近くの保健センターや保健所に問い合わせてみましょう。
市区町村が発行する広報誌にもお知らせが載っています。(※検診を行っている場合)
現在国が行っている公的な検診は、18歳から39歳までの女性を対象にした「女性の健康づくり推進事業」の一環としているものがあります。
また、各自治体では40歳、50歳、55歳、60歳、65歳、70歳の女性を対象にした節目検診があります。
これらはいずれも保健センターや保健所、指定医療機関で受けることができます。
自治体により対象者は異なることもありますし、料金もさまざまなので、詳細は自分の住んでいる自治体に確認してください。
また、民間の医療機関でも、整形外科、内科、産婦人科等で骨量測定をしているところがあります。
当院でも骨量測定検査を行っています。
45歳を超えたら骨粗鬆症検診を受けましょう
女性は、45歳くらいから骨量が減少し始めます。
閉経後は原則として1年に1回ずつ測定するとよいと思います。
1年に3%以上の骨量減少がある時は、医師の診察を受けて、必要なら治療を始めます。
骨量は20代から40代前半まではあまり変化しません。
できれば、その間に一度骨量測定をして、自分の若い時の骨量を知っておくと、更年期以降になってから役に立ちます。
Q2:検診する医療機関は毎回変えても大丈夫ですか?
A. 骨量は測定する部位や機器により違いが出ます。
比較するためには同じ部位を同じ機器で測る必要があります。
よって検診医療機関を毎回変えると比較ができなくなります。
骨量は同じ人でも部位によって異なります
かかとの骨量は、足に負荷のかかるスポーツ(バレーボールやバスケットボールなど)を行っている人は高くなります。
一方、手は運動などの影響を受けにくい部位です。
骨密度は、若い人(20~44歳)の平均値と比べてどれくらい減っているかを計算した「%YAM」(YAM=Young Adult Mean)で示されます。
例えば「YAM80%」は「骨密度が若い人の平均の80%」という意味です。
骨粗鬆検診と精密検査の違い
精密検査では、より正確な結果を得るために骨粗鬆症で骨折しやすい部位(背骨や足の付け根)の骨量を測定します。
この方法では大型の機械が必要となります。
検診では簡便に測れるかかとや腕、手での測定法が広く用いられています。
まとめ
- 若い時から骨粗鬆症検診を受けて自分の骨密度を知っておくことは大切です。
- 骨密度を測定する医療機関は比較するためにも一つの医療機関で受け続けましょう。
- 骨密度を測る方法は簡易式のものと精密検査の2つがあります。
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