5月になっても花粉症が続く。それは通年性アレルギー性鼻炎かも?
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こんにちは!
三重県松阪市の医療と介護の専門家、
西井医院の院長( @nishii.hospital)です。
長い10連休のGWも終わりました。
GWと同じ頃に終わるのがヒノキによる「花粉症」です。
ドラッグストアの店頭からも花粉症グッズが消えていきます。
花粉症のシーズンが終わっても鼻炎などの症状がある人がいます。
その原因と治療について解説です。
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スギ・ヒノキ花粉だけが花粉症ではない
花粉症を生じる花粉は実は年がら年中飛んでます。
花粉カレンダー
出典:http://asgen.co.jp/mas/aid2.html
花粉カレンダーを見てもわかるように、花粉症を来す可能性がある植物は色々あります。
アレルゲンとなる花粉が飛ばなくなると症状が無い場合
花粉が無くなると同時に花粉症状も消失するのは季節性アレルギー性鼻炎です。
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花粉以外でもアレルギー性鼻炎を生じます
花粉以外で1年中鼻炎症状がでることを通年性アレルギー性鼻炎といいます。
通年性アレルギー性鼻炎では、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどのアレルギー症状が、季節を問わずあらわれます。
通年性アレルギー性鼻炎の主な原因(アレルゲン)は、ダニ、真菌(カビ)、昆虫、ペットの毛などがあります。
鼻の症状だけでなく、目のかゆみや涙目をともなうこともあります。
アレルギー性鼻炎の原因物質を調べるには
治療はアレルゲンを特定することから始まります。
そのために、血液検査(特異IgE抗体の同定)や皮膚テスト(主にプリックテスト)などの検査を行います。
血液検査(特異IgE抗体の同定)採血により検査します。
各アレルゲンの特異的IgE抗体を測定します。
結果は下図のように現わされます。
皮膚プリックテスト方法はプリック針でアレルゲンを少量皮膚に入れ、15分後に出現した膨疹径を測定します。
出典:日本アレルギー学会
血液検査(特異IgE抗体)が陽性≠アレルギー症状がある
必ずしも血液検査で陽性だからといってアレルギー症状が出るわけではありません。
花粉については、特定の花粉のIgEが陽性の場合、他の花粉との交差抗原性のために陽性となっており、検査の結果と症状の関係が薄い場合もあります。
症状の発現と当該の花粉の飛散時期に一致しているかどうかが大切です。
逆にペットアレルゲンの場合、クラス1と非常に低い抗体価でも症状が出現することがあります。
抗体価が低いから大丈夫とはいえません。
また自分自身がペットを飼っていなくても、ペットを飼っている友人宅で大発作を起こすケースがあります。
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通年性アレルギー性鼻炎の治療
薬物療法
季節性アレルギー性鼻炎と特に変わりません。
薬物療法の特徴
- アレルギーの原因(アレルゲン)を問わずに治療できます。
- 症状のある部位(鼻や眼)に合わせて薬が選択できます。
- 効き目が早くあらわれます。
アレルゲン免疫療法(舌下免疫療法)
原因がダニと判断した場合、舌下免疫療法も選択肢に入ります。
アレルギーの原因であるアレルゲンを少量から投与することで、体をアレルゲンに慣らし、長期にわたって症状をおさえたり、症状をやわらげたりできます。
アレルゲン免疫療法の特徴
- アレルギーの原因であるアレルゲンのエキスを用いて治療を行います。
- 根本的な体質改善が期待できます。
但し、最低でも3年以上は毎日アレルゲンのエキスを服用しなければいけません。
また、舌下免疫療法をできる医療機関は限られています。(舌下免疫療法が相談できる医療機関のサイト)
アレルゲン(アレルギーの原因物質)を近づけない
実はこれが一番大切です。
通年性アレルギー性鼻炎ではハウスダスト(家のホコリ)、ダニの死がい、ペットが原因となります。
どんな薬や治療よりもまずはこまめな部屋の掃除や寝具の掃除、ペットを近づけないといった対策が必要です。
可哀そうな例ではトリマーの学校に行っていて、ペットアレルギーを発症した人がいました。その後はどうしたのか気になります。
まとめ
- スギ・ヒノキ花粉だけが花粉症を生じるわけではない。
- 季節性アレルギー性鼻炎では、花粉が消えると症状も消える。
- 通年性アレルギー性鼻炎では、ハウスダスト、ダニ、ペットなどが原因となる。
- 血液検査だけで診断はできない。
- ダニが原因の場合は舌下免疫療法が可能。
- アレルゲンを近づけないようにすることが大切。
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