花粉症が仕事や学習に及ぼす影響と医療機関で行う花粉症治療
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こんにちは!
三重県松阪市の医療と介護の専門家、
西井医院の院長( @nishii.hospital)です。
そろそろ、製薬会社から抗アレルギー薬のパンフレットをもらうようになる季節です。
最新の抗アレルギー内服薬は以前ブログで紹介しました。
今回は花粉症が学習や仕事へ及ぼす影響を調べ、医療機関でできる対策を書いてみました。
花粉症がどの程度仕事や学習に影響を及ぼすか
ウェザーニュースによると8割以上の人が仕事や勉強に悪影響を受けたと感じています。
中でも30%低下したと感じる方の割合が最も多い結果となっています。
花粉症のどんな症状が能率の低下を引き起こすか
鼻水・鼻閉、眼の痒み・充血、くしゃみが能力を低下させる3大原因です。
五感を鈍らせる症状が能力を低下させやすいことが分かります。
花粉症で日常生活や仕事などで困っていることは
1位は「仕事や家事に集中できない」です。
花粉症の症状は「鼻水・鼻づまり」「くしゃみ」→「睡眠不足」「口呼吸で喉の痛み」→「疲労蓄積」→「集中力欠如」など、症状が連鎖して「負のスパイラル」に陥るケースも少なくありません。
症状は辛いのに医療機関を受診する人は多くない
市販薬や民間療法で対処している人が6割以上もいます。
医療機関を受診を受診しない理由として考えられるのは、
- 医療費がかかる
- 鼻炎薬を飲むと眠くなるので集中力がなくなる
- 仕事上車を運転するので、薬を飲めない
- 忙しくて通院できない
医療機関で花粉症を治療するメリット
- 市販薬では売っていない強力なものが使える
- 眠気が無く、運転も許可されておりかつ一日1回の服用で済む便利な新製品がある
- 舌下免疫療法で根本的に治療する
といったところが医療機関で治療するメリットです。
医療機関で行う花粉症治療
先ほど、最新の抗アレルギー薬については他の記事を紹介したので、医療機関でできるその他の治療についてです。
治療法①:ステロイド点鼻薬
最近のステロイド点鼻薬は1日1回の使用で効く製品があります。
ステロイド点鼻薬は鼻炎症状のうち、鼻汁が主症状の方に向いています。
局所に作用するのでステロイドの全身への副作用はほとんどありません。
- 『アラミスト』は、鼻だけでなく、眼の症状にも効果が期待できます。2歳以上で使用できます。
- 『ナゾネックス』は、全身作用が最も少ないため、長く使う場合に適しています。3歳以上で使用できます。
- 『エリザス』は、添加物が入っていないため刺激が少なく、鼻の粘膜が過敏な状態でも問題なく使えます。また、粉末の薬なので液垂れの心配もありません。16歳以上で使用可能です。
治療法②:抗ロイコトリエン薬
抗ロイコトリエン薬は鼻閉症状が強い方に向きますが、欠点は速効性が無いことです。
服用開始から効きはじめるのに10日前後かかります。出来れば飛散前に服用開始しておく方がよいです。
市販薬はありませんが、既にジェネリック医薬品が出ており薬価も比較的安くなったのも魅力です。
治療法③:漢方薬
小青竜湯や麻黄湯は即効性があります。
とりあえず鼻汁・鼻閉がひどくて止めたい時には有効です。
但し2~3時間しか効かないのと、使いすぎると麻黄含有製剤のため動悸などの症状が現れやすく、必ず指示に従って使いましょう。
治療法④:舌下免疫療法
一部の専門医でしか実施できません。舌下免疫療法の専門サイトはこちらです。
花粉症のシーズンの半年ほど前から治療を始める必要があります。
治療を始めると2~5年は毎日薬の服用が必要です。
上手くいけばスギ花粉による花粉症状は出なくなりますが、治療終了後再発する人もいます。
あくまでもスギ花粉症にしか効きません。
西日本ではスギの後にヒノキ花粉が飛び出します。
ヒノキはスギの花粉と似ており、スギ花粉症の方はヒノキ花粉症も併発することが多いです。
しかしスギ用の舌下免疫療法薬しかないのでヒノキ花粉症には効かない方が多いです。
東日本以北ではヒノキが無いので有効かと思います。
まとめ
市販の抗アレルギー薬を服用するとどうしても眠くなるという方や市販薬だけではどうにも鼻炎症状がよくならない方は無理をせず、医療機関の受診をお勧めします。
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