効率的に鉄を摂るならヘム鉄サプリがお勧め!【本当は怖い鉄不足】
スポンサーリンク
こんにちは!
三重県松阪市の医療と介護の専門家、
西井医院の院長( @nishii.hospital)です。
以前のブログで『鉄欠乏性貧血は女子力の大敵! 貧血改善で女子力アップ!』というタイトルで鉄欠乏性貧血と美容の関係について解説しました。
今回は鉄欠乏性貧血の治療の際に必要な鉄のお話です。
鉄欠乏性貧血はなぜ起こるか
身体の鉄の需要と供給のバランスが悪くなり、需要があっても鉄の供給ができない状態のためにヘモグロビンの産生に必要な鉄が不足して起こります。
ヘモグロビンとは
- ヘモグロビンは赤血球の中に含まれ、酸素を運搬する働きをしています。
- ヘモグロビンの成分である鉄が不足したり、作る能力が低下したりすると、ヘモグロビンは低下し、貧血となります。
- 一般に、ヘモグロビンの増加は赤血球の増加に伴ってみられます。
鉄不足の原因は鉄の吸収が悪いタイプと鉄の摂取量自体が少ないタイプの二つがありますが、圧倒的に若い女性に多いのは鉄の摂取量が少ないタイプです。
若い女性が鉄不足になる原因
月経で血液が出血するため
ダイエット目的で肉をあまり食べず野菜を多くとる
高校生の女子はおそらく10%ぐらいが鉄欠乏性貧血だといわれています。
乳幼児での鉄不足は落ち着きがない子になる
乳幼児期の段階で鉄不足になると落ち着きがない子になるといわれています。
原因は脳の色々な細胞の活性化や神経を作るところに色々な酵素があります。
その酵素に鉄が必要であったり、あるいは酵素活性に対して鉄が必要となります。
そのため鉄不足が乳幼児期にあると、脳の色々な細胞の活性化や神経を作るのに支障が生じます。
鉄欠乏状態は記憶力も低下させる
鉄欠乏性貧血の進み方は下記の様に進みます。
- 鉄不足
- 身体の貯蔵鉄が減る
- 血液中の鉄が減る
- 鉄と結合しているタンパク(トランスフェリン)が増える
- 貧血となる
鉄欠乏性貧血の手前の段階である、貧血のない鉄欠乏の状態で、思春期の女子に記憶力のテストをすると差がついたというデータが1996年に発表されています。
ヘム鉄と非ヘム鉄について
身体に入る鉄はその吸収率が大事です。
鉄分にはヘム鉄と非ヘム鉄の2種類があります。
ヘム鉄とは
主に動物に含まれている鉄です。
肉や赤身の魚に含まれています。
非常に吸収率がよく、およそ20~30%といわれています。
非ヘム鉄とは
ホウレンソウやコマツナなどの野菜に入っている鉄分です。
鉄分の吸収力が悪く、数%といわれています。
鉄分を効果的に摂取するには
非ヘム鉄はビタミンCと一緒に摂ることで吸収率は上がります。
(但し肉には負けます。)
レバーは鉄分が多いというイメージがあり、事実そのとおりで、吸収率も悪くないです。
ただ、レバーをたくさん食べるとコレステロール値が増えるので注意が必要です。
医薬品や鉄サプリメントについて
サプリメントや医薬品として摂取できる鉄も非ヘム鉄とヘム鉄由来のものとがあります。
医薬品などで使われているのはクエン酸第一鉄のような非ヘム鉄です。
サプリメントではヘム鉄が摂取できるものもあります。
医薬品では、鉄として1日に100mg〜200mgの摂取が推奨量です。
これは牛肉の赤身肉(鉄含有量2.7mg/100g)で換算すると約3.7kg〜約7.4kgもの量になります。
医薬品に用いられる非ヘム鉄は副作用として発疹、かゆみ、光線過敏症、吐き気、嘔吐、上腹部不快感、胸やけ、下痢、めまいなどが報告されています(フェロミア添付文書より)。
ヘム鉄過剰摂取の有害性
鉄欠乏性貧血の場合は、副作用の少ないヘム鉄の摂取を薦めます。
実際にヘム鉄を摂取するとフェリチン値は増加します。
しかしヘム鉄といえども体内で分解されて、フェリチンに取り込まれる際にヒドロキシラジカルが発生し、酸化ストレスを生じ、細胞障害を引き起こすともいわれています。
過剰摂取による副作用が気になります。
ヒドロキシラジカルとは活性酸素の中でも特に高い反応性を有します。生体内における寿命は短いですが、酸化力が非常に強く、脂質の連鎖的な酸化を引き起こすことが知られています。
鉄を補充する際は、フェリチン値を測定したうえで摂取することが重要
生体内の鉄量は厳密にコントロールされています。
肝臓で生合成されるペプチドホルモンであるヘプシジン(hepcidin)が血中鉄イオン濃度を低くなるように調整しています。
肝臓の機能が弱った状態ではヘプシジンの産生が低下し、血中鉄イオン濃度は高くなり、酸化ストレスが生じやすくなる可能性があります。
ヘム鉄の多量摂取をすると
- 2型糖尿病のリスクが増加する(Diabetes Care 29,1370,2006;Am J Clin Nutr 79,70,2004)
- 貯蔵鉄の増加も2型糖尿病リスク増加と関連する(JAMA 291,711,2004)
- 血清フェリチン値は内臓脂肪や皮下脂肪量と相関する(Diabetes Care 28,2486,2005)
といった結果が出ています。
フェリチン値は鉄欠乏性貧血のマーカーですが、数値が高い場合は酸化ストレスや糖尿病、メタボリックシンドロームのマーカーにもなります。
ヘム鉄であっても適量以上の大量摂取は避け、鉄をサプリメント等で補充する際は、フェリチン値を測定したうえで摂取することが重要です。
フェリチンの正常値
性別と年齢ごとの血中フェリチン濃度の正常範囲
- 成人男性 : 18-270 ng/mL
- 成人女性 : 18-160 ng/mL
- 子供 (6カ月から15 才) : 7-140 ng/mL
- 幼児 (1-5カ月) : 50-200 ng/mL
- 新生児(28日以内): 25-200 ng/mL
もともと日本人のフェリチン量は少ないので正常値が低くなっています。
少なくとも100ng/mLはあって欲しいです。
お勧めするヘム鉄サプリメント
当院ではヘルシーパス社製のヘム鉄サプリメントをお勧めしています。
1日2~4カプセルを目安を服用です。
なぜ、ヘルシーパス社製をお勧めするかというと「年齢に負けないサプリメント外来」でも詳しくは説明していますが、抗生物質や残留農薬などが検出されない安全な原料を使用したサプリメントであり、医師として安心して処方することができるからです。
ヘルシーパス社製のサプリメントは医療機関でのみ用いられている実績のある信頼のサプリメントです。
インターネット上や店舗での販売は一切なされていないため、取扱い医療機関でしか購入できません。
まとめ
- 若い女性に鉄欠乏性貧血が多い。
- 鉄不足は記憶力低下を来す。
- 非ヘム鉄は吸収が悪い。
- ヘム鉄は吸収がよいが、摂り過ぎると糖尿病などのリスクが生じる。
- ヘム鉄サプリメントを使用する時は医師の指導のもとに使うのが安全。
スポンサーリンク