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脂肪肝の原因と検査と食事療法 放置すると肝がんになることも!

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1974年生まれ。2000年三重大学医学部卒業。三重県松阪市で内科クリニックを10年前からしています。また診療所に併設して有料老人ホーム、認知症対応型グループホームもあり、自宅生活の方も含め在宅医療も行っています。 地域のかかりつけ医として気軽になんでも相談してください。医療と介護の両面から一緒に考えます。
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「脂肪肝」というとどんなイメージでしょうか?

・お酒を飲みすぎた人がなるもの

・放っておいても大丈夫な病気

・肥満の人がなるもの

といったイメージがあるかと思います。

 

脂肪肝とは

簡単に言うと肝臓に中性脂肪が異常に蓄積した状態です。

原因は飲酒や肥満、栄養過多、糖尿病などがありますが、大きく分けると飲酒が原因のものとそうでないものに分けられます

脂肪肝は大抵は経過観察で大丈夫です。

しかし、なかには肝炎→肝硬変→肝細胞がんへと移行することもあります

 

飲酒で脂肪肝になる理由

アルコールが分解する時、中性脂肪が合成されやすくなるからです。

この場合の食事療法は禁酒指導です。

言うのは簡単ですが、アルコール性肝障害になっている人の中にはアルコール依存症の人もおり、この場合は精神科と連携が必要です。

 

飲酒が原因でない脂肪肝

今回は飲酒が原因でない脂肪肝の原因と食事療法についてです。

日本人の脂肪肝の原因で多いのは、飲み過ぎではなく、食べ過ぎによるものです。

これを非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD:ナッフルディー)と呼びます。

 

非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)は2つの種類があります

1.症状が軽く改善しやすい単純性脂肪肝(NAFL:ナッフル)

2. 重症タイプの非アルコール性脂肪肝炎(NASH:ナッシュ)

の2種類があります。

NASHは放置すると肝臓が炎症して線維化が進みます。

線維化した肝臓は固くなり、機能が低下します。

そして肝硬変、肝細胞がんへと進行することが知られています。

また、NAFLもNASHに進行することがあります。

日本肝臓学会編『NASH・NAFLDの診療ガイド』より

 

脂肪肝の自覚症状

元々肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれることもあり、悪くならない限り症状が乏しいです。

あえて脂肪肝の症状を挙げると、脂肪肝になるといわゆる「ドロドロ血」になり血流が悪くなります。

全身の細胞に酸素と栄養分が十分に行き渡らず、疲れやすい、肩がこる、頭がボーッとするといった症状が出ることもあります。

 

脂肪肝の検査

血液検査のALT(GPT)の数値からある程度判断できます。

・ALT(GPT)の数値が100以上→すでに肝臓の炎症・線維化が始まっています。

・ALT(GPT)の数値が80以上100未満→炎症・線維化が疑われます。

血液検査で疑われる場合、超音波検査による簡易検査を行います。

もし、NASHや肝硬変や肝がんが疑われた場合、総合病院の肝臓の専門医を受診し、更に精密な検査が必要です。

超音波検査では脂肪肝は正常肝に比べて白く光って見えます。

 

脂肪肝の悪化を予防する

脂肪肝の悪化を止めるためには、食習慣の改善が必要です。

食習慣の改善といってもそれほど難しく考える必要はありません。

脂肪肝の本質は、ほぼメタボリックシンドロームと同じです。

食習慣の改善は、動脈硬化の進行して生じる心筋梗塞などの予防にもつながります。

まずは現在の食事量を8割程度に抑えることから始めてみましょう。

極端なダイエット方法は体に悪影響を与えます。

極端に食事を減らすと、体内の脂肪が肝臓に運ばれ、体は痩せても肝臓には脂肪がたまっているという状態になります。

無理な減量は逆に脂肪肝を進行させてしまいます

逆に正しく減量すれば、肝機能検査の値や、超音波検査の所見などが改善し、肝炎の進行が止まるという報告もあります*1

*1 大貫瑞穂ほか. 非アルコール性脂肪肝(NAFLD)患者に対する栄養食事指導による体重減少の効果. 栄養-評価と治療. 2011;28(1):21-24.

 

脂肪肝対策にお勧めの食材

脂肪肝を予防するのに役立つ食べ物としては、タウリンが多く含まれているしじみや牡蠣、アサリなどの貝類がおすすめです。

 

またタコやイカ、アジ、サバといった魚介類タウリンオルニチンが豊富なので脂肪肝の改善に最適です。

また、ビタミンやミネラルを豊富に含むニンジンやカボチャなどの緑黄色野菜も脂肪肝を解消するのにおすすめです。

これらの食べ物は比較的カロリーが低めのものが多いです。

食べ過ぎることも減るかと思います。

腹八分目にして、脂肪を代謝してくれる食材を摂ることが、脂肪肝の予防・改善には必要です。

 

摂取過剰が脂肪肝の危険因子と想定されるもの

総カロリー、糖質(炭水化物)、ソフトドリンク(糖質、果糖)、 肉類、脂質(特に飽和脂肪酸、ω-6 脂肪酸、コレステロール)

 

摂取不足が脂肪肝の危険因子と想定されるもの

魚類、ω-3 脂肪酸、食物繊維

(日本消化器病学会編『NAFLD/NASH診療ガイドライン2014』を基に作成)

 

※既にNASHや肝硬変となっている場合

先ほど挙げたしじみや肝臓に効くと言われるウコンは肝障害の人は控えましょう

しじみやウコンのサプリには鉄を多く含むものがあります。

鉄は肝炎や脂肪肝の方に悪影響を及ぼします

鉄は貧血予防に効果があることで知られますが、摂り過ぎて肝臓に溜まると、フリーラジカル(活性酸素)を発生させ、肝細胞を傷つけ、炎症を悪化させます。

線維化が進むと肝臓が硬くなり、肝硬変や肝がんになる可能性も高まります。

またウコンには薬物性肝障害の報告があります。

肝機能が弱っている状態では止めましょう。

 

脂肪肝の治療薬・サプリメント

今の所確実に脂肪肝を治す薬やサプリメントはありません。

しかし、マウスによる研究では糖尿病治療に使うSGLT2阻害薬のカナグリフロジンが効果を認められました。

今後脂肪肝治療への転用が期待されます。

  • ヒト肥満症患者と同様の糖脂質代謝障害を呈するNASHモデルマウスの脂肪肝、NASHおよびNASH肝癌の発症を遅延・抑制することを明らかにしました。
  • カナグリフロジンが脂肪細胞のエネルギー蓄積能を増加させ、肝臓への脂肪蓄積を減少させることを明らかにしました。
  • この成果は、既に糖尿病治療薬として臨床応用されているカナグリフロジンがNASHおよびNASH肝癌の予防に有用である可能性を示すものです。

Shiba, K., Tsuchiya, K., Komiya, C., Miyachi, Y., Mori, K., Shimazu, N., … Ogawa, Y. (2018). Canagliflozin, an SGLT2 inhibitor, attenuates the development of hepatocellular carcinoma in a mouse model of human NASH. Scientific Reports, 8(1), [2362]. DOI: 10.1038/s41598-018-19658-7

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