インフルエンザワクチン接種でよくある質問に答えました
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こんにちは!
三重県松阪市の医療と介護の専門家、
西井医院の院長( @nishii.hospital)です。
インフルエンザワクチン接種前
1. インフルエンザにかかった事がないので打たない
ワクチン未接種の子供で約5人に1人、ワクチン未接種の大人で約10人に1人が毎年季節性インフルエンザにかかります。
たまたまかからずに済んでいるだけと思います。
2. ワクチンを打ってもインフルエンザに罹ったのでワクチン接種しても意味がない
インフルエンザワクチンは2~16歳の子供において、インフルエンザのリスクを30%から11%に低下させます。
また、インフルエンザ様疾患を28%から20%へ低下させます。
インフルエンザの発症1名を予防するには5人がワクチンを接種する必要性があります。
インフルエンザ様疾患の発症1名を予防するには12人がワクチンを接種する必要性があります。
インフルエンザの予防接種をしないとインフルエンザ脳炎/脳症の年間発生率は、100万人中平均2.8人です。
しかし、その半数で死亡又は神経学的後遺症を残します。
インフルエンザワクチン接種はインフルエンザによる(特に高齢者の)死亡率の低下に寄与します。
昔はインフルエンザワクチンを学校で集団接種していましたが、それにより年間37,000人~49,000人の超過死亡を予防していたと推測されています。
3. 数年前にインフルエンザワクチンを打ったから今年は大丈夫
インフルエンザのワクチンの効果はウイルス株にもよりますが5~6ヶ月で減弱します。
また、毎年流行を予測してワクチンのウイルス株を決定するため、毎年ワクチンに採用するインフルエンザウイルスの株は変わります。
ですので、前年以前のワクチン接種は有効ではありません。
4. 卵アレルギーがあるのでインフルエンザワクチンが心配です
インフルエンザ関連アナフィラキシーの原因は卵ではなくインフルエンザワクチンの構成成分が原因です。
インフルエンザ関連アナフィラキシーは防腐剤として使われる2-フェノキシエタノール(2-PE)を使った群で有意な増加があり、2-PEが関与した可能性があります。
但し、防腐剤としてチメロサールを使った群では有意な増加はありませんでした。
また、インフルエンザ関連アナフィラキシーを起こした人が全て卵アレルギーを持っているわけではありません。
採血のときに迷走神経反射で倒れる人もいるぐらいですので、ショック状態になってもアレルギーが原因で無い場合もあります。
インフルエンザワクチンに含有する卵アルブミン量はWHOにより10μg/ml未満とされていますが、日本で使用されるワクチンには遥かに少なく0.8ng/mlしか含まれません。
ごくわずかでも卵を食べることができるのであれば、全く心配ない量しか卵アルブミンはインフルエンザワクチンには含まれていません。
5. 妊娠中なので防腐剤の入っていないインフルエンザワクチンはありませんか?
妊娠中のインフルエンザワクチンは妊婦さんに安全です。
また、出生後の乳児のインフルエンザ発症リスクを有意に下げます。
「産婦人科診療ガイドライン」では、「(防腐剤である)チメロサールを含んでいる製剤もその濃度は極少量であり、胎児への影響はないとされている」とされています。
心配せずにインフルエンザワクチンを打って予防してください。
6. 風邪をひいて微熱があるのでインフルエンザワクチンを打ちません
日本ワクチン産業協会の『予防接種に関するQ&A集2014年版』には「急性疾患であっても、軽症と判断できる場合には接種を行うことができる」とあります。
私自身も37.5℃までなら打っています。
無理にとは言いませんが、軽い風邪で接種機会を逃すより打った方がよいと考えています。
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インフルエンザワクチン接種時
1. インフルエンザワクチンを打ったらしっかり揉まないといけないですか?
以前は接種後に接種した場所を揉んでいましたが、ワクチンの効果に差が無いこと、強く揉むと皮下出血がおこることから、近年はあまり推奨されていません。
軽く圧迫する程度にとどめておけばよいとされています。
2. インフルエンザワクチン接種当日はお風呂は入らないほうがいいですか?
熱などがなく、いつもと変わりなければ、差し支えはありません。
ただし、接種した部分をこすったりしないよう注意して下さい。
3. インフルエンザワクチンを接種した後運動してもいいですか?
水泳・マラソン等のはげしい運動は避けましょう。
その他はいつもどうりで大丈夫です。
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インフルエンザワクチン接種後
1. 微熱が出てきてインフルエンザに罹っていないか心配です
全身性の反応としては、発熱、頭痛、寒気(悪寒)、だるさ(倦怠感)などが見られます。
接種を受けられた方の5~10%に起こり、通常2~3日でなくなります。
インフルエンザワクチンは不活化ワクチンです。
不活化ワクチンは、インフルエンザウイルスの活性を失わせ、免疫をつくるのに必要な成分を取り出して病原性を無くして作ったものです。
したがって、ウイルスとしての働きはないので、ワクチン接種によってインフルエンザを発症することはありません。
2. 接種部位が腫れてますが大丈夫でしょうか?
注射のワクチンに共通して、接種部位の痛み・腫れ・かゆみ・しこりなどが比較的高い頻度でみられますが、通常数日以内に自然に治ります。
3. 何日ぐらいでインフルエンザワクチンの効果が出ますか?
約2週間位で免疫がついて効果が出始めます。
例年12月からインフルエンザは流行り始めるので11月中の予防接種がお勧めです。
インフルエンザに関しての解説はこちらインフルエンザの予防と対策、検査と診断、症状と治療のまとめ
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