三重県松阪市の医療と介護の専門家 

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外出自粛やコロナ疲れのストレスによる胃もたれを漢方でセルフケア

 
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1974年生まれ。2000年三重大学医学部卒業。三重県松阪市で内科クリニックを10年前からしています。診療所に併設して有料老人ホーム、認知症対応型グループホームもあり、自宅生活の方も含め在宅医療も行っています。 また、インスタグラムでフォロワー1万人超のアカウントを2つ運営するインスタグラマーでもあります。 地域のかかりつけ医として気軽になんでも相談してください。医療と介護の両面から一緒に考えます。
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こんにちは!

三重県松阪市の医療と介護の専門家、

西井医院の院長(  @nishii.hospital)です。

 

新型コロナウイルス感染症予防のため、外出自粛による運動不足とストレスで胃もたれになっていませんか?

 

胃もたれが起こる理由

飲食物の消化には、食べたものによって1~5時間ほどの時間が必要です。

何らかの理由で胃の活動が低下していると、消化に時間がかかってしまいます。

その結果、胃がもたれる、重く感じるなどの不快感につながります。

 

胃もたれを漢方的に解説すると

院長
胃もたれは「気」の不足と「水」のめぐりの滞りから生じます。

 

『気』は元気のもと、生きるエネルギーや自律神経の働きを表し、ストレスなどで『気』が不足すると元気がない状態となります。

『水(すい)』は、血液以外の水分や胃液など体液のことで、胃がもたれるのは、そのめぐりが悪くなっている状態です。

 

胃もたれの治療

胸焼けや痛みを伴う時(胃食道逆流症の胃もたれ)には胃酸の分泌を抑える薬や酸を中和する薬を使います。

院長
こちらは西洋薬が得意な分野です。

 

食後の停滞感・胃が重たい感じや食欲不振を伴う時(機能性ディスペプシアの胃もたれ)には、消化促進薬、胃の運動を高める薬、胃粘膜を保護する効果のある健胃薬が用いられます。

院長
漢方薬が効きやすいのはこちらの症状です。

漢方製剤を1ヶ月ほど服用しても症状が改善しない場合は、医療機関を受診してください。

上部内視鏡検査を受けることをお勧めします。

ピロリ菌による慢性胃炎や胃がんによる胃もたれが原因の場合もあります。

健康保険でピロリ菌除菌療法を受けることができます。

 

一時的な胃もたれに使う漢方薬

半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)

精神的に緊張し気うつ時の胃もたれに適します。

気分がふさいで、咽喉や食道部に異物感や閉塞感があり、動悸、めまい、嘔気、膨満感を伴う胃もたれに用いられる方剤です。

 

五苓散(ごれいさん)

さまざまな浮腫(むくみ)、急性胃腸炎、下痢、頭痛、暑気あたり、二日酔いなどの吐き気やむかつきにも用いられます。

子どもの下痢、妊婦のむくみなどに使われることもあります。

 

安中散(あんちゅうさん)

胃腸を温めて機能を調え、胃もたれ(みぞおち部のつかえ感)、食欲不振、胸やけ、胃痛(とくに空腹時)を軽減する方剤です。

神経質な人に向く薬ともされ、ストレスによる胃のあたりの膨張感、不快感などにも用いられます。

 

繰り返す慢性の胃もたれに使う漢方薬

半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)

胃もたれ(みぞおち部・心窩部のつかえ感)、嘔気、食欲不振、腸が鳴って軟便下痢気味の状態に用います。

ストレス性の胃症状・過敏性腸症候群の下痢や口内炎など多様な疾患症状に用いられます。

院長
余談ですが、半夏瀉心湯は漢方薬の中で一番高価です。高級胃薬なんですよ!

 

六君子湯(りっくんしとう)

やせ型で顔色が悪く、冷えやすく、みぞおちのつかえ、全身倦怠感のある人の食欲不振、胃もたれ、胃痛、嘔吐などに用います。

胃下垂、消化不良などにも用いられます。

 

呉茱萸湯(ごしゅゆとう)


体力が中等度以下で、手足が冷えやすく、慢性的に頭痛を抱えている方、時に吐気がある方に向いてます。

 

胃もたれを予防するために

  • 脂っこいものや塩辛いものを食べすぎていないか。
  • 消化酵素を含む大根、蓮根(レンコン)、芋類、オクラなどを積極的に摂る。
  • 食事中の冷たい飲み物は控える。
  • タバコを止め、アルコールはほどほどにする。
  • 適度の運動などで気分転換をする。
  • 胃腸を休ませる。胃もたれ予防には、食事の間隔を4時間以上空ける、おやつなどの間食を控えるなど食べない時間を設けて胃腸を休ませることも大切です。
  • コーヒーを飲むのなら食後にする。コーヒーには胃酸の分泌を促進する作用があります。ただし、一杯程度にするのがいいでしょう。

 

最後に

今回紹介した漢方薬はドラッグストアでも入手できるものです。

処方薬では、市販で売っていないものもあります。

 

これまでの私たちの暮らしが一変している状況では誰もがストレスフルになっています。

「コロナ鬱」や「コロナ疲れ」といった言葉も聞かれるようになり、メンタル不調を来す方もいます。

なかなか終わりが見えないですが、頑張りましょう。

 

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1974年生まれ。2000年三重大学医学部卒業。三重県松阪市で内科クリニックを10年前からしています。診療所に併設して有料老人ホーム、認知症対応型グループホームもあり、自宅生活の方も含め在宅医療も行っています。 また、インスタグラムでフォロワー1万人超のアカウントを2つ運営するインスタグラマーでもあります。 地域のかかりつけ医として気軽になんでも相談してください。医療と介護の両面から一緒に考えます。
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