睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療 STOP!いびき・眠気
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こんにちは!
三重県松阪市の医療と介護の専門家、
西井医院の院長( @nishii.hospital)です。
以前に睡眠時無呼吸症候群(SAS)の簡易検査について書きました。
簡易検査にて陽性と診断された後の治療する方が最近増えてきました。
そこで、治療を中心に今回は書いてみます。
その前に簡単に睡眠時無呼吸症候群についておさらいです。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは
睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome)は、睡眠中に呼吸が止まる(無呼吸)病気です。
Sleep Apnea Syndromeの頭文字をとって、「SAS(サス)」とも言われます。
医学的には、10秒以上の気流停止(気道の空気の流れが止まった状態)を無呼吸とし、無呼吸が一晩(7時間の睡眠中)に30回以上、若しくは1時間あたり5回以上あれば、睡眠時無呼吸です。
睡眠時無呼吸症候群の症状
寝ているとき
・いびきをかく
・いびきが止まり、大きな呼吸とともに再びいびきをかきはじめる
・呼吸が止まる
・呼吸が乱れる、息苦しさを感じる
・むせる
・何度も目が覚める(お手洗いに起きる)
・寝汗をかく
起きたとき
・口が渇いている
・頭が痛い、ズキズキする
・熟睡感がない
・すっきり起きられない
・身体が重いと感じる
起きているとき
・強い眠気がある
・だるさ、倦怠感がある
・集中力が続かない
・いつも疲労感がある
(引用:https://659naoso.com/sas/symptoms)
睡眠時無呼吸症候群の治療が必要な理由
睡眠時無呼吸症候群はいびきだけでなく心臓、脳、血管に負担をかけます。
睡眠時無呼吸症候群があるだけで高血圧症や脳卒中、狭心症、心筋梗塞など心臓や血管の病気を合併する危険が高まることがわかっています。
家庭でできる睡眠時無呼吸症候群の治療
・痩せる(肥満のある場合)
痩せるだけで首周りの脂肪が減り、気道の圧迫が減ります。
・マウスピース
市販品のマウスピースもあります。
しかし、歯科で作成して自分の口腔に合うものを作成することをお勧めします。
・生活習慣の改善(横向きに寝る、寝酒を止める、睡眠薬の使用は控える)
寝酒は不眠の原因となります。
これらで重症度をある程度下げることが可能な場合があります。
軽症の患者さんでは無呼吸がほぼ正常域まで改善することもあります。
睡眠時無呼吸症候群の原因
睡眠時無呼吸症候群の原因は大きく分けて2種類あります。
閉塞性(へいそくせい)と中枢性(ちゅうすうせい)です。
閉塞性の睡眠時無呼吸症候群とは
呼吸という運動は保たれているが上気道のどこかが塞がるることで鼻・口の空気の流れが停止するタイプです。
いびきが出るのは閉塞性です。
呼吸をしようとしていても上気道が何かの原因でふさがってしまい息ができない状態です。
肥満の方で首回りに脂肪が多く付着しているような場合は「閉塞性」を引き起こしやすくなります。
しかし、アジア、特に日本を含めた東アジアの人はあごが小さく、もともと気道が狭い人が多いです。
このため肥満がなくても「閉塞性」が生じやすいと考えられています。
中枢性の睡眠時無呼吸症候群とは
呼吸の運動そのものが停止するタイプです。
脳の呼吸をコントロールする部位から信号が送られないことによって生じます。
心不全をはじめとした心機能低下や脳卒中などで脳に障害を生じた人などにみられることが多いです。
気道が詰まらないので、純粋な中枢性睡眠時無呼吸症候群の場合はいびきをかきません。
医療機関での睡眠時無呼吸症候群の治療
- 減量(肥満がある場合)
- 持続陽圧呼吸療法(CPAP(シーパップ)療法)
- 口腔内装置(マウスピース)
- 手術
- 鼻疾患の治療
- 生活習慣の改善指導(横向きに寝る、禁酒、睡眠薬の禁止)
生活習慣の改善は医療機関で治療する時も継続して必要です。
生活習慣の改善だけでは十分な改善が得られない場合は、口腔内装置や持続陽圧呼吸療法(CPAP療法)、もしくは耳鼻科での手術が必要となります。
マウスピース療法
下あごが少し前方に出るようなマウスピースをオーダーメイドで作製し、これを夜間装着して寝てもらう治療法です。
(なお、マウスピースの作成は医師により睡眠検査を行った上で、睡眠時無呼吸症候群と診断され、歯科へ紹介することで健康保険で作ることができます。)
下あごが前方に移動する分、気道が広くなるので、軽症~中等症の「閉塞性」なら改善が期待できます。
CPAP療法
気道に空気の圧力(陽圧)を持続的にかけることによって、舌の根元が沈み込んで気道を閉塞するのを予防します。
夜間は専用のマスクをして寝ます。
設定された一定の圧力の空気がマスクを通して送られてきます。
それほど強い圧力ではありません。
慣れてしまえば普通に眠れます。
保険診療では、無呼吸・低呼吸指数が20以上の「閉塞性」の場合、この療法の適応となります。
CPAP療法は、無呼吸を減らすだけでなく、降圧(高血圧の改善)、不整脈の減少、交感神経の働きの抑制、インスリンが効きにくい状態を改善(糖尿病の改善)などの効果もあります。
そして心筋梗塞・狭心症や脳卒中などの発症を抑え、これらの病気の経過をよくすることがわかっています。
(※CPAP療法の機械を直輸入の上で販売する会社もネットではあります。その場合はCPAPの機械が壊れたり、マスクやチューブの破損時には自分で取り寄せないといけません。また、マスクもフィッティングをしないと十分な効果を発揮しません。CPAP療法をする方は高血圧などの病気も合併が多いため医療機関での管理が必要です。)
耳鼻科で上気道の手術
上気道の閉塞部分がはっきりわかっているときは、上気道を拡大する手術が行われる場合もあります。
必ずしも無呼吸が完全に回復するわけではなく、また手術ということもあり、CPAP療法やマウスピース療法ほど行われていません。
無呼吸の回数と重症度、心血管系の病気のリスク
睡眠時の無呼吸回数が多くなるにつれて、つまり重症になればなるほど、心臓や血管の病気を合併するリスクは高くなります。
(※1時間あたりの平均の無呼吸と低呼吸の回数を「無呼吸・低呼吸指数」(AHI)といいます。この指数が5以上(5未満は正常とされています)であれば異常と判定します)
軽症 | 5 ≦ AHI <15 |
---|---|
中等症 | 15 ≦ AHI < 30 |
重症 | 30 ≦ AHI |
(成人の睡眠時無呼吸症候群 診断と治療のためのガイドライン 2005)
睡眠時無呼吸症候群の予防
生活習慣の改善により、「閉塞性」の睡眠時無呼吸症候群は予防が可能です。
肥満が原因の場合、予防は太らないことです。
過度の飲酒も控えましょう。
泥酔するとのどの周囲の筋肉の緊張状態が過度に低下して、睡眠時無呼吸症候群の原因になります。
喫煙も気道に炎症を起こし、結果的に気道がむくむので、睡眠時無呼吸症候群の原因にもなります。
禁煙は予防の観点からも大切です。
西井医院での治療の流れと医療費
健康保険を利用した場合のCPAP療法の1ヵ月の医療費は5,000円程度となります。
気になったらセルフチェック
こちらのサイトから睡眠時無呼吸症候群のセルフチェックができます
こちらをクリック⇒睡眠時無呼吸なおそう.com
当院も治療ができる専門の医療機関として登録されています。
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